これならわかる復文の要領 ――漢文学習の裏技――

古田島洋介 著 / 新典社選書83

発展問題はってんもんだい1 主語しゅご+「之」+述語じゅつごpp. 219–227

本篇ほんへんでは、前半ぜんはん主語しゅご述語じゅつごをつなぐ「之」について、後半こうはん名詞めいし「者」に掛かかか形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく組み立てくみたてほうについて練習れんしゅうします。どちらも復文ふくぶんにおいて何かなにか応用おうよう利くきく重要じゅうよう事項じこうで、漢文かんぶん対するたいする文法ぶんぽう感覚かんかく養うやしなうためにもじん有益ゆうえき作業さぎょうです。

一般いっぱん形〕主語しゅご+「之」+述語じゅつご(N之V)

名詞めいし名詞めいしをつなぐ「之」(例:「古之賢人」)とは異なり、「之」が主語しゅご述語じゅつごのあいだに入る形式けいしき

N之V (主語しゅご S + 「之」 + 述語じゅつご P)

↓ 「之」が入ると、Nが主語しゅご・Vが述語じゅつごでありながら文として独立どくりつできなくなる(節 clause として機能きのう)。

名詞めいし節(主語しゅご):N之Vスルヤ〔也〕Pナリ〔也〕 → NのVするやPなり

         N之VスルハPナリ〔也〕  → NのVするはPなり

         N之VスルコトPナリ〔也〕 → NのVすることPなり

名詞めいし節(目的語もくてきご):S VニN之Vスルヲ → S NのVするをVす

副詞節ふくしせつ:    N之Vスルヤ〔也〕、…〈主節しゅせつ〉…

なお、「N之V」の動詞どうしVが名詞めいしNとも解釈かいしゃくできる場合ばあい(「N1之N2」とも解せかいせ場合ばあい)があります。たとえば「不レ知ラ魚之楽シム〔ミ〕ヲ」(さかな楽したのしむ〔み〕を知らずしらず/『荘子そうじ秋水しゅうすい)の「楽」は、動詞どうし「楽しむ」とも名詞めいし「楽しみ」ともくんじられます。復文ふくぶんにさいして過度かど神経質しんけいしつになる必要ひつようはありませんが、こうした揺らゆらぎが生じしょうじ得るえることは心得こころえておいてください。

また、述語じゅつご動詞どうしVでなく形容詞けいようしAとなって「N之A」となる場合ばあい同様どうようです(れい:「天下てんかトセ管仲かんちゅうゆきさとしナルヲ」→ 管仲かんちゅうさとしなるをとせず/『史記しき管仲かんちゅうでん)。

では、名詞めいしふし主語しゅご)を形成けいせいするれいから練習れんしゅうしましょう。解説かいせつ解答かいとう → pp. 243–256

1 名詞めいしふし形成けいせいするれい ア 主語しゅごとして機能きのうする場合ばあい

《Q69》人の生くるや直し。(全五字ぜんごじ置き字おきじナシ)

《Q70》君子くんしの人を愛するや徳を以てす。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第三だいさん字字「之」)

《Q71》紂の武丁を去ること未だ久しからざるなり。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第二だいに字字「之」)
○紂・武丁武丁王の名。

《Q72》天下てんかの道無きや久し。(全八字ぜんはちじ第三だいさん字字「之」/第八字だいはちじ置き字おきじ「矣」)

《Q73》道の将に行はれんとするや命なり。(全八字ぜんはちじ第六字だいろくじ置き字おきじ「与」)

《Q74》君子くんしの耕さずして食らふは何ぞや。(全九字ぜんくじ第六字だいろくじ置き字おきじ「而」/第九字だいくじ「也」)

《Q75》君子くんしの音を聴くは其の鏗鏘を聴くのみに非ざるなり。(全十三字ぜんじゅうさんじ置き字おきじナシ/第三だいさん字字「之」/第十一・十二字じゅうにじ=「而已のみ」)
○音音音楽。 ○鏗鏘鏗鏘楽器がっきの音色。

中文翻譯

發展篇前半練習主語+「之」+述語(N之V)的構文。此處的「之」不是連結兩個名詞的修飾「之」,而是插入主語S與述語P之間,使整個S之P無法獨立成句,只能作為從屬節(clause)——名詞節或副詞節——發揮功能。

〔一般形整理〕

① 名詞節(作主語):N之V也 P也 → 「N之V」為主語,P為謂語。
② 名詞節(作目的語):S V〔N之V〕 → 「N之V」為動詞V的賓語。
③ 副詞節(表時間):N之V也,…主節… → 「N之V」為時間狀語從句。

