最新国語便覧

浜島書店 — pilot v2 OCR + ruby 版(PDF 5–48 ページ)

p.27 カラーコーディネート(続き):出衣いだしぎぬ五衣いつつぎぬ配色はいしょくかさねの様式ようしき

p.27 全体図

出衣いだしぎぬ押出おしいだし打出うちいで

出衣いだしぎぬはそのかさ色目いろめによって女性じょせい趣味しゅみ教養きょうようしめされた。

部屋へや牛車ぎっしゃすだれしたからころもし、宮中きゅうちゅう儀式ぎしきれのはなやかないろどりをえた。御簾みすうちころもだけをならべる場合ばあいもある。出衣いだしぎぬをした牛車ぎっしゃを「出車いだしぐるま」という。ころもすそはししてることも出衣いだしぎぬという。

『枕草子』引用(清涼殿の丑寅の隅)

枕草子まくらのそうし清涼殿せいりょうでん丑寅うしとらすみの…ふじ山吹やまぶきなどいろいろのましてあまた小半部こなからべ御簾みすよりもでたるほど、…

宇治うじ中君なかのきみ裁縫さいほういそがしい女房にょうぼうたち(源氏物語絵巻げんじものがたりえまき復元模写ふくげんもしゃ馬場ばば弥生やよい製作せいさく・「早蕨さわらび徳川美術館とくがわびじゅつかんぞう) 中君なかのきみ萌黄もえぎ表着うわぎ薄様うすよう五衣いつつぎぬかさね、袴姿はかますがた

五衣いつつぎぬ配色はいしょく

女性じょせい表着うわぎしたかさねてもちしたうちき五衣いつつぎぬ)のいろ趣向しゅこうらしたものであった。襟元えりもと袖口そでぐちすそからえるはなやかつ上品じょうひんうつくしさである。同席どうせきする女性じょせい同士どうしは同じかさねであることをこのまず、みがげた独自どくじ感性かんせい配色はいしょくうつくきそい、さまざまなかさねが考案こうあんされていった。

名前
こおり
雪の下ゆきのした紅梅
まつ
檜皮ひわだ蘇芳

名前
はぎ蘇芳(浅)
桔梗ききょう二藍濃青
女郎花おみなえし青・黄の織
紅葉もみじ蘇芳
紫苑しおん淡紫

名前
たちばな濃朽葉
卯の花うのはな
杜若かきつばた萌黄(濃)
おうち淡紫
撫子なでしこ紅梅

雑(季節の決まっていないもの)

名前
海松みる萌黄(濃)

図解された配色例

かさねの様式ようしき

様式の例

(國學院高等学校〈古典参考図録〉より) *この染め見本は矢車という黒を混ぜた蘇芳。