これならわかる復文の要領 ――漢文学習の裏技――

古田島洋介 著 / 新典社選書83

発展問題はってんもんだい1 名詞めいしふし主語しゅごpp. 243–248

《Q69》にん生くいくるや直しなおし。(全五字ぜんごじ置き字おきじナシ)

「の」→「之」、「や」→「也」。「N之V也P也」のかた形容詞けいようし「直」が述部じゅつぶ補語ほご)を形成けいせいする。

【A69】
にん ゆき なま  ちょく
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんにんゆきなまクルちょくシ(『論語ろんごよう

《Q70》君子くんしにん愛すあいするやとく以てもてす。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第三だいさん「之」)

「人を愛す」→「愛人」。「以てす」は「以テス」(後位副詞句こういふくしく)。「君子くんしゆき愛人あいじんとく」の構造こうぞう。「あいスル君子くんしゆきにん」と復元ふくげんすると「之」の位置いちがずれる。

【A70】
くん  ゆき あい にん   とく
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん君子くんしゆきあいにんテスレとくヲ(『礼記らいき檀弓だんきゅううえ

《Q71》ちゅう武丁ぶてい去るさること未だいまだ久しかひさしからざるなり。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第二だいに「之」)
ちゅう武丁ぶてい武丁ぶていおうめい

「N之V」が「こと」を介しかいし述部じゅつぶ続くつづくれい動作どうさ時間じかん距離きょり述部じゅつぶ記すしるす場合ばあい)。再読文字さいどくもじ「未」を形容詞けいようし「久」に前置ぜんち。「の」→「之」、末尾まつび「なり」→「也」。

【A71】
ちゅう ゆき きょ たけし ちょう ひつじ きゅう 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんちゅうゆききょルコト武丁ぶてい一未かずみきゅうシカラ(『孟子もうし公孫丑上こうそんちゅうじょう
補説ほせつ:「Vスルコト+時間じかん距離きょり〕」は現代げんだいでも「待つまつこと十分じゅうぶん」「走ること三十五キロ」などで常用じょうようされる。

《Q72》天下てんかみち無きなき久しひさし。(全八字ぜんはちじ第三だいさん「之」/第八字だいはちじ置き字おきじ「矣」)

存在表現そんざいひょうげん「道無し」→「無道」(「無」を動詞どうし考えかんがえる)。「の」→「之」、「や」→「也」、末尾まつび置き字おきじ「矣」を添加てんか

【A72】
てん した ゆき  みち  きゅう 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん天下てんかゆきキレ道也みちやきゅう(『論語ろんご八佾やつら

《Q73》みちしょう行はぎょうれんとするやいのちなり。(全八字ぜんはちじ第六字だいろくじ置き字おきじ「与」)

受身うけみ「行はれん」は送り仮名おくりがな漢文かんぶん動詞どうし能動のうどう受動じゅどう区別くべつなし)。再読文字さいどくもじ「将」を動詞どうし「行」に冠すかんす。「の」→「之」、「や」「なり」→「也」、置き字おきじ「与」は主語しゅご提示ていじの「也」を強めつよめる。

【A73】
みち ゆき しょう ぎょう   いのち 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん道之みちゆきしょうぎょうハレントいのち(『論語ろんご憲問けんもん

《Q74》君子くんし耕さたがやさずして食らくらふはなにぞや。(全九字ぜんくじ第六字だいろくじ置き字おきじ「而」/第九字だいくじ「也」)

「ず」→「不」、「ずして」→「而」。「耕さずして食らふ」→「不耕而食」(四字よじ全体ぜんたいに「君子くんしゆき」が掛かかかる)。「何ぞや」→「何也」。

【A74】
くん  ゆき  こう  しょく なに 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん君子くんしゆきこうシテしょくラフハなに(『孟子もうしじんこころうえ