發展問題1的解說解答在 pp.243–256(MD 尚未 OCR,待補)。

発展問題はってんもんだい1 N1ゆきN2 Q76–Q77pp. 225–226

一般いっぱん形〕N1之於N2(N1のN2に於けるや)

前置詞ぜんちし「於」が動詞どうし化したものと捉え、要領ようりょうは「N之V」と同じ:

N1之於ケルヤN2ニ〔也〕Pナリ〔也〕 → N1のN2に於けるやPなり

《Q76》民の仁に於けるや水火すいかよりも甚だし。(全九字ぜんくじ第二だいに字字「之」/第七字だいしちじ置き字おきじ「於」)

《Q77》君子くんし天下てんかに於けるや適も無く莫も無し。(全十三字ぜんじゅうさんじ第三だいさん字字「之」/第十・十三字さんじ置き字おきじ「也」)

中文翻譯

「N1之於N2」是「N之V」的特殊應用:以前置詞「於」充當述語位置,構成「N1對N2的態度/狀況如何」的句型。一般形為「N1之於N2也,P也」。要領與「N之V」相同,只需將V的位置換成「於N2」即可。

発展問題はってんもんだい1 名詞めいしふし目的語もくてきご)Q78–Q84pp. 226–228

つぎは、名詞めいしふし「N之V」が目的語もくてきごとなる場合ばあいです。

一般いっぱん形〕名詞めいし節が目的語もくてきごとして機能きのうする場合ばあい

S VニN之Vスルヲ  → S NのVするをVす

S VニN之Aナルヲ  → S NのAなるをVす (述語じゅつご形容詞けいようし場合ばあい

《Q78》紫の朱を奪ふを悪むなり。(全六字ぜんろくじ置き字おきじナシ/第三だいさん字字「之」)

《Q79》天の高き・気の迥けきを見る。(全七字ぜんしちじ置き字おきじナシ)

《Q80》老いの将に至らんとするを知らざるのみ。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第七・八字はちじ「云爾」)

《Q81》君子くんしは其の言の其の行に過ぐるを恥づ。(全九字ぜんくじ置き字おきじナシ)

《Q82》臣強秦の漁父と為らんことを恐るるなり。(全九字ぜんくじ置き字おきじナシ/第五字だいごじ「之」)
○秦秦国名くにな

《Q83》吾が生の須臾なるを哀しみ、長江ちょうこうの窮まり無きを羨む。(全十二字ぜんじゅうにじ置き字おきじナシ/第四・十字じゅうじ「之」)

《Q84》天の秦を亡ぼすは、愚智と無く皆之を知る。(全十字ぜんじゅうじ置き字おきじナシ/第二だいに字字「之」)
○秦秦国名くにな

最後さいごの《Q84》は、目的語もくてきごとなる名詞めいしふし「N之V」が、本来ほんらい動詞どうししたではなく、主題提示語句しゅだいていじごくとして文頭ぶんとう置かおかれたれいです。

中文翻譯

本組練習「N之V」作目的語的用法。名詞節「N之V」(或「N之A」)整體作為上位動詞的賓語,訓讀形式為「NのVするを…Vす」「NのAなるを…Vす」。

特殊情形(Q84):目的語名詞節「N之V」不置於動詞下方,而是作為主題提示語句置於文頭(助詞「は」提示),後接主語+動詞。此為強調倒置用法。

Q80 末尾「云爾」(第七・八字)為語氣助詞,表「只是說罷了・不過如此」,相當於「のみ」的書面語形式。

発展問題はってんもんだい1 とき表すあらわす副詞節ふくしせつ Q85–Q86pp. 228

「N之V」がとき表すあらわす副詞節ふくしせつになるれいだい練習れんしゅうします。一般いっぱんかたち再掲さいけいします:

一般いっぱん形〕副詞節ふくしせつ(時を表す)

N之Vスルヤ〔也〕、…〈主節しゅせつ〉… → NのVするや、…〈主節しゅせつ〉…

《Q85》小人の過つや、必ず文る。(全七字ぜんしちじ置き字おきじナシ)

《Q86》人の将に死なんとするや、其の言や善し。(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ/第七字だいしちじ「也」)

中文翻譯

「N之V也,…」中前半「N之V也」作時間狀語從句(副詞節),意為「當N…V之時,……」。日文訓讀為「NのVするや、…」,助詞「や」起到時間接續作用。

Q86 含再讀文字「将」(将に…んとする),整體仍以「N之V也」形式構成副詞節,後接主節「其の言や善し」。

発展問題はってんもんだい2 形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく+「者」pp. 229–236

