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浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–183 ページ)

p.163 小倉おぐら百人一首ひゃくにんいっしゅ(1〜9ばん

ページ構成こうせい

ほんページは百人一首ひゃくにんいっしゅだい1しゅからだい9しゅまでを、うた作者さくしゃ出典しゅってん現代語訳げんだいごやく注釈ちゅうしゃくかたちしめす。かくうた作者さくしゃ肖像画しょうぞうがみじか解説かいせつえられる。うた通行つうこう表記ひょうきる。

百人一首 第1首〜第9首

1 天智天皇てんじてんのう

あきのかりほのいおとまをあらみわが衣手ころもでつゆにぬれつつ

出典: 後撰集 巻六・秋中(後撰集 巻六・秋中ごせんしゅう

粗末な苫葺きの仮小屋で田を見守る農民の労苦を、天皇が我が身に引き寄せて詠む。

2 持統天皇じとうてんのう

はるぎてなつにけらし白妙しろたえころもすてふあま香具山かぐやま

出典: 新古今集 巻三・夏(新古今集 巻三・夏しんこきんしゅう

万葉集の原歌「春過ぎて夏来るらし白妙の衣ほしたり天の香具山」を改めた形。香具山の麓に白い衣が干されている初夏の景を詠む。

3 柿本人麻呂かきのもとの ひとまろ

あしびきの山鳥やまどりのしだりのながながしをひとりかも

出典: 拾遺集 巻十三・恋三(拾遺集 巻十三・恋三しゅういしゅう

山鳥の長く垂れた尾の長さに長き秋の夜を重ねて、独り寝の寂しさを詠む恋歌。

4 山部赤人やまべの あかひと

田子たごうらにうちでてれば白妙しろたえ富士ふじ高嶺たかねゆきりつつ

出典: 新古今集 巻六・冬(新古今集 巻六・冬しんこきんしゅう

万葉集の長歌の反歌「田児の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」を改めた形。富士山の雄大な景観を詠む。

5 猿丸大夫さるまるだゆう

奥山おくやま紅葉もみじ鹿しかこえときあきかなしき

出典: 古今集 巻四・秋上(古今集 巻四・秋上こきんしゅう

山奥で紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声を聞く時、秋の悲しさを感じる。猿丸大夫は『古今集』の歌仙の一人。

6 中納言家持ちゅうなごん やかもち

かささぎわたせるはしにおくしもしろきをればけにける

出典: 新古今集 巻六・冬(新古今集 巻六・冬しんこきんしゅう

宮中の御階に降りた霜の白さに、夜が更けたことを知る。「鵲の渡せる橋」は中国の七夕伝説の天の川の橋。大伴家持の作。

7 阿倍仲麻呂あべの なかまろ

あまはらふりさければ春日かすがなる三笠みかさやまでしつきかも

出典: 古今集 巻九・羈旅(古今集 巻九・羈旅こきんしゅう

唐に留学した仲麻呂が帰国を前に明州(中国浙江省)の海辺で月を見て詠んだ歌。故郷の春日の三笠山に出る月を懐かしむ。仲麻呂は結局帰国できず、唐で生涯を終えた。

8 喜撰法師きせん ほうし

わがいおみやこのたつみしかぞをうぢやまひとはいふなり

出典: 古今集 巻十八・雑下(古今集 巻十八・雑下こきんしゅう

「うぢ山」(宇治山)に「憂し」を掛けた言葉遊び。京都の東南(辰巳の方向)の宇治山に住む隠者の心境を詠む。

9 小野小町おのの こまち

はないろはうつりにけりないたづらにわがにふるながめせしまに

出典: 古今集 巻二・春下(古今集 巻二・春下こきんしゅう

桜の花が長雨に色褪せていく。それと同じく、自分も物思いにふけっているうちに年を取って容色が衰えてしまった。「ふる」は「降る」と「経る」、「ながめ」は「長雨」と「眺め」の掛詞。