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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–228 ページ)

p.208 明治の文学 啓蒙期/写実主義(坪内逍遥/二葉亭四迷)

概観がいかん

明治めいじ文学ぶんがくは、近代きんだい日本にほん文学ぶんがく出発点しゅっぱつてん西洋せいよう文学ぶんがく翻訳ほんやく紹介しょうかいからはじまり、写実主義しゃじつしゅぎ擬古典主義ぎこてんしゅぎ浪漫主義ろうまんしゅぎ自然主義しぜんしゅぎへと、20年あまりのあいだ近代きんだい小説しょうせつ主要しゅよう流派りゅうは並立へいりつした。ほんページでは明治めいじ文学ぶんがく運動うんどうながれを時代順じだいじゅん整理せいりする。

啓蒙期の文学けいもうきの ぶんがく

明治めいじ初期しょき(1868–1885ごろ)は、文明開化ぶんめいかいか影響えいきょうけ、西洋せいよう啓蒙けいもう思想しそう翻訳ほんやく紹介しょうかいと、それを反映はんえいする文学ぶんがく中心ちゅうしん福沢諭吉ふくざわ ゆきち学問がくもんのすゝめ』(1872–1876)、中村正直なかむら まさなおやく西国せいこく立志編りっしへん』『自由じゆう』、矢野龍渓やの りゅうけい経国美談けいこく びだん』(1883–1884)、東海散士とうかい さんし佳人之奇遇かじん の きぐう』(1885–1897)など、政治せいじ小説しょうせつ翻訳ほんやく小説しょうせつ主流しゅりゅう

写実主義しゃじつしゅぎ

明治めいじ18ねん(1885)、坪内逍遥つぼうち しょうよう小説神髄しょうせつ しんずい』が発表はっぴょうされ、近代きんだい小説しょうせつ理論的りろんてき基礎きそきずかれた。「人情にんじょうえがく」「世相せそううつす」「儒教的じゅきょうてき勧善懲悪かんぜんちょうあくはいする」を主張しゅちょう二葉亭四迷ふたばてい しめい浮雲うきぐも』(1887–89)は最初さいしょ言文一致体げんぶん いっち たい小説しょうせつで、うちなる心理しんりえが写実的しゃじつてき手法しゅほう到達点とうたつてん坪内逍遥つぼうち しょうよう当世書生気質とうせい しょせい かたぎ』(1885–86)もうつ実主義の代表作だいひょうさく

明治の文学展開(系譜図)めいじの ぶんがく てんかい

ほんページ下部かぶ系譜図けいふずは、明治めいじ10年代ねんだい翻訳ほんやく文学ぶんがく政治せいじ小説しょうせつから、写実主義しゃじつしゅぎ擬古典主義ぎこてんしゅぎ紅葉こうよう露伴ろはん)→浪漫主義ろうまんしゅぎ北村透谷きたむら とうこく島崎藤村しまざき とうそん)→自然主義しぜんしゅぎ田山花袋たやま かたい島崎藤村しまざき とうそん徳田秋声とくだ しゅうせい)→反自然主義はん しぜんしゅぎ夏目漱石なつめ そうせき森鷗外もり おうがい)→耽美派たんびは白樺派しらかばはへとつづ展開てんかい視覚化しかくかしたもの。

明治の文学年表(左側)めいじの ぶんがく ねんぴょう

ページ左側ひだりがわに、明治めいじ2ねん(1869)から明治めいじ45ねん(1912)までの年表ねんぴょう縦書たてがきで掲載けいさいされる。ねんごとに主要しゅよう作家さっか作品さくひん時系列じけいれつならぶ。岸田吟香きしだ ぎんこう福沢諭吉ふくざわ ゆきち西周にし あまね坪内逍遥つぼうち しょうよう二葉亭四迷ふたばてい しめいからはじまり、尾崎紅葉おざき こうよう幸田露伴こうだ ろはん樋口一葉ひぐち いちよう徳冨蘆花とくとみ ろか夏目漱石なつめ そうせき森鷗外もり おうがいまで、明治めいじ主要しゅよう作家さっかとその刊行年かんこうねん網羅もうらする。