本ページでは、蕉門の主要な俳人を系図と肖像で示し、さらに貞門・談林・蕉風・天明調・一茶・近代の各俳諧の作風(題材・用語表現)の違いを表として比較する。
芭蕉の優れた門弟を「蕉門十哲」と呼ぶ(数え方には異説あり)。口絵には其角・嵐雪・去来・丈草・許六・支考・野坡・北枝・正秀・杉風などの肖像が並ぶ(書によって人選は異なる)。
| 派 | 題材 | 用語・表現 |
|---|---|---|
| 貞門 | 古典の知識を尊び、和歌・連歌の伝統を踏まえる。 | 雅語を用い、知識的・教養的。 |
| 談林 | 自由奔放で機知に富む。市井の風俗・滑稽を題材。 | 俗語を取り入れ、奇抜・滑稽な趣向。 |
| 蕉風 | 自然と人生の深い観照。閑寂・幽玄。 | 簡潔で象徴的。さび・しをり・ほそみ・軽みの美。 |
| 天明調 | 蕉風の復古を標榜、絵画的・古典的題材。 | 視覚的・絵画的で清雅、漢詩文の素養を背景。 |
| 一茶調 | 庶民の生活・自然・小動物への共感。 | 口語的・親しみ易い表現、率直・素朴。 |
| 近代俳句 | 近代的自我・写生・季題写生。 | 明治以後の正岡子規以下、写生主義を基本とする。 |
蕉門には芭蕉の俳論を伝える書物が二つある。『三冊子』は服部土芳が芭蕉の言葉を聞き書きしたもので「白冊子・赤冊子・くろさうし」三巻。『去来抄』は向井去来が芭蕉の俳論を集めたもので、蕉風の理論を伝える基礎文献。