言語げんご文化ぶんか #38

漢文かんぶん

漢詩かんしあじわう [漢詩かんし

漢詩かんし日本にほん文学ぶんがく

講師こうし 渡辺わたなべ 恭子きょうこ

学習がくしゅうのねらい

前回ぜんかいまでで四つよっつの「漢詩かんし」を学習がくしゅうしました。今回こんかいは、「漢詩かんし日本にほん文学ぶんがく」というだいで、「漢詩かんし」がどのように日本にほん文学ぶんがく影響えいきょうあたえたのか、「漢詩かんし」と「日本にほん文学ぶんがく」との関係かんけい一端いったん具体的ぐたいてきていきましょう。

文法・表現

〜という題で、〜(題目)
「『〜』という題で」=「『…』為題」。
どのように〜のか、〜の一端を見ていきましょう(疑問内包+勧誘)
どのようにのか、〜を見ていきましょう」=「如何…,來看…」。

中文翻譯

至上回為止學習了四首「漢詩」。本回以「漢詩與日本文學」為題,具體看看「漢詩」是如何影響日本文學的、「漢詩」與「日本文學」之關係的一端吧。

学習がくしゅうのポイント●

いち漢詩かんし日本にほん文学ぶんがくについて
清少納言せいしょうなごんゆきのいとたかりたるを」と白居易はくきょい漢詩かんし
さん〉【言語げんご活動かつどう】「春暁しゅんぎょう」の訳詩やくしについて

文法・表現

〜について(範囲)
について」=「關於」。

中文翻譯

〈一〉關於漢詩與日本文學 〈二〉清少納言「雪のいと高う降りたるを」與白居易的漢詩 〈三〉【語言活動】關於「春暁」的譯詩

漢詩かんし日本にほん文学ぶんがくについて

中国ちゅうごくを、日本人にほんじんは「漢詩かんし」とんで、ふるくから愛誦あいしょうしてきました。「漢詩かんし学習がくしゅう初回しょかいに、孟浩然もうこうねんの「春暁しゅんぎょう」をまなびましたが、その一句目いっくめ、「春眠しゅんみんあかつきおぼえず」などのように、わたしたちがついくちずさんでしまう詩句しくもたくさんあります。

文法・表現

〜と呼んで、〜してきました(受身的動作の継続)
「『漢詩』と呼んで、〜してきました」=「稱為『漢詩』,一直愛誦」。
〜のように、〜詩句もたくさんあります(例示+多数)
「〜のように、〜もたくさんあります」=「那樣也有許多」。
つい〜てしまう(無意識)
つい口ずさんでしまう」=「不知不覺哼出口」。

中文翻譯

中國的詩,日本人稱為「漢詩」,從很久以前便愛誦。「漢詩」學習的最初一回,我們學了孟浩然的「春暁」,其第一句「春眠暁を覚えず」等等,是我們不知不覺會脫口而出的詩句,這樣的詩句還有很多。

漢詩かんし」は、むかしから現在げんざいまで、絵画かいが書道しょどう世界せかい詩吟しぎんなど、日本にほん精神せいしん文化ぶんかおおきな影響えいきょうあたえてきました。日本人にほんじんは、ながあいだにわたって、中国ちゅうごくすすんだ文化ぶんか崇敬すうけいし、それをれながら工夫くふうし、独自どくじ文化ぶんか努力どりょくをしてきたのです。

文法・表現

〜から〜まで、〜に大きな影響を与えてきました(時間+影響の継続)
昔から現在まで、〜に大きな影響を与えてきました」=「從昔到今給予了…大的影響」。
〜にわたって、〜(範囲の長期)
「長い間にわたって」=「歷經長時間」。
〜ながら工夫し、〜する努力をしてきた(並行+努力の継続)
取り入れながら工夫し、〜努力をしてきた」=「一邊吸收、一邊下功夫一直努力」。

中文翻譯

「漢詩」從昔到今,對於繪畫、書道的世界、詩吟等等,對日本的精神文化給予了很大的影響。日本人長期以來,崇敬中國進步的文化,一邊吸收一邊下功夫,努力創造出獨自的文化。

平安へいあん時代じだいには、遣唐使けんとうし派遣はけんによって、「唐風とうふう文化ぶんか」が黄金期おうごんきむかえます。この時代じだい漢詩文かんしぶん暗唱あんしょうし、につけることは、日本にほん知識人ちしきじんたちのあいだでも、教養きょうよう一つひとつでした。日本にほん古典こてんをみると、外国がいこく文学ぶんがく作品さくひんである「漢詩かんし」が、おどろくほどよく使つかわれています。当時とうじ知識人ちしきじん意識いしきなかでは、「漢詩かんし」はもはや外国がいこくのものではなく、日本にほん古典こてんとして存在そんざいしていたのでしょう。