《Q75》君子くんしおと聴くきく其のその鏗鏘こうそう聴くきくのみに非ざあらざるなり。(全十三字ぜんじゅうさんじ置き字おきじナシ/第三だいさん「之」/だい十一じゅういち十二字じゅうにじ=「而已のみ」)
鏗鏘こうそう鏗鏘こうそう楽器がっき音色ねいろ

「音を聴く」→「聴音」として「君子くんしゆき」の下にしたに。「其の鏗鏘を聴く」→「聴其鏗鏘」に「而已のみ」を加えくわえ全体ぜんたいに「非」をかぶせる。末尾まつび「なり」→「也」。

【A75】
くん  ゆき ちょう おと  ちょう その こう しょう   
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん君子くんしゆきちょうクハレおとザルしたちょうクニその鏗鏘こうそういち而已のみうえ(『礼記らいきらく
補説ほせつ:「不」」動作どうさ否定ひてい、「無」」存在そんざい否定ひてい、「非」」内容ないよう否定ひてい(〜ではない)。

中文翻譯

本組七題練習「N之V也P也」(名詞節作主語)的解答。要領:「の」→「之」、「や」→「也」、末尾「なり」→「也」。

Q71 特殊點:「Vすること+時間距離」結構中,動詞加「こと」使其名詞化,漢文不需特別標記,直接以「N之V」+時間距離即可。Q73 特殊點:「将」為再讀文字,置き字「与」加強主語提示功能(比單獨「也」語氣更強)。Q75:「而已」(而已矣=のみ)為書面語氣詞;「非」否定內容(非〜也)不同於「不」否定動作。

発展問題はってんもんだい1 NゆきN2 / 名詞めいしふし目的語もくてきご)/ 副詞節ふくしせつpp. 249–256

《Q76》たみひとし於けおけるや水火すいかよりもじんだし。(全九字ぜんくじ第二だいに「之」/第七字だいしちじ置き字おきじ「於」)

前半ぜんはん「民之於仁也」をかたどおり復元ふくげん後半こうはん「甚於水火すいか」の「於」は英語えいご than に相当そうとう比較ひかく表すあらわす)。「の」→「之」、「や」→「也」。

【A76】
たみ ゆき  ひとし  じん  みず 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんたみゆきケルひとし一也かずやじんダシ水火すいかヨリモ(『論語ろんご衛霊公えいれいこう

《Q77》君子くんし天下てんか於けおけるやてき無くなくばく無しなし。(全十三字ぜんじゅうさんじ第三だいさん「之」/だいじゅうじゅう三字さんじ置き字おきじ「也」)

「無レ適モ也無レ莫モ也」→ 助詞じょし「も」に抵抗ていこう感じかんじても、《Q22》「無可無不可ふか」と同じおなじかた前半ぜんはん君子くんしゆき天下てんか」+後半こうはん「無適也無莫也」。

【A77】
くん  ゆき  てん した   てき   ばく 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん君子くんしゆきケル天下てんか一也かずやてきばく(『論語ろんご里仁りじん

《Q78》むらさきしゅだつふをあくむなり。(全六字ぜんろくじ置き字おきじナシ/第三だいさん「之」)

「紫の朱を奪ふ」→「紫之奪朱」として動詞どうし「悪」の目的語もくてきごに。末尾まつび「なり」→「也」。

【A78】
あく むらさき ゆき だつ しゅ 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんあくむらさきゆきだつフヲいちしゅ(『論語ろんご陽貨ようか

《Q79》てん高きたかき気のきのけいけきを見るみる。(全七字ぜんしちじ置き字おきじナシ)

二つふたつ名詞めいしふし「天之高」「気之迥」を並列へいれつして動詞どうし「見」の目的語もくてきごとする。中黒なかぐろ「・」は区切りくぎり符号ふごうにすぎず、解答かいとうでは省略しょうりゃく

