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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–183 ページ)

p.164 小倉おぐら百人一首ひゃくにんいっしゅ(10〜16ばん

百人一首 第10首〜第16首

10 蝉丸せみまる

これやこのくもかえるもわかれてはるもらぬも逢坂おうさかせき

出典: 後撰集 巻十五・雑一(後撰集 巻十五・雑一ごせんしゅう

京と東国の境にある逢坂の関での感慨。「行く人も帰る人も、知り合いも見知らぬ人も、ここで出会い別れる」と詠む。蝉丸は盲目の琵琶の名手と伝わる伝説的歌人。

11 参議篁さんぎ たかむら

わたのはら八十島やそしまかけてでぬとひとにはげよ海人あま釣舟つりぶね

出典: 古今集 巻九・羈旅(古今集 巻九・羈旅こきんしゅう

小野篁が隠岐へ流される際、海の漁師に都の人への伝言を託した歌。広い海を多くの島々を越えて漕ぎ出した、と都の人に告げてくれ、漁師の釣舟よ、と詠む。

12 僧正遍昭そうじょう へんじょう

あまかぜくもかよきとぢよをとめの姿すがたしばしとどめむ

出典: 古今集 巻十七・雑上(古今集 巻十七・雑上こきんしゅう

舞姫(五節の舞)が天上に帰る雲の通り道を風よ吹き閉じてくれ、もう少し乙女の姿を地上にとどめておきたい、と詠む。遍昭は六歌仙の一人。

13 陽成院ようぜいいん

筑波嶺つくばねみねよりつるみなのがわこいぞつもりてふちとなりぬる

出典: 後撰集 巻十一・恋三(後撰集 巻十一・恋三ごせんしゅう

筑波山から流れ落ちる男女川が積もって淵となるように、わが恋も積もって深く強くなった、と詠む。「みなの川」は「男女川」と書く。

14 河原左大臣かわらの さだいじん

陸奥みちのくのしのぶもぢずりたれゆえみだれそめにしわれならなくに

出典: 古今集 巻十四・恋四(古今集 巻十四・恋四こきんしゅう

陸奥の信夫摺りの乱れ模様のように、私の心も乱れているのは誰のせいか。あなたのせいですよ、と詠む恋歌。源融の作。

15 光孝天皇こうこうてんのう

きみがためはるでて若菜わかなつむわが衣手ころもでゆきりつつ

出典: 古今集 巻一・春上(古今集 巻一・春上こきんしゅう

あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいると、私の袖に雪が降りかかってくる。新春の慶事の歌。

16 中納言行平ちゅうなごん ゆきひら

わかれいなばのやまみねにおふるまつとしかばいまかえ

出典: 古今集 巻八・離別(古今集 巻八・離別こきんしゅう

因幡国へ赴任する際の歌。「いなば」に「往なば」「因幡」、「まつ」に「松」「待つ」を掛けた言葉遊び。あなたが待っていると聞いたらすぐ帰ってくる、と詠む。在原行平の作。