文法・表現

〜によって、〜を迎えます(手段+帰結)
「派遣によって、〜を迎えます」=「藉由派遣,迎來」。
〜は教養の一つでした(評価)
教養の一つでした」=「是教養之一」。
〜驚くほどよく使われています(程度+受身)
驚くほどよく使われています」=「被使用得驚人地多」。
〜はもはや〜ではなく、〜として存在していたのでしょう(否定+推量)
はもはやではなく、〜として存在していたのでしょう」=「已不再是…,而是作為…存在著吧」。

中文翻譯

在平安時代,藉由遣唐使的派遣,「唐風文化」迎來黃金期。在這個時代,背誦並吸收漢詩文,在日本的知識分子之間,也是教養之一。看日本的古典,作為外國文學作品的「漢詩」被使用得驚人地多。當時知識分子的意識中,「漢詩」已經不是外國的,恐怕已作為日本的古典而存在了。

清少納言せいしょうなごんゆきのいとたかりたるを」と白居易はくきょい漢詩かんし

つぎに、実際じっさい二つふたつ作品さくひん白居易はくきょいの「漢詩かんし」と清少納言せいしょうなごんの『枕草子まくらのそうし』をんで、「漢詩かんし」と「日本にほん文学ぶんがく」がどのように関係かんけいしているのか、その一例いちれいていきましょう。まず、白居易はくきょい作品さくひん、「香炉峰下こうろほうかあらたに山居さんきょぼくし、草堂そうどうはじめてり、たまたま東壁とうへきだいす」というなが題名だいめい漢詩かんしからです。

文法・表現

〜を読んで、〜のか、〜を見ていきましょう(並行+疑問内包+勧誘)
を読んで、〜のか、〜を見ていきましょう」=「讀讀看如何…,來看…」。

中文翻譯

接下來,實際讀兩個作品——白居易的「漢詩」與清少納言的《枕草子》——看看「漢詩」與「日本文學」是如何關聯的,其中一例吧。首先,從白居易的作品「香炉峰下、新たに山居を卜し、草堂初めて成り、偶たま東壁に題す」這個長標題的漢詩開始。

香炉峰下こうろほうかあらたに山居さんきょぼくし、草堂そうどうはじめてり、たまたま東壁とうへきだい
白居易はくきょい
たかねむりてものう
小閣しょうかくきんかさねてかんおそれず
遺愛寺いあいじかねまくらそばだてて
香炉峰こうろほうゆきすだれかかげて
匡廬きょうろ便すなはちこれのがるるの
司馬しばろうおくるのかんたり
こころやすやすきはこれするところ
故郷こきょういづくんぞひと長安ちょうあんにのみらんや

文法・表現

〜たり〜たり(並列の対句)
枕を欹てて聴き」「簾を撥げて看る」=對句
〜んや(反語)
長安にのみ在らんや」=「豈獨在長安乎」。

中文翻譯

(書き下し文)日高く睡り足りて猶ほ慵く起つ/小閣に衾を重ねて寒を怕れず/遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き/香炉峰の雪は簾を撥げて看る/匡廬は便ちこれ名を逃るるの地/司馬仍ほ老を送るの官たり/心泰く身寧きはこれ帰する処/故郷何くんぞ独り長安にのみ在らんや

現代語訳げんだいごやく
たかくのぼり、睡眠すいみん十分じゅうぶんったが、まだきるのは面倒めんどうだ。
② この小さちいさいえで、布団ぶとん何枚なんまいかさねているから、さむさの心配しんぱいい。
遺愛寺いあいじかねおとは、まくらかたむけてたかくしてき、
香炉峰こうろほうしろもるゆきは、(ばして)すだれ(のはしほうを)すこげてながめる。
⑤ (ここ)廬山ろざんこそは、世俗せぞく名利みょうりけてらすのにてきした土地とちであり、
司馬しばという仕事しごともやはり余生よせいおくるのにてきした閑職かんしょくである。
こころ平穏へいおんでいられる場所ばしょこそ、(人間にんげんの)安住あんじゅう
故郷こきょうはどうしてただ長安ちょうあんにあるだけであろうか。(いや長安ちょうあんだけが故郷こきょうではあるまい。)

