最新国語便覧

浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–243 ページ)

p.224 近代短歌の流れ(明星/アララギ/写実派/現代)

革新期かくしんき

明治めいじ初期しょき伝統的でんとうてき堂上歌どうじょうか桂園派けいえんは和歌わか形式化けいしきかおちいっていた。明治めいじ30年代ねんだい落合直文おちあい なおぶみの「あさ香社あさかしゃ」、与謝野鉄幹よさの てっかん東西南北とうざい なんぼく』(1896)、与謝野晶子よさの あきこ『みだれかみ』(1901)の「明星派みょうじょうは浪漫派ろうまんは」、正岡子規まさおか しきの「写生しゃせい革新かくしん(1897ねんうたよみにあたふるしょ」で源実朝みなもとの さねとも金槐和歌集きんかい わかしゅう』をしょうえ、紀貫之きの つらゆき古今集こきんしゅう』を批判ひはん)など、短歌たんか革新かくしん運動うんどうこった。

写実派・アララギ派しゃじつは・あららぎは

明治めいじ41ねん(1908)創刊そうかん雑誌ざっし『アララギ』を中心ちゅうしんに、伊藤左千夫いとう さちお斎藤茂吉さいとう もきち島木赤彦しまき あかひこ古泉千樫こいずみ ちかし中村憲吉なかむら けんきち土屋文明つちや ぶんめいらがつどった。万葉調まんようちょう写生しゃせい写実しゃじつ主張しゅちょうし、近代きんだい短歌たんか主流しゅりゅうとなった。斎藤茂吉さいとう もきち赤光しゃっこう』(1913)『あらたま』、島木赤彦しまき あかひこ『太虚つど』『万葉集まんようしゅう鑑賞かんしょう及び其批評ひひょう』、伊藤左千夫いとう さちお短歌たんか新意しんい』『野菊のぎくはか』など。

新派・耽美派・根岸短歌会しんぱ・たんびは・ねぎし たんかかい

正岡子規まさおか しき根岸ねぎし短歌会たんかかい明治めいじ31ねん)から、長塚節ながつか たかし(『つち』の作者さくしゃ)・伊藤左千夫いとう さちおらがた。一方いっぽう与謝野鉄幹よさの てっかん晶子あきこの『明星みょうじょう新派しんぱ浪漫派ろうまんは頂点ちょうてん形成けいせい明治めいじまつから大正たいしょうにかけて、北原白秋きたはら はくしゅう若山牧水わかやま ぼくすい石川啄木いしかわ たくぼく斎藤茂吉さいとう もきちらが個性的こせいてき歌風かふう確立かくりつした。北原白秋きたはら はくしゅうきりはな』(1913)、若山牧水わかやま ぼくすいうみこえ』(1908)『別離べつり』、石川啄木いしかわ たくぼく一握いちあくすな』(1910)『かなしき玩具がんぐ』。

現代の短歌げんだいの たんか

戦後せんご短歌界たんかかいは、宮柊二みや しゅうじコスモスこすもす』、近藤芳美こんどう よしみ未来みらい』、佐藤佐太郎さとう さたろう歩道ほどう』、岡野弘彦おかの ひろひこ馬場ばばあき子、岡井隆おかい たかし塚本邦雄つかもと くにお寺山修司てらやま しゅうじ与謝野晶子よさの あきこ系譜けいふ俵万智たわら まちサラダ記念日さらだ きねんび』(1987)まで、多様たよう展開てんかいせた。前衛ぜんえい短歌たんか塚本邦雄つかもと くにお寺山修司てらやま しゅうじ)、現代女流じょりゅう歌人かじん馬場ばばあき子・河野裕子こうの ゆうこ俵万智たわら まち栗木京子くりき きょうこ大口玲子おおぐち れいこ米川千嘉子よねかわ ちかこ小島こじまゆかり)、男性だんせい歌人かじん永田和宏ながた かずひろ小池光こいけ ひかる河野愛子こうの あいこ伊藤一彦いとう かずひこ)などが活躍かつやく