【A79】
けん てん ゆき たか  ゆき けい
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんけんてんゆきたかキ・ゆきけいケキヲいち(〔唐〕やなぎ宗元そうげん「鈷鉧潭記」)

《Q80》老いおいしょう至らいたらんとするを知らしらざるのみ。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第七だいなな八字はちじ「云爾」)

「の」→「之」、「ざる」→「不」、末尾まつび「のみ」→「云爾」。再読文字さいどくもじ「将」を「至」に冠すかんす。「老之将至」四字よじを「知」の目的語もくてきごに。

【A80】
  ろう ゆき しょう いた うん 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんレルろうゆきしょうニレいたラントいちうん(『論語ろんご述而じゅつじ

《Q81》君子くんし其のそのげん其のその行におこに過ぐすぐるを恥づはづ。(全九字ぜんくじ置き字おきじナシ)

「其の言の其の行に過ぐ」のうち「言の」の「の」だけを「之」に改めあらためる(「其の」の「の」は「之」に還元かんげんしない)。「其言之過其行」全体ぜんたいを「恥」の目的語もくてきごに。

【A81】
くん  はじ その げん ゆき  その ぎょう
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん君子くんしはじそのげんゆきグルヲレそのぎょういち(『論語ろんご憲問けんもん

《Q82》しんきょうしん漁父ぎょふ為らすらんことを恐るおそるるなり。(全九字ぜんくじ置き字おきじナシ/第五字だいごじ「之」)

「強秦の漁父と為る」→「強秦之為漁父」(「之」介入かいにゅう)として「恐」の目的語もくてきごに。末尾まつび「なり」→「也」。「臣」は主語しゅご

【A82】
しん きょう きょう しん ゆき ため りょう ちち 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんしんきょうルルきょうしんゆきためランコトヲ漁父ぎょふ一也かずや(『戦国せんごくさくつばめ

《Q83》われ生のうの須臾しゅゆなるを哀しかなしみ、長江ちょうこう窮まきはま無きなき羨むうらやむ。(全十二字ぜんじゅうにじ置き字おきじナシ/第四だいよん十字じゅうじ「之」)

「吾生之須臾」を「哀」の、「長江ちょうこうゆき無窮むきゅう」を「羨」の目的語もくてきごとする(それぞれ第四字だいよじ第十字だいじゅうじに「之」)。

【A83】
あい われ なま ゆき   、 せん ちょう こう ゆき  きゅう
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんあいシミわれなまゆき須臾しゅゆナルヲいちせん長江ちょうこうゆきキヲレきゅうマリいち(〔宋〕蘇軾そしょく「前赤壁賦」)

《Q84》てんしん亡ぼほろぼすは、さとる無くなくみなゆき知るしる。(全十字ぜんじゅうじ置き字おきじナシ/第二だいに「之」)
しんしん国名くにな

名詞めいしふし「天之亡秦」が主題しゅだい提示ていじとして文頭ぶんとう置かおかれ、下文かぶんだい名詞めいし「之」がこれを目的語もくてきごとして受けうけ直すなおす構造こうぞう。「愚智と無く」→「無愚智」(「無ク貴ク無ク賤ク」かた縮約しゅくやくかたち)。

【A84】
てん ゆき ぼう しん 、   さとる みな  ゆき
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんてんゆきぼうボスハレしんヲ、クレさとるみなルレゆきヲ(『史記しき項羽本紀こううほんき

《Q85》小人こども過つあやまつや、必ずかならずぶんる。(全七字ぜんしちじ置き字おきじナシ)

「の」→「之」、「や」→「也」で副詞節ふくしせつ「小人之過也」を復元ふくげん主節しゅせつ書き下し文かきくだしぶん語順ごじゅんどおり「必文」。

【A85】
しょう にん ゆき   、 ひつ ぶん
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん小人こどもゆきツヤレひつぶんル(『論語ろんご子張しちょう

《Q86》にんしょう死なしなんとするや、其のそのげんぜんし。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第七字だいしちじ「也」)

