学習のねらい
これまで六回にわたり、「とんかつ」と「雨漏りの音」という小説を読んできました。そこで具体的に学習した作品の読み取り方を踏まえ、今回は「小説の読み方」というテーマで学習します。特に、小説の表現を丁寧に読むことを意識し、想像を豊かにして作品を味わいましょう。今回は高校生の二人と一緒に勉強を進めていきます。
文法・表現
- 〜にわたり〜読んできました(範囲+進行)
- 「にわたり読んできました」=「歷經…讀完」。
- 〜を踏まえ、〜というテーマで学習します(前提+目的)
- 「を踏まえ、〜テーマで学習します」=「以…為基礎,以…為主題學習」。
- 〜を意識し、〜味わいましょう(注意+勧誘)
- 「を意識し、味わいましょう」=「意識…,品味吧」。
中文翻譯
至今歷經六回讀了「とんかつ」與「雨漏りの音」這兩部小說。在那兒具體所學的作品讀法為基礎,本回以「小說的讀法」為主題學習。特別是意識到仔細閱讀小說的表現,富於想像地品味作品吧。本回將與兩位高中生一起進行學習。
●学習のポイント●
〈一〉フィクションであるという捉え方について
〈二〉描写から心情を味わう
〈三〉読書のつながりを広げよう
文法・表現
- 〜について(範囲)
- 「について」=「關於」。
中文翻譯
〈一〉關於小說是虛構這一把握方式
〈二〉從描寫品味心情
〈三〉拓展讀書的連結
■フィクションであるという捉え方について
みなさんは普段小説をよく読みますか。小説が好きな人も、あまり得意でない人もいると思います。でも、子どものころからの経験を振り返ってみると、いくつかあ「面白いな」と思った物語や小説がある人も多いのではないでしょうか。
では、いったい小説を読む面白さやメリットには、どのようなものがあるでしょうか?
文法・表現
- 〜が好きな人も、あまり得意でない人もいる(並列)
- 「好きな人も、得意でない人もいる」=「有喜歡的人、也有不擅長的人」。
- 〜を振り返ってみると、〜人も多いのではないでしょうか(試み+推量)
- 「振り返ってみると、〜のではないでしょうか」=「回顧看看的話,不是…嗎」。
中文翻譯
各位平常常讀小說嗎?我想,喜歡小說的人、不太擅長的人都有。但是回顧從小到大的經驗,有幾部「覺得有趣」的物語或小說的人,應該也很多吧。
那麼,到底讀小說的趣味或好處有哪些呢?
番組で一緒に学習した田口さんと森さんは、「作者が創る小説の世界を体験できる」という楽しさを述べてくれました。小説は架空の物語であるという「フィクション」性をしっかり捉えられていますね。お二人が言ってくれたように、小説を読むと、登場人物の視点を通して、現実では体験できない自分以外の人生を体験できる面白さがあります。さらに、小説というものは、人の心の動きに焦点をあてて書かれています。現実では「人の気持ち」は、自分自身で情報を集めて探らないと簡単には分かりません。しかし、小説なら、読者がその人物の心情にたどり着けるよう、作者が工夫して書いてくれていますね。作者が小説の世界を作り、いろんな場面を設定し、登場人物を行動させ、事件を起こし、変化を生じさせています。そういった物語を通して、私たち読者は人間の心の動きに注目し触れることができるというメリットがあるのです。
文法・表現
- 〜という楽しさを述べてくれました(陳述)
- 「という楽しさを述べてくれました」=「講出…的樂趣」。
- 〜性をしっかり捉えられていますね(受身可能+確認)
- 「性をしっかり捉えられていますね」=「很好地把握住了…性」。
- 〜なら、〜よう、〜書いてくれていますね(条件+目的+確認)
- 「なら、〜よう、書いてくれている」=「若是…,為了讓…,寫了出來」。
- 〜を通して、〜できるというメリットがあるのです(手段+帰結)
- 「を通して、〜できるというメリットがある」=「透過…,能夠…的好處」。
中文翻譯
在節目中一同學習的田口同學與森同學,講出了「能體驗作者所創造的小說世界」這份樂趣。確實把握了小說是架空物語這個「虛構」性。如兩位所說,讀小說便能透過登場人物的視點,體驗在現實中無法體驗的——自己以外的人生——這是它的趣味。再者,所謂小說,是聚焦於人之心的動向而寫的。在現實中,「人的心情」不自己收集資訊去探究的話便不容易明白。但是若是小說,作者為了讓讀者能抵達該人物的心情,下功夫寫了出來呢。作者創造小說世界,設定各種場面,讓登場人物行動,引發事件,產生變化。透過這樣的物語,我們讀者能夠注目並接觸人類心的動向——這就是它的好處。
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■描写から心情を味わう