漢文かんぶんでは、長めながめ形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく下方しもほう名詞めいし「者」へと掛かかかってゆくれい珍しくめずらしくありません。すでに「Ⅰ 入門篇にゅうもんへん」で 38「苗ニシテ而不レ秀デ者」(なえにして秀でひいでざるもの)、39「好ムコト徳ヲ如クスル好ムガ色ヲ者」(とく好むこのむこといろ好むこのむ如くごとくするもの)などのれい挙げあげましたし、また「Ⅲ 修練篇しゅうれんへん」の《Q68》では「此ノ女ノ所ヲ以テ不ルヨメ嫁ガ者」(此のこのおんな嫁がとつがざりし所以ゆえんもの)の復文ふくぶん練習れんしゅうしました。こうした修飾語句しゅうしょくごく組み立てるくみたてるのは、おそらく復文ふくぶんにおいて最ももっとも難度なんど高いたかい作業さぎょう数えかぞえられます。

要すようするに、英語えいごなどとは異なことなり、関係かんけいだい名詞めいし関係かんけい副詞ふくしがなく、名詞めいし直後ちょくご関係かんけいふし置いおい説明せつめい加えくわえることのできない漢文かんぶん日本語にほんごでは、長いながい修飾語句しゅうしょくごく被修飾語ひしゅうしょくごたる名詞めいし直前ちょくぜん置かおかざるを得なえな事態じたい生じしょうじ得るえるのです。ここでは、被修飾語ひしゅうしょくご「者」を典型てんけいとして、短かみじかかちょうへと地道ぢみち練習れんしゅうします。解説かいせつ解答かいとう → pp. 256–272

まずは、三字さんじ修飾語句しゅうしょくごくが「者」に冠せかんせられるれいから:

《Q87》仁を好む者(全三字ぜんさんじ置き字おきじナシ)

《Q88》徳有る者(全三字ぜんさんじ置き字おきじナシ)

《Q89》不仁を悪む者(全四字ぜんよじ置き字おきじナシ)

《Q90》鳴くこと能はざる者(全四字ぜんよじ置き字おきじナシ)

《Q91》速やかに成らんと欲する者(全四字ぜんよじ置き字おきじナシ)

つぎは、四字よじ修飾語句しゅうしょくごくです。長いながい修飾語句しゅうしょくごく組み立てるくみたてるとき直接ちょくせつ役立やくだ要素ようそ登場とうじょうします。

《Q92》人の悪を称する者(全五字ぜんごじ置き字おきじナシ/第三だいさん字字「之」)

《Q93》始め有り卒り有る者(全五字ぜんごじ置き字おきじナシ)

《Q94》無為にして治まる者(全五字ぜんごじ第三だいさん字字置き字おきじ「而」)

《Q95》勇にして礼無き者(全五字ぜんごじ第二だいに字字置き字おきじ「而」)

《Q96》生まれながらにして之を知る者(全五字ぜんごじ第二だいに字字置き字おきじ「而」)

さらに、修飾語句しゅうしょくごく七字しちじにわたるれい練習れんしゅうしてみましょう。

《Q97》知らずして之を作る者(全六字ぜんろくじ第三だいさん字字置き字おきじ「而」)

《Q98》多く学んで之を識る者(全六字ぜんろくじ第三だいさん字字置き字おきじ「而」)

《Q99》我に陳・蔡に従ふ者(全六字ぜんろくじ第三だいさん字字置き字おきじ「於」)
○陳・蔡蔡国名くにな

《Q100》女子にして男子のごとく飾る者(全七字ぜんしちじ第三だいさん字字置き字おきじ「而」)

《Q101》其の不可ふかなるを知りて之を為す者(全八字ぜんはちじ第五字だいごじ置き字おきじ「而」)

《Q102》親ら其の身に於いて不善を為す者(全八字ぜんはちじ置き字おきじナシ)

では、いよいよ修飾語句しゅうしょくごくはち十字じゅうじ及ぶおよぶ練習れんしゅう取り組むとりくむことにします。慎重しんちょう字句じく組みくみ上げあげてください。

《Q103》貧しくして道を楽しみ、富みて礼を好む者(全九字ぜんくじ第二だいに六字ろくじ置き字おきじ「而」)

《Q104》平らかに天下てんかを治めて栄名を垂れんと欲する者(全十字ぜんじゅうじ第六字だいろくじ置き字おきじ「而」)

《Q105》狐貉を衣たる者と立ちて恥ぢざる者(全十字ぜんじゅうじ第七字だいしちじ置き字おきじ「而」)