二つふたつの「や」のうち、「其の言や」の「や」のみ「也」(第七字だいしちじ)に。「死なんとするや」の「や」は送り仮名おくりがな再読文字さいどくもじ「将」を「死」に冠すかんす

【A86】
にん ゆき しょう  、 その げん  ぜん
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんにんゆきしょうニレナント、そのげんぜんシ(『論語ろんご泰伯たいはく

中文翻譯

Q76–Q77(N之於N2):「N1之於N2也,P」為「N之V」的延伸,以前置詞「於」充當述語位置。後半「甚於水火」的「於」相當於英語 than,表示比較基準。

Q78–Q84(名詞節作目的語):「N之V」整體作為上位動詞的賓語。Q81 重點:只有「其言の→之」,「其の(所有格)」的「の」不改寫為「之」。Q84 特殊:名詞節「天之亡秦」主題前置,以代詞「之」回指,是漢文中常見的話題化結構。

Q85–Q86(時間副詞節):「N之V也」作時間狀語從句,「や」=「也」,接主句。Q86 注意「や」的選擇:「其の言や→也」(第七字),「死なんとするや」的「や」不換字。

発展問題はってんもんだい2 形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく+「者」(前半ぜんはんpp. 256–263

《Q87》ひとし好むこのむもの全三字ぜんさんじ置き字おきじナシ) 《Q88》とく有るあるもの全三字ぜんさんじ置き字おきじナシ)

Q87:〈動詞どうし目的語もくてきご構造こうぞう修飾語句しゅうしょくごく。Q88:「有ル徳ヲ」の存在そんざい構文こうぶん

【A87】【A88】
こう ひとし もの / あり とく もの
〔A87〕こうムレひとしもの(『論語ろんご里仁りじん) 〔A88〕ありルレとくもの(『論語ろんご憲問けんもん

《Q89》不仁ふじんあくもの全四字ぜんよじ) 《Q90》鳴くなくことのうはざるもの全四字ぜんよじ) 《Q91》速やかすみやか成らならんと欲すほっすもの全四字ぜんよじ

Q89:〈動詞どうし目的語もくてきご〉。Q90:「不能ふのうハV」構造こうぞう。Q91:「欲スVセント」構造こうぞう副詞ふくし「速」は動詞どうし「成」に冠すかんす(「速成」の熟語じゅくご想起そうき)。

【A89】【A90】【A91】
あく  ひとし もの /  のう めい もの / よく そく せい もの
〔A89〕あく不仁ふじんいちもの論語ろんご里仁りじん) 〔A90〕レルのうハレめいクコトもの荘子そうじ山木やまき) 〔A91〕よくスルそくヤカニせいラントいちもの論語ろんご子路しろ

《Q92》にんあく称するしょうするもの全五字ぜんごじ第三だいさん「之」) 《Q93》始めはじめ有りありそつ有るあるもの全五字ぜんごじ

Q92:「の」→「之」(「人之称スル悪ヲ者」にすると「之」が第三だいさんにならないため「称人之悪者」が正解せいかい)。Q93:存在そんざい構文こうぶん「有始有卒」の重複ちょうふく

【A92】【A93】
しょう にん ゆき あく もの / あり  あり そつ もの
〔A92〕しょうスル二人ふたりゆきあくいちもの論語ろんご陽貨ようか) 〔A93〕ありリレありリレそつもの論語ろんご子張しちょう

《Q94》無為むいにして治まおさまもの全五字ぜんごじ第三だいさん「而」) 《Q95》勇にいさにしてれい無きなきもの全五字ぜんごじ第二だいに「而」) 《Q96》生まれうまれながらにしてゆき知るしるもの全五字ぜんごじ第二だいに「而」)