前半で学習した小説の題名にもなった、「とんかつ」というアイテムの効果について考えてみましょう。田口さんも森さんも、登場人物である「少年」が「とんかつ」をふるまわれる場面が印象に残っていたようです。この小説は、北陸地方の城下町の裏通りにある地味な和風宿が舞台となっていましたね。その宿に、住職であった父親を事故で亡くした少年が寺の跡を継ぐための修行に入るためにやってきます。そこで入門の前夜に、宿で「とんかつ」を食べるシーンがありました。宗派などにもよるようですが、仏教の教えでは肉食が禁止されることがある、というのは知っていますか。修行に入る「少年」、それを見送る「母親」、その二人を迎える宿の女将。三人ともそういう仏教の教えは知っているはずですが、それでも修行のためしばらく食べられなくなる前に「とんかつ」を注文し、それを提供し、おいしそうに食べるという場面なのです。この場面からは、登場人物それぞれの思いや人間味が感じられます。改めて読み返してみましょう。
文法・表現
- 〜について考えてみましょう(提案)
- 「について考えてみましょう」=「來思考…吧」。
- 〜が印象に残っていたようです(過去推量)
- 「が印象に残っていたようです」=「似乎留下了印象」。
- 〜と知っていますか(確認質問)
- 「と知っていますか」=「你知道嗎」。
- 〜のですが、それでも〜という場面なのです(譲歩+強調)
- 「のですが、それでも〜という場面」=「雖然…,但即便如此,是…的場面」。
- 〜からは、〜が感じられます(手段+受身感受)
- 「からは、〜が感じられます」=「從…可以感受到…」。
中文翻譯
讓我們思考——也成為前半所學小說題名的「とんかつ」這個物件的效果吧。田口同學與森同學,似乎對登場人物「少年」被招待「とんかつ」的場面印象深刻。這篇小說以北陸地方城下町後街上樸素的和風旅館為舞台呢。在那旅館,一個父親(住職)因事故過世的少年,為了繼承寺業而前往修行。在入門前夜,有一個在旅館吃「とんかつ」的場面。雖然依宗派而異,但佛教教義中有時禁止肉食——這你們知道嗎?將入門修行的「少年」、目送他的「母親」、迎接這兩人的旅館「女將」。三人應該都知道佛教這教義,但即便如此,仍在因修行而暫時無法吃之前點了「とんかつ」、提供它、津津有味地吃——這就是這個場面。從這個場面,可以感受到各個登場人物的想法與人性。讓我們再讀一遍吧。
たとえばその場面に出てくる料理が「とんかつ」でなかったらどうだったでしょう。「ポークソテー」だったら和風ではないし、「豚の生姜焼き」だったら修行に入る前日の晩餐という改まった雰囲気がでません。「焼肉」とか「すき焼き」が食べたいと言ったら、豪華すぎて少年の子どもっぽさや親子の地味な印象が損なわれます。「とんかつ」は絶妙に意図された料理だったのです。息子の育ち盛りの食欲旺盛な感じ、修行に送り出す親心、女将さんの人情味など、いろんな雰囲気をよりリアルに描写しているのです。このように、小説の中の細かな描写から、心情に迫っていくというのも大事な読み取りの一つになります。
文法・表現
- 〜でなかったらどうだったでしょう(仮定)
- 「でなかったらどうだったでしょう」=「若不是…會怎樣呢」。
- 〜たら、〜(雰囲気)がでません(仮定+帰結)
- 「たら、〜雰囲気がでません」=「若是…,氛圍就沒了」。
- 〜と言ったら、〜が損なわれます(仮定+損害)
- 「と言ったら、〜が損なわれます」=「若說…,會損害…」。
- 〜を意図された料理だったのです(受身連体+強調)
- 「を意図された料理だった」=「是被意圖的料理」。
- 〜から、〜に迫っていく(手段+進行)
- 「から、〜に迫っていく」=「從…向…逼近」。
中文翻譯
比如那個場面中出現的料理若不是「とんかつ」會怎樣?「Pork Soteté(豬排)」就不是和風,「豬的生薑燒」就沒有修行入門前夕晚餐那種正式的氛圍。如果說想吃「燒肉」或「壽喜燒」,又太豪華,會損害少年的孩子氣與親子樸素的印象。「とんかつ」是被絕妙地意圖過的料理。兒子正在發育期的食慾旺盛感、送他去修行的親心、女將的人情味等等各種氛圍,被更逼真地描寫了出來。如此,從小說中細微的描寫、向心情逼近——這也是重要的解讀方式之一。
■読書のつながりを広げよう
「小説を読む」という経験を増やすことは有意義なことです。ですが、どうしたら自分が面白いと感じられる本に出会えるでしょう。図書館や本屋に行って興味のある本を探すのもよいですし、身近な人に、おすすすめや最近読んだ本を聞いてみるのもよいですね。高校生の二人におすすすめも作品を聞いてみました。
文法・表現
- 〜を増やすことは有意義なことです(評価)
- 「を増やすことは有意義なことです」=「增加…是有意義的事」。
- 〜のもよいですし、〜のもよいですね(並列+勧誘)
- 「のもよいですし、のもよい」=「…也好,…也好」。
- 〜にもおすすめを聞いてみました(試み)
- 「に聞いてみました」=「試著問了」。
中文翻譯
增加「讀小說」這份經驗是有意義的事。但是,怎樣才能遇到自己覺得有趣的書呢?去圖書館或書店尋找有興趣的書也好,向身邊的人請教推薦或最近讀的書也好。我也試著問了兩位高中生推薦的作品。
