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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–263 ページ)

p.242 『こころ』の世界 — 東京文学地図

『こころ』こころ

大正3年(1914)刊・後期三部作の中核

夏目漱石なつめ そうせき後期こうき三部作さんぶさく(『彼岸過迄ひがん すぎまで』『行人こうじん』『こころ』)の最後さいご作品さくひんにして到達点とうたつてん。「じょう 先生せんせいわたし」「ちゅう 両親りょうしんわたし」「 先生せんせい遺書いしょ」の三部さんぶからなる。学生がくせいわたし)と先生せんせい出会であい、先生せんせい死後しごとど長文ちょうぶん遺書いしょつうじて、明治めいじ知識人ちしきじん先生せんせい」の友人ゆうじんKとの恋愛れんあいのもつれと裏切うらぎり、罪悪感ざいあくかん自死じし物語ものがたる。「明治めいじ精神せいしん殉死じゅんし」する先生せんせい選択せんたくは、近代的きんだいてき個人こじん古典的こてんてき倫理りんりとの葛藤かっとう象徴しょうちょうする。

登場人物とうじょう じんぶつ

「こころ」東京文学地図こころ とうきょう ぶんがく ちず

ほんページ中央ちゅうおうに、『こころ』の舞台ぶたいとなった東京とうきょう主要しゅよう場所ばしょしめ地図ちず掲載けいさいされる。本郷ほんごう東京とうきょう帝大ていだい)、谷中やなか上野うえの湯島ゆしま青山墓地あおやま ぼち根津神社ねづ じんじゃ雑司ヶ谷霊園ぞうしがや れいえんなど、主人公しゅじんこうたちの行動こうどう範囲はんい地図ちずじょうしめされる。先生せんせいいえ・Kとの下宿先げしゅくさき大学だいがく墓所ぼしょなどの位置いち関係かんけいから、漱石そうせき東京とうきょう地理ちり厳密げんみつ意識いしきしていたことがかる。

東京の主要文学作品ゆかりの地とうきょうの しゅよう ぶんがく さくひん ゆかりの ち

ページ下部かぶには、東京とうきょう舞台ぶたいとする近代きんだい文学ぶんがく作品さくひん名場面めいばめん一覧いちらんされる。漱石そうせき『こころ』、芥川龍之介あくたがわ りゅうのすけ羅生門らしょうもん』(京都きょうとだが)『はな』、永井荷風ながい かふう『すみだがわ』『濹東綺譚ぼくとう きたん』、樋口一葉ひぐち いちよう『たけくらべ』(吉原よしわら下谷したや)、谷崎潤一郎たにざき じゅんいちろう刺青しせい』、田山花袋たやま かたい東京とうきょう三十年さんじゅうねん』など。東京とうきょう知的ちてき庶民的しょみんてき伝統的でんとうてき多層性たそうせいが、文学ぶんがくを通してえる。