《Q106》千金を以て涓人をして千里の馬を求めしめし者(全十一字ぜんじゅういちじ置き字おきじナシ/使役動詞しえきどうし「使」)

以上いじょうで、「者」に掛かかか修飾語句しゅうしょくごく組み立てるくみたてる骨法こっぽうは、おおむね理解りかいできたと思いおもいます。ただし、ここまでの問題もんだいは、すべて〈形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく+「者」〉という構造こうぞう字句じくですから、全体ぜんたいとして一つひとつ名詞めいし相当そうとう語句ごく形成けいせいするにすぎず、あくまでぶんいち部分ぶぶんにとどまります。そこで、最後さいごに〈形容詞けいようしてき修飾語句しゅうしょくごく+「者」〉を含むふくむ長めながめ復文問題ふくぶんもんだい練習れんしゅうしましょう。わずかさんだいですが、そう仕上げしあげのつもりで取り組んとりくんでください。

《Q107》王の臣に其の妻子を其の友に託して楚に之きて遊ぶ者有り。(全十六字ろくじ/第九・十二字じゅうにじ置き字おきじ「於・而」)
○楚楚国名くにな

《Q108》国を為めて数しば法令を更ふる者は、法を法とせず、其の善しとする所を以て法と為す者なり。(全十九字くじ第三だいさん字字置き字おきじ「而」)

《Q109》此を為す所以ゆえんの者は、将に以て天下てんか後世の人臣と為り二心を懐きて以て其の君に事ふる者を愧ぢしめんとすればなり。(全二十五字ごじ置き字おきじナシ/第十三字だいじゅうさんじ「之」)

中文翻譯

發展問題2練習「形容詞的修飾語句+者」——即長串修飾語前置於名詞「者」之前的結構(相當於英語的關係子句,但修飾語在前)。

Q87–Q91(二〜三字):最基本的形式。Q92–Q96(四〜五字):開始出現「之」介入(第三字)與置き字「而」。Q97–Q102(六〜八字):修飾語延長,置き字「而・於」的位置需精確計算。Q103–Q106(九〜十一字):組合多個子句,結構更為複雜。

Q107–Q109(十六〜二十五字):「形容詞的修飾語句+者」的完整句子練習。Q108「国を為めて数しば法令を更ふる者は……法と為す者なり」為「者」主語+判定文結構;Q109「此を為す所以の者は……愧ぢしめんとすればなり」為理由陳述的複雑文。

解說解答見 pp.256–272(OCR 追加待ち)。

〔付〕連体形れんたいけい+「之」+名詞めいしpp. 237–239

ここまでの「者」に関すかんす練習れんしゅうでは、「者」の直前ちょくぜん動詞どうし読むよむ場合ばあい、《Q87》「好む者」・《Q91》「欲する者」・《Q99》「従ふ者」など、動詞どうし連体形れんたいけい直接ちょくせつ「者」が接続せつぞくするれいばかりでした。「者」の直前ちょくぜん助動詞じょどうし形容詞けいようしくんずる場合ばあいも、《Q90》「能はざる者」・《Q95》「無き者」・《Q106》「求めしめし者」のように、やはり連体形れんたいけいに「者」が接続せつぞくしています。連体形れんたいけいすなわち「連ナル体ニ形」(からだ連なつらなかたち)である以上いじょう連体形れんたいけいがそのまま体言たいげんつまり名詞めいし「者」につながるのは当然とうぜんはなしで、日本語にほんごとして不自然ふしぜんてんはありません。

ところが、漢文かんぶんでは、例のれいの《「之」介入現象かいにゅうげんしょう》すなわち修飾語しゅうしょくご被修飾語ひしゅうしょくごのあいだに「之」が入っいっって〈修飾語しゅうしょくご+「之」+被修飾語ひしゅうしょくご〉となる書き方かきかたがあり、しかも修飾語しゅうしょくご末尾まつび訓読くんどくする動詞どうし助動詞じょどうしという場合ばあいがあります。このようなときは、被修飾語ひしゅうしょくご名詞めいしにつなげるべく動詞どうし助動詞じょどうし連体形れんたいけい活用かつようさせつつ、「之」を機械的きかいてきに「の」と訓読くんどくするのです。動詞どうしVを典型てんけいとし、一般いっぱんかたち示せしめせ次のつぎのようになります。

一般いっぱん形〕連体形れんたいけい+「之」+名詞めいし(VするのN)