* * *
田口さんは、櫻井千姫の
「70年分の夏を君に捧ぐ」を紹介してくれました。
一九四五年と二〇一五年に生きる二人の少女の心が、一日ずつ入れ替わります。昔と今を行き来することで、辛い時代を生きぬいた人の思いも知り、今当たり前にある幸せにも気付かせてくれます。戦争のことを高校生の視点で学んだり、生きることの大切さを感じたい人におすすすめしてくれました。
文法・表現
- 〜を紹介してくれました(行為)
- 「を紹介してくれました」=「介紹了…」。
- 〜ずつ入れ替わります(漸進)
- 「一日ずつ入れ替わります」=「一天一天交換」。
- 〜を行き来することで、〜知り、〜気付かせてくれます(手段+帰結)
- 「を行き来することで、知り、気付かせてくれます」=「藉由穿梭,瞭解,讓人察覺」。
中文翻譯
田口同學介紹了櫻井千姬的「70年分の夏を君に捧ぐ」。生活在1945年與2015年的兩位少女的心,一天一天交換。藉由穿梭過去與現在,瞭解到挺過艱難時代的人的想法,也讓人察覺到現在當作理所當然的幸福。她推薦給「想從高中生視角學習戰爭」、「想感受活著的重要性」的人。
森さんは、
知念実希人の「ひとつむぎの手」を紹介してくれました。大学病院を舞台にした医療ミステリーです。医師として人間として、岐路に立つ主人公を描いています。登場人物の描写がリアルで身近に感じられ、何かの選択で迷っている人や人生のヒントを探している人におすすすめしてくれました。
文法・表現
- 〜を舞台にした〜ミステリーです(連体+分類)
- 「を舞台にしたミステリー」=「以…為舞台的懸疑」。
- 〜として〜として、岐路に立つ〜(並列+場面)
- 「として〜として、岐路に立つ」=「作為…作為…,站在岔路」。
- 〜で迷っている人や〜探している人におすすめしてくれました(並列+推薦)
- 「で迷っている人や〜探している人におすすめ」=「對迷惘的人或在尋找的人推薦」。
中文翻譯
森同學介紹了知念實希人的「ひとつむぎの手」。是以大學醫院為舞台的醫療懸疑。描繪了作為醫生、作為人類站在岔路口的主角。登場人物的描寫逼真而讓人感到貼近,他推薦給「對某種選擇感到迷惘的人」或「在尋找人生提示的人」。
私からは、星新一の「ボッコちゃん」を紹介します。一つ一つのお話がとても短いショートショートというジャンルです。ショートストーリーが集まっていて、
文法・表現
- 〜を紹介します(行為)
- 「を紹介します」=「介紹…」。
- 〜というジャンルです(分類)
- 「というジャンルです」=「是…的類型」。
中文翻譯
我則介紹星新一的「ボッコちゃん」。是每篇故事都非常短的「短篇短篇(ショートショート)」這個類型。
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読書が苦手な人にも読みやすい本です。しかも一つ一つの話の内容も展開も、読者の想像をかき立てながら、それを超えるオチがあって、飽きずに楽しめます。
文法・表現
- 〜にも〜やすい本です(評価)
- 「にも読みやすい本」=「對…也容易讀的書」。
- 〜をかき立てながら、〜超えるオチがあって、〜楽しめます(並行+有+可能)
- 「かき立てながら、超えるオチがあって、楽しめます」=「一邊激發…,有超越的結尾,能夠享受」。
中文翻譯
是即使不擅長閱讀的人也容易讀的書。而且每個故事的內容與展開,都一邊激發讀者的想像,一邊有著超越它的結尾,可不膩地享受。
さて、小説との出会いは人それぞれ。表紙や作品の書きはじめなどを見て、面白そうかどうか、感覚的に判断するのもよいでしょう。お気に入りの作者の他の本を読みつなげてもよいですね。いずれにしても、小説との出会いは新たな経験を与えてくれます。ぜひたくさんらの小説と出会い、読んでみてほしいなと願っています。
文法・表現
- 〜は人それぞれ(個別)
- 「は人それぞれ」=「因人而異」。
- 〜を見て、〜判断するのもよいでしょう(手段+柔軟提案)
- 「を見て、判断するのもよいでしょう」=「看…來判斷也好」。
- いずれにしても、〜を与えてくれます(總括+恩恵)
- 「いずれにしても、与えてくれます」=「無論如何,給予…」。
- ぜひ〜出会い、読んでみてほしいなと願っています(請願+希望)
- 「ぜひ出会い、読んでみてほしい」=「請務必相遇,讀讀看」。
中文翻譯
那麼,與小說的相遇因人而異。看封面或作品開頭,憑感覺判斷有趣與否也可以。也可以接著讀喜歡作者的其他書。無論如何,與小說相遇會給予新的經驗。希望各位也能與許多小說相遇、讀讀看。
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文法・表現
- 〜及び〜を〜禁じます(漢語並列)
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