さんだいとも「にして」を目安めやす置き字おきじ「而」を挿入そうにゅう。Q95:「而」の下にしたに存在そんざい構文こうぶん「無礼」。Q96:「生まれながらにして」→「生而」(漢文かんぶん訓読くんどく定型ていけい表現ひょうげん)。

【A94】【A95】【A96】
 ため  おさむ もの / いさみ   れい もの / なま   ゆき もの
〔A94〕無為むいニシテおさむマルもの論語ろんご衛霊公えいれいこう) 〔A95〕いさみニシテキレ礼者れいしゃ論語ろんご陽貨ようか) 〔A96〕なまマレナガラニシテルレゆきもの論語ろんご季氏きし

《Q97》知らずしらずしてゆき作るつくるもの全六字ぜんろくじ第三だいさん「而」) 《Q98》多くおおく学んまなんゆきしきもの全六字ぜんろくじ第三だいさん「而」)

Q97:「ず」→「不」、「ずして」→「而」。Q98:「学んで」は「学びて」の音便おんびん(「て」→「で」)、「して」と同じおなじ感覚かんかくで「而」を入れいれる。

【A97】【A98】
   さく ゆき もの /  がく  しき ゆき もの
〔A97〕さくルレゆきもの論語ろんご述而じゅつじ) 〔A98〕がくンデしきルレゆきもの論語ろんご衛霊公えいれいこう

《Q99》われちんさい従ふしたがふもの全六字ぜんろくじ第三だいさん置き字おきじ「於」)
ちんさいさい国名くにな

〔V/OQ〕変換へんかんにより「我」「陳蔡」を「従」の下にしたに配置はいち前置詞ぜんちし「於」を国名くにな「陳蔡」にかぶせる(並列へいれつ中黒なかぐろ解答かいとうでは省略しょうりゃく)。

【A99】
じゅう われ  ちん さい もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんじゅうフレわれちんさいいちもの(『論語ろんご先進せんしん

《Q100》女子じょしにして男子だんしのごとく飾るかざるもの全七字ぜんしちじ第三だいさん置き字おきじ「而」)

「にして」→「而」。「男子のごとく」は名詞めいし「男子」が比喩ひゆ表すあらわす副詞ふくし転用てんようされたれい語順変換ごじゅんへんかん不要ふよう)。

【A100】
おんな   おとこ  しょく もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん女子じょしニシテ男子だんしノゴトクしょくもの(『説苑ぜいえんまつりごと

《Q101》其のその不可ふかなるを知りしりゆき為すなすもの全八字ぜんはちじ第五字だいごじ置き字おきじ「而」)

「其不可ふか」を「知」の目的語もくてきご、「之」を「為」の目的語もくてきご。「知りて」→「而」で上下じょうげをつなぐ。

【A101】
 その    ため ゆき もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんリテその不可ふかナルヲいちためスレゆきもの(『論語ろんご憲問けんもん

《Q102》おや其のその身にみに於いおい不善ふぜん為すなすもの全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ)

「於いて」を見てみても「而」を入れいれない(置き字おきじナシ)。前置詞ぜんちし「於」は名詞めいし「其身」を従えしたがえ前位副詞句ぜんいふくしく形成けいせい(「於イテ」とくんじる→置き字おきじにならない)。

【A102】
おや  その  ため  ぜん もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんおやイテそのいちため不善ふぜんいちもの(『論語ろんご陽貨ようか

中文翻譯

本組練習「形容詞的修飾語句+者」,從短句(二〜八字)逐步增加複雜度。

核心要領:「(ず)して・にして」→置き字「而」;「学んで」等音便形也視同「して」;「之介入現象」:「N之V」中「の」→「之」;前置詞「於」若以「於いて」訓讀則不是置き字。Q99 的「於」為前置詞(導引目的地),Q102 的「於其身」為前位副詞句(「而」無用武之地)。

