『古今和歌集』(905年成立、905〜914年頃完成)は醍醐天皇の勅命により編纂された最初の勅撰集。撰者は紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑の四人。全二十巻、約1100首。漢詩文一辺倒だった上代から、和歌を再び宮廷文化の中心に据え、八代集の起点となった。仮名序の冒頭「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」は和歌論の出発点。
口絵には小野小町の肖像と、桔梗の花の写真が添えられる。小野小町は古今集に18首採られた女流歌人で、激しい恋情と老いの悲しみを詠む歌風で知られる。代表歌「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ」「色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける」など。本ページではその他、在原業平・凡河内躬恒・紀貫之・喜撰法師・僧正遍昭・文屋康秀・大伴黒主の六歌仙関連の歌や、藤原敏行・素性法師らの代表歌が掲げられる。
古今集の仮名序で紀貫之が挙げた、平安時代前期を代表する六人の歌人。「歌仙」とは「歌の名手」の意。在原業平・僧正遍昭・喜撰法師・大伴黒主・文屋康秀・小野小町を指す。六歌仙はそれぞれ独自の歌風を持ち、古今集の歌風の多様性を示す。
万葉集の素朴・直情とは対照的に、古今集は知的な技巧と優美な情感を特色とする。掛詞・縁語・序詞・見立てなどの修辞を多用し、心情を間接的・象徴的に表現する。後の和歌の規範となり、勅撰集の基本型を作った。