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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–268 ページ)

p.247 『城の崎にて』の世界 + 『暗夜行路』

城の崎にてきのさきにて

短編たんぺん小説しょうせつ 一九一七(大正たいしょう6)ねん発表はっぴょう

山手線やまのてせん電車でんしゃにはねられた直哉なおやが、療養りょうようのため兵庫県ひょうごけん城崎きのさき温泉おんせん滞在たいざいした実体験じつたいけん素材ざいざいにした小品しょうひんはちねずみ井守いもりの三つのもの冷徹れいてつ観察かんさつし、「」と「」をかさわせ、偶然ぐうぜん支配しはいされるものさびしさをえがいた静謐せいひつ短編たんぺん志賀しが心境しんきょう小説の代表作だいひょうさく

あらすじ — 城の崎にてあらすじ — きのさきにて

電車でんしゃ事故じこ命拾いのちびろいした「自分じぶん」は、城崎温泉きのさき おんせん後養生あとようじょうく。そこで、すみくわんでいるはちつける。①んだはちつける ②のうとするときのねずみる ③偶然ぐうぜんいもりをなせてしまう、のみっつの体験たいけんて、「運命うんめい悲哀ひあい」「せい偶然ぐうぜん」をかんがえる。仲間なかまはちをめぐる無関心むかんしん人間にんげん生存せいぞんへの執着しゅうちゃく自分じぶんせみたいする「」のシリアスな三段さんだんかさわせ。

暗夜行路あんやこうろ

長編ちょうへん小説しょうせつ 一九二一ねんから始まり、断続的だんぞくてき連載れんさい、一九三七ねん完結かんけつ

直哉なおや唯一ゆいいつ長編ちょうへん。八ねんもの構想こうそう期間きかんふくみ、完成かんせいまでに一六ねんようした。私小説的ししょうせつてき手法しゅほうえ、自我じが運命うんめいとのたたかいをえがいた人間性にんげんせい物語ものがたり主人公しゅじんこう時任謙作ときとう けんさくは、自分じぶん出生しゅっしょう秘密ひみつ祖父そふははとの不倫ふりん)にくるしみ、結婚けっこんしたつま直子なおこ貞操ていそう懐疑かいぎし、関西かんさい移住いじゅう伯耆ほうき大山だいせんでの精神せいしん浄化じょうかて、自我じが和解わかいへのみち辿たどる。志賀しが人格じんかく精神せいしん集大成しゅうたいせいとして「小説しょうせつ神様かみさま」の地位ちい不動ふどうにした傑作けっさく

あらすじ — 暗夜行路あらすじ — あんやこうろ

主人公しゅじんこう時任謙作ときとう けんさくは、東京とうきょう小説家しょうせつかこころざ青年せいねん自分じぶんはは祖父そふとのあいだまれた不義ふぎであることをり、東京とうきょうから京都きょうと尾道おのみち伯耆ほうき大山だいせん放浪ほうろうし、自我じが確立かくりつ精神的せいしんてき浄化じょうかもとめる。結婚けっこんしたつま直子なおこ不貞ふてい苦悩くのうたねとなるが、最後さいご大山だいせん自然しぜんいだかれて謙作けんさく精神せいしん浄化じょうかされる。志賀しが自我じが倫理りんりたたかいを集大成しゅうたいせいした長編ちょうへん