VスルノN  → VするのN

連体形れんたいけい直接ちょくせつ名詞めいしへとつながらず、両者りょうしゃのあいだに「の」が割り込む形式けいしき。いわゆる漢文訓読体かんぶんくんどくたい文章ぶんしょう明治めいじ大正たいしょう期の書き言葉)で多用たようされた言い回し(例:福沢諭吉『学問のすゝめ』「其子を教るの道」「独立どくりつすること能はざるの証拠」)。漢文かんぶんとして不自然ふしぜんな点は一切なく、復文ふくぶんにさいしては「の」をあっさり「之」に改めるだけでよい。

《Q110》死するの日(全三字ぜんさんじ置き字おきじナシ)

《Q111》物を覧るの情(全四字ぜんよじ置き字おきじナシ)

《Q112》師と言ふの道(全五字ぜんごじ置き字おきじナシ)

中文翻譯

〔付〕介紹「連体形+之+名詞」的特殊用法:修飾語與被修飾名詞之間插入「之」字,訓讀時「之」讀作「の」,整體形式為「VするのN」(V之N)。

此形式在漢文訓讀體文章(明治〜大正期書面語)中頻繁出現,如福澤諭吉「其子を教ふるの道」(教導子女之道)。復文時只需將「の」改寫為「之」即可,操作簡單。

Q110「死するの日」→ 死之日;Q111「物を覧るの情」→ 覧物之情;Q112「師と言ふの道」→ 言師之道。

総合問題そうごうもんだいpp. 240–242

最後さいごに、ここまで説明せつめいしてきた種々しゅじゅ要領ようりょう確認かくにんすべく、けいはちだい総合問題そうごうもんだい取り組んとりくんでみてください。字数じすう手ごろてごろはちじゅう四字よじにとどまり、内容ないようもあらゆる要領ようりょう覆いおおい尽くすつくすわけではありませんが、どのような要領ようりょう用いてもちいて復文ふくぶんするのか、あらかじめ明示めいじされていませんので、さまざまな知識ちしき柔軟にじゅうなんに活用かつようする必要ひつようがあります。このはちだいをすんなりこなせれば、本書ほんしょ学習がくしゅう目的もくてき十分じゅうぶん達せたっせられたと考えかんがえてよいでしょう。要点ようてん解答かいとう → pp. 273–277

《Q113》未だ仁を踏みて死する者を見ざるなり。(全八字ぜんはちじ第五字だいごじ置き字おきじ「而」)

《Q114》民の利する所に因りて之を利す。(全八字ぜんはちじ第六字だいろくじ置き字おきじ「而」)

《Q115》子の哭するや、壱に重ねて憂へ有る者に似たり。(全十字ぜんじゅうじ置き字おきじナシ)

《Q116》与に言ふべからずして之と言へば、言を失ふ。(全十字ぜんじゅうじ第五字だいごじ置き字おきじ「而」)

《Q117》孤の孔明有るは、猶ほ魚の水有るがごときなり。(全十一字ぜんじゅういちじ置き字おきじナシ/第二だいに八字はちじ「之」)
○孤孤君主の自称。 ○孔明孔明人名じんめい

《Q118》君子くんしは其の人を養ふ所以ゆえんの者を以て人を害せず。(全十二字ぜんじゅうにじ置き字おきじナシ/第五字だいごじ「其」)

《Q119》呉王之を聞き、晋を去りて帰り、越と五湖に戦ふ。(全十四字ぜんじゅうよじ/第七・十二字じゅうにじ置き字おきじ「而・於」)
○呉・晋・越越国名くにな

《Q120》夫子ふうしの性と天道とを言ふは、得て聞くべからざるなり。(全十四字ぜんじゅうよじ第三だいさん字字「之」/第十二字だいじゅうにじ置き字おきじ「而」)

中文翻譯

總合問題共八題(Q113–Q120),綜合運用各篇所學,字數八〜十四字,文法類型事先不提示。

Q113:「未だ…ざるなり」再読+「而」置き字。Q114:「民之所利に因りて之を利す」→ N之所V(所Vする)+「而」。Q115:N之V副詞節(子の哭するや)+形容詞的修飾語句+者。

Q116:「与に言ふべからず」(副詞「与」)+「而」+前置詞「与之」言。Q117:孤之有孔明、猶魚之有水也(再読文字「猶」による比較)。Q118:所以養人者(所以Vする者)を前置詞「以」で副詞句化。

Q119:「晋を去りて帰り」→「而」置き字、「越と…に戦ふ」→ 前置詞「与」(共に)+「於」(後位副詞句)。Q120:N之V也(夫子之言性与天道は)+「得而聞」(得て聞く)+「不可」否定。

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