発展問題はってんもんだい2 長句ちょうく+〔付〕連体形れんたいけい+「之」+名詞めいしpp. 263–272

《Q103》貧しくまずしくしてみち楽しみたのしみ富みとみれい好むこのむもの全九字ぜんくじ第二だいに六字ろくじ置き字おきじ「而」)

二つふたつの「而」「貧而楽道」「富而好礼」を連結れんけつした修飾語句しゅうしょくごく前半ぜんはん「貧しくして」・後半こうはん「富みて」それぞれ「而」を挿入そうにゅう

【A103】
びん  らく みち 、 とみ  こう れい もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんびんシクシテらくシミレみちヲ、とみミテこうムレれいもの(『論語ろんご学而がくじ
補説ほせつ現行げんこうの『論語ろんご』は前半ぜんはんを「貧而楽」三字さんじとするテキストが多いおおいが、ここでは「貧而楽道」四字よじ本文ほんぶん従うしたがう

《Q104》平らたいらかに天下てんか治めおさめさかえめい垂れたれんと欲すほっすもの全十字ぜんじゅうじ第六字だいろくじ置き字おきじ「而」)

「欲」を文頭ぶんとう置きおき平治へいじ天下てんか」「垂栄名」双方そうほう掛けかける(「欲」を「垂栄名」だけに掛けかけると「而」が第五字だいごじになりずれる)。副詞ふくし「平」を動詞どうし「治」に冠すかんす。「治めて」→「而」。

【A104】
よく たいら おさむ てん した  すい さかえ めい もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんよくスル下平しもだいらラカニおさむメテ天下てんかいちすいレントさかえめいいちもの(『説苑ぜいえんみことさとし

《Q105》きつねかくころもたるもの立ちたち恥ぢはぢざるもの全十字ぜんじゅうじ第七字だいしちじ置き字おきじ「而」)

「と」は並列へいれつ接続詞せつぞくしではなく前置詞ぜんちし「与」(〜と共にともに)。「与衣狐貉者」が前位副詞句ぜんいふくしくとなり動詞どうし「立」に掛かかか入れ子いれこ構造こうぞう。「立ちて」→「而」、「ぢざる」→「不恥」。

【A105】
 ころも きつね かく もの りつ   はじ もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん下衣かいタルレきつねかくものうえりつチテはじもの(『論語ろんご子罕しかん

《Q106》千金せんきん以てもて涓人けんじんをして千里せんりうま求めもとめしめしもの全十一字ぜんじゅういちじ置き字おきじナシ/使役動詞しえきどうし「使」)

「千金を以て」は前位副詞句ぜんいふくしく使役構文しえきこうぶん「使ムNヲシテVセ」にかた当てあてはめ「使涓人求千里馬」。字数じすう制約上せいやくじょう「千里之馬」ではなく「千里馬」。

【A106】
 せん きん 使 けん にん きゅう せん さと うま もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん二千にせんきんいち使涓人けんじんヲシテきゅういち千里せんりうまもの

《Q107》おうしん其のその妻子さいし其のそのとも託したくしゆききて遊ぶあそぶもの有りあり。(ぜんじゅう六字ろくじ第九だいく十二字じゅうにじ置き字おきじ「於・而」)
楚楚そそ国名くにな

「王の臣に…者有り」が骨格こっかく「王之臣有…者」。修飾語句しゅうしょくごく「託其妻子於其友而之楚遊」(十一字じゅういちじ)が「者」に掛かかかる。「の」→「之」、「託して」→「而」、「其友」に「於」を冠すかんす

【A107】
おう ゆき しん あり たく その つま   その とも  ゆき  ゆう もの
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんおうゆきしんありしたたくシテその妻子さいしいちそのともいちゆきキテ一遊いちゆものうえ(『孟子もうし梁恵王下りょうけいおうか

《Q108》くにためめてかずしば法令ほうれいこうふるものは、ほうほうとせず、其のそのぜんしとするところ以てもてほう為すなすものなり。(ぜんじゅう九字くじ第三だいさん置き字おきじ「而」)

