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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–238 ページ)

p.216 芥川賞・直木賞・戦時下の文学

芥川賞・直木賞あくたがわしょう・なおきしょう

1935ねん昭和しょうわ10ねん)、文藝春秋社ぶんげい しゅんじゅう しゃ菊池寛きくち かん主宰しゅさい)が、芥川龍之介あくたがわ りゅうのすけ直木三十五なおき さんじゅうご記念きねんして創設そうせつした文学賞ぶんがくしょう芥川賞あくたがわしょう純文学じゅんぶんがく新人しんじん作家さっか直木賞なおきしょう大衆文学たいしゅう ぶんがく作家さっか顕彰けんしょうする。第一回だいいっかい受賞じゅしょう石川達三いしかわ たつぞう(『蒼氓そうぼう』)・川口松太郎かわぐち まつたろう以降いこう日本にほん文学ぶんがく登竜門とうりゅうもんとなり、現在げんざいまでねん2かい上半期かみはんき下半期しもはんき開催かいさいされている。

戦時下の文学せんじかの ぶんがく

1937ねん日中戦争にっちゅう せんそう開始かいし以降いこう戦時せんじ統制下とうせいか文学ぶんがく活動かつどうきびしく制限せいげんされた。プロレタリアぷろれたりあ文学ぶんがく壊滅かいめつし、転向てんこう作家さっかによる生活詩せいかつし近代きんだい日本にほん文学ぶんがく伝統でんとうまも私小説ししょうせつ戦争せんそう協力的きょうりょくてきな「銃後じゅうご文学ぶんがく」「兵隊へいたい作家さっか」「報国文学ほうこく ぶんがく」が中心ちゅうしんとなった。火野葦平ひの あしへいむぎ兵隊へいたい』『つち兵隊へいたい』『はな兵隊へいたい』、石川達三いしかわ たつぞうきてゐる兵隊へいたい』(発禁はっきん)、徳富蘇峰とくとみ そほう徳田秋声とくだ しゅうせいらが活動かつどう

近代詩歌の発展きんだい しいかの はってん

近代きんだい新体詩しんたいしからはじまり、口語こうご自由詩じゆうし象徴詩しょうちょうし浪漫詩ろうまんしモダニズムもだにずむへと展開てんかいした。短歌たんか写実しゃじつ短歌たんか(アララギ斎藤茂吉さいとう もきちとう)と耽美たんび短歌たんか与謝野晶子よさの あきことう)にかれ、俳句はいく正岡子規まさおか しき革新かくしん以後いご客観きゃっかん写生しゃせい高浜虚子たかはま きょし河東碧梧桐かわひがし へきごとう)と自由律じゆうりつ俳句はいく種田山頭火たねだ さんとうか尾崎放哉おざき ほうさい)が並立へいりつした。

戦時下の主要作品せんじかの しゅよう さくひん

戦時下せんじか発表はっぴょうされた主要しゅよう文学ぶんがく作品さくひん中島敦なかじま あつし山月記さんげつき』『李陵りりょう』『弟子でし』(1942)、太宰治だざい おさむ晩年ばんねん』『富嶽百景ふがく ひゃっけい』『はしメロスめろす』、坂口安吾さかぐち あんご風博士かぜ はかせ』、井伏鱒二いぶせ ますじ山椒魚さんしょううお』『屋根やねうえサワンさわん』、横光利一よこみつ りいち旅愁りょしゅう』、川端康成かわばた やすなり雪国ゆきぐに』(1937完結かんけつ)、岡本おかもとかの子『母子ぼし叙情じょじょう』『つるみき』、北條民雄ほうじょう たみお『いのちの初夜しょや』、林芙美子はやし ふみこ放浪記ほうろうき』など、極限きょくげん時代じだいまれた個性的こせいてき作品さくひんぐん