1935年(昭和10年)、文藝春秋社(菊池寛主宰)が、芥川龍之介と直木三十五を記念して創設した文学賞。芥川賞は純文学新人作家、直木賞は大衆文学作家を顕彰する。第一回受賞は石川達三(『蒼氓』)・川口松太郎。以降、日本文学の登竜門となり、現在まで年2回(上半期・下半期)開催されている。
1937年の日中戦争開始以降、戦時統制下で文学活動は厳しく制限された。プロレタリア文学は壊滅し、転向作家による生活詩、近代日本文学の伝統を守る私小説、戦争協力的な「銃後の文学」「兵隊作家」「報国文学」が中心となった。火野葦平『麦と兵隊』『土と兵隊』『花と兵隊』、石川達三『生きてゐる兵隊』(発禁)、徳富蘇峰、徳田秋声らが活動。
近代詩は新体詩から始まり、口語自由詩・象徴詩・浪漫詩・モダニズム詩へと展開した。短歌は写実短歌(アララギ派・斎藤茂吉等)と耽美短歌(与謝野晶子等)に分かれ、俳句は正岡子規の革新以後、客観写生(高浜虚子・河東碧梧桐)と自由律俳句(種田山頭火・尾崎放哉)が並立した。
戦時下に発表された主要文学作品。中島敦『山月記』『李陵』『弟子』(1942)、太宰治『晩年』『富嶽百景』『走れメロス』、坂口安吾『風博士』、井伏鱒二『山椒魚』『屋根の上のサワン』、横光利一『旅愁』、川端康成『雪国』(1937完結)、岡本かの子『母子叙情』『鶴は病みき』、北條民雄『いのちの初夜』、林芙美子『放浪記』など、極限の時代に生まれた個性的な作品群。