本ページでは引き続き、自然・人物・季節を題材とする名歌を集める。山桜・牡丹・鴬・百合などの花鳥の歌、また山部赤人・大伴旅人・坊主や女房歌人の作などが並ぶ。万葉から新古今に至る千年余の和歌史の多彩な姿を覗かせる。
万葉集を代表する自然詠の歌人。富士山や吉野・春日野などの景観を清澄な調子で詠む。代表歌は「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」(万葉集巻三)。柿本人麻呂と並んで「山柿」と並称される。
万葉集の歌人で、家持の父。九州大宰府に赴任中、漢詩文の素養を生かして大宰府で歌の宴を主催し、「梅花の歌三十二首」を残した。これは「令和」の元号の典拠となった「初春の令月、気淑く風和ぐ」を含む。
山上憶良は遣唐使に随行した経験を持つ漢学者・歌人。万葉集に「貧窮問答歌」「子等を思ふ歌」など、当時としては稀な社会性・人生詠を含む歌を残した。「銀も金も玉も何せむに優れる宝子に及かめやも」は子を思う父の歌として有名。