業平なりひらの人生じんせいを象徴しょうちょうする章段しょうだんを主要しゅようなものから紹介しょうかい。「昔むかし、男おとこありけり」で始はじまる各段かくだんは、独立どくりつしつつも全体ぜんたいで業平なりひらの生涯しょうがいを辿たどる構成こうせいとなる。
第9段だんで業平なりひらが「かきつばた」の5字じを各句かくくの頭あたまに折おり込こんで詠よんだ歌うた。「か」ら衣ころも・「き」つつ・「な」れにし・「は」るばる・「た」びをしぞ思おもふ。
都みやこ(京都きょうと)→ 三河みかわ八橋やつはし(かきつばたの段だん)→ 駿河するがの宇津山うつのやま(夢ゆめの中で都みやこの女性じょせいに会あう)→ 富士山ふじさん(不死ふしの薬くすりの煙けむり)→ 武蔵国むさしのくに・下総国しもうさのくに(隅田川すみだがわと都鳥みやこどり)→ 東国とうごくの地ち。実際じっさいの経路けいろは不明ふめいだが、第9段だんに登場とうじょうする地名ちめいから推定すいていされる。