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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–258 ページ)

p.238 『舞姫』の世界 ベルリン・エリス・関係地図

『舞姫』まいひめ

明治23年(1890)刊

鷗外おうがい文壇ぶんだんデビュー作でびゅーさく雑誌ざっし国民之友こくみんのとも』に発表はっぴょうされた短編たんぺんベルリンべるりん留学中りゅうがくちゅう主人公しゅじんこう太田豊太郎おおた とよたろうが、まずしいおどエリスえりす出会であってこいちるが、出世しゅっせみちつまとなる祖国そこくえらび、エリスえりすわかれる悲恋ひれん物語ものがたりドイツどいつ三部作さんぶさく(『うたかたの』『ふみづかひ』との三作さんさく)の最初さいしょ作品さくひんで、近代きんだい日本にほん文学ぶんがくにおける恋愛れんあい発見はっけんと、立身りっしん出世しゅっせ主義しゅぎとの葛藤かっとう主題しゅだいとする画期的かっきてき作品さくひん

舞台と登場人物ぶたいと とうじょう じんぶつ

舞台ぶたいドイツどいつベルリンべるりん。1880年代ねんだい街並まちなみ、クロステル巷くろすてる こう(Klosterstraße)、現在げんざいアレキサンダーあれきさんだープラッツぷらっつ近辺きんぺんなど、鷗外おうがい自身じしん留学りゅうがくしたまち背景はいけいとする。主人公しゅじんこう太田豊太郎おおた とよたろう東京とうきょう帝国大学ていこく だいがく卒業そつぎょうし、ベルリンべるりん留学りゅうがくしたわか官僚かんりょう物語ものがたりエリスえりすとの恋愛れんあい別離べつり帰国きこく船上せんじょう太田おおた回想かいそうする形式けいしきかたられる。ほんページにベルリンべるりん市街しがい地図ちずと現代の写真しゃしんブランデンブルクぶらんでんぶるくもん関連かんれん教会きょうかい王宮おうきゅう)が掲載けいさいされる。

エリスとは — 史実と虚構えりすとは — しじつと きょこう

エリスえりす」は『舞姫まいひめ』の女主人公おんな しゅじんこうなが小説しょうせつ虚構きょこうおもわれていたが、鷗外おうがい帰国きこく翌月よくげつ明治めいじ21ねん9がつ17にちにエリーゼ・ヴィーゲルト(Elise Wiegert)というわかドイツどいつ女性じょせい日本にほん訪問ほうもんしていた事実じじつが、近年きんねん研究けんきゅう判明はんめいした(小堀桂一郎こぼり けいいちろう鷗外おうがいと「エリスえりす」』など)。彼女かのじょ新興国しんこうこく日本にほんおどとして活動かつどうしていた女性じょせいで、鷗外おうがいとの関係かんけい史実しじつうえ虚構きょこうかさねた、はん私的してきはん文学的ぶんがくてき作品さくひんである。

鷗外記念館の写真おうがい きねんかんの しゃしん

ほんページに、鷗外おうがいベルリンべるりん最後さいご下宿先げしゅくさき(クロステルがい11ばんちか場所ばしょ)の写真しゃしん鷗外おうがい記念館きねんかん津和野つわのおよび東京とうきょう)の写真しゃしん鷗外おうがいデスマスクですますくなどが掲載けいさいされる。鷗外おうがい晩年ばんねん知性的ちせいてき哲学的てつがくてき境地きょうち物語ものがた品々しなじな