「……者は……者なり」の全文ぜんぶん骨格こっかく。「為国而数更法令」七字しちじうえ「者」を、「不法法、以其所善為法」九字くじした「者」を修飾しゅうしょく。「法を法とせず」→「不法法」(名詞めいし「法」と動詞どうし「法とす」の使い分けつかいわけ)。「以テXヲ為スYト」に「所善」を代入だいにゅう

【A108】
ため くに  かず こう ほう れい もの 、  ほう ほう 、  その ところ ぜん ため ほう もの 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんためメテくにいちかずこうフル法令ほうれいいちものハ、ほうトセほうヲ、さんそのところぜんトスルいちためスレほうもの(『説苑ぜいえんまつりごと

《Q109》これ為すなす所以ゆえんものは、しょう以てもて天下てんか後世こうせい人臣じんしん為りすり二心にしん懐きなつき以てもて其のそのくんことふるもの愧ぢはぢしめんとすればなり。(全二ぜんじじゅう五字ごじ置き字おきじナシ/第十三字だいじゅうさんじ「之」)

所以ゆえんVスルもの」(Vする所以ゆえんもの)が上のうえの「者」。「天下てんか後世こうせいの」の「の」だけを「之」(第十三字だいじゅうさんじ)に改めあらためる(「所以ゆえんもの」の「の」は「之」にしない)。「将」は全体ぜんたい再読文字さいどくもじ、「愧ぢしめん」は動詞どうし使役しえき送り仮名おくりがな末尾まつび「なり」→「也」。

【A109】
ところ  ため これ もの 、 しょう   てん した のち  ゆき ため にん しん ふところ  こころ  こと その くん もの 
確認かくにんよう訓読文くんどくぶん所以ゆえんためスレこれものハ、しょうニトヂシメントなか天下てんか後世こうせいゆきためリレ人臣じんしんふところキテ二心にしんいちことフルしたそのくんうえもの(『史記しき刺客しかく列伝れつでん

《Q110》死すしするのにち全三字ぜんさんじ) 《Q111》ものらんるのじょう全四字ぜんよじ

Q110:「の」を「之」に改めあらためるのみ。Q111:「物を覧る」→「覧物」に改めあらため「之」を入れいれる。

【A110】【A111】
 ゆき にち / らん もの ゆき じょう
〔A110〕スルゆきにち論語ろんご季氏きし) 〔A111〕らんルルものゆきじょうはん仲淹ちゅうえん「岳陽楼記」)

《Q112》げんふのみち全五字ぜんごじ置き字おきじナシ)

「の」→「之」だけでは字数じすう不足ふそく。「と」を前置詞ぜんちし「与」に復元ふくげんして字数じすう満たみたす(《Q105》と同様どうよう前置詞ぜんちし「与」の用法ようほう)。

【A112】
  げん ゆき みち
確認かくにんよう訓読文くんどくぶんレトげんゆきみち(『論語ろんご衛霊公えいれいこう

中文翻譯

Q103–Q106(九〜十一字):修飾語句延長,多個子句複合。Q104 關鍵:「欲」置於句首以同時統率「平治天下」「垂栄名」兩個動詞短語(若「欲」只掛後半則「而」位置偏移)。Q105:「と」為前置詞「与」(與……一起),形成入れ子(nested)結構。

Q107–Q109(十六〜二十五字):完整長句復文。Q108「不法法」:同一漢字「法」分別作名詞(受詞)與動詞(以…為法)。Q109 最難:「所以為此者」(前置說明節)+「将以愧……者也」(主句),「天下後世之」跨越多個修飾成分直接修飾末尾的「者」。

Q110–Q112(連体形+之+名詞):「の」改寫為「之」;若字數不足,「と」改為前置詞「与」。日文「VするのN」= 漢文「VスルのN(V之N)」,是漢文訓讀體的特有表現。

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