p.223 近代詩 続 プロレタリア詩/モダニズム/四季/歴程/現代
プロレタリア詩
1920年代に登場したプロレタリア詩は、労働者・農民の生活を題材に、社会主義革命を志向する詩運動。中野重治『中野重治詩集』、小熊秀雄『小熊秀雄全集』、伊藤信吉、岡本潤、壺井繁治、太子辰雄、宮川寅雄、寺田弘らが代表。プロレタリア文学運動全体と同じく、1933年以降の弾圧で多くが転向した。
モダニズム詩
大正末期から昭和初期、ヨーロッパのモダニズム運動(ダダイズム・シュールレアリスム・キュビズム等)の影響を受けた前衛詩運動。北園克衛・西脇順三郎(『Ambarvalia』『旅人かへらず』)、安西冬衛『軍艦茉莉』『渇ける神』、村野四郎『体操詩集』、瀧口修造、春山行夫らが代表。詩の革命を試み、視覚的・言語学的実験を行った。
四季の詩
1934年創刊の雑誌『四季』を中心に、堀辰雄・三好達治・伊東静雄・丸山薫・立原道造らが結集。古典的伝統と西洋現代詩の調和を志向し、知性的で叙情性に富む詩風を確立した。三好達治『測量船』『艸千里』、伊東静雄『わがひとに與ふる哀歌』、立原道造『萱草に寄す』『暁と夕の詩』など。
歴程
1935年創刊の雑誌『歴程』は、草野心平が主宰。宮沢賢治の没後発見に大きな役割を果たした。草野心平自身の蛙詩集『第百階級』『母岩』『絶景』、宮沢賢治の発掘、土井晩翠『天地有情』の継承、八木重吉『秋の瞳』『貧しき信徒』、中原中也『山羊の歌』『在りし日の歌』も歴程の影響を受けた。
現代の詩
戦後の現代詩は、『荒地』(1947創刊、鮎川信夫・田村隆一・北村太郎ら)、『列島』、『現代詩手帖』、『ユリイカ』などの雑誌を拠点に展開した。鮎川信夫・田村隆一・茨木のり子・谷川俊太郎・吉岡実・大岡信・天野忠・井上靖(詩人としても)、谷内修三、長谷川龍生、堀川正美らが現代詩の重要な詩人。「現代詩」は伝統的形式を超え、社会・自然・自己への深い問いかけを多様な表現で行う。