文法・表現

〜が、〜面倒だ(譲歩+評価)
取ったが、起きるのは面倒だ」=「但是起床麻煩」。
〜ほど〜(程度の超越)
名利を避けて暮らすのに適した」=「避世俗名利之地」。
〜のみ〜らんや(限定+反語)
長安にのみ在らんや」=「豈只在長安乎」。

中文翻譯

【現代語譯】 ① 日已高升,睡眠也充分了,但起床還是麻煩。 ② 在這個小家中,疊了好幾床棉被,所以也不擔心寒冷。 ③ 遺愛寺的鐘聲,將枕傾斜抬高地聽, ④ 香炉峰白白堆積的雪,(伸手)將簾(之端)稍微舉起來眺望。 ⑤ (此處)廬山正是避世俗名利、適合隱居生活的土地, ⑥ 司馬這個工作也是適合送老之餘生的閑職。 ⑦ 身心都能平穩的場所,就是(人之)安住之地。 ⑧ 故鄉怎會只在長安呢?(不,故鄉並不只是長安。)

形式けいしき ➡ 「七言律詩しちごんりっし」(一句いっく七字しちじ全部ぜんぶ八句はっく

文法・表現

〜律詩(漢詩形式)
七言律詩=一句七字、共八句。

中文翻譯

■ 詩之形式 ➡「七言律詩」(一句七字共八句)

題名だいめいの「香炉峰下こうろほうかあらたに山居さんきょぼくし、草堂そうどうはじめてり、たまたま東壁とうへきだいす」は、「香炉峰こうろほうのふもとにあたらしく山居さんきょうらなってさだめ、草堂そうどうができあがったばかりのときに、ふとうたって東壁とうへききつけた」ということになります。

文法・表現

〜ということになります(言い換え)
ということになります」=「就是說」。
〜たばかりのときに、ふと〜(時間+偶発)
できあがったばかりのときに、ふと」=「剛完成的時候,忽然」。

中文翻譯

題名「香炉峰下、新たに山居を卜し、草堂初めて成り、偶たま東壁に題す」是「在香炉峰下新占卜選定山居、草堂剛建成的時候,忽然詠詩寫在東壁上的詩」之意。

このは、白居易はくきょい江州こうしゅう左遷させんされ、長官ちょうかん補佐ほさする「司馬しば」という閑職かんしょくについたときの作品さくひんです。五首ごしゅ連作れんさくのうちの一つひとつで、その四番目よんばんめにあたります。

文法・表現

〜に左遷され(受身)
江州に左遷され」=「被左遷到江州」。
〜のうちの一つで、その〜にあたります(位置)
のうちの一つで、その四番目にあたります」=「是其中之一,相當於第四首」。

中文翻譯

這首詩,是白居易被左遷到江州、擔任輔佐長官的「司馬」這個閑職時的作品。是五首連作詩之中的一首,相當於其中第四首。

前半ぜんはん一句いっくから四句よんく)は、「あるあさのこと、はすでにたかのぼってしまったのに、なかなか布団ぶとんからせない。役所やくしょ出向でむかいたところで仕事しごとがあるわけじゃないし、とのんびりかねおとき、みねゆきながめやる。そんな長閑のどか様子ようす」をうたっています。

文法・表現

〜のに、なかなか〜できない(逆接+難)
のに、なかなか抜け出せない」=「明明…,卻怎麼也離不開」。
〜ところで〜があるわけじゃない(譲歩+否定)
出向いたところで仕事があるわけじゃない」=「即使去也沒有工作」。

中文翻譯

詩之前半(一句到四句)詠的是——「某天早晨,日已高升,卻怎麼也離不開棉被。即使去衙門也並沒有什麼工作,便悠閒地聽鐘聲、眺望峰上的雪。這樣悠閒的樣子」。

後半こうはん五句ごくから八句はっく)は、左遷させん境遇きょうぐうでの白居易はくきょい人生観じんせいかんべています。普通ふつうなら長安ちょうあん帰りかえりたいとおも気持きもちを、心身しんしんともにやすらかなら、どこだって故郷こきょうのようではないか、とっているのです。しかし、これは本心ほんしんではなく、みやこ長安ちょうあんだけが故郷こきょうではない、とわざわざいう、その言葉ことばうらに、やはり切々せつせつたる長安ちょうあんへの慕情ぼじょうれる、というのが一般的いっぱんてきなこの解釈かいしゃくです。

文法・表現

〜なら〜のではないか(仮定+柔軟疑問)
安らかなら、どこだって故郷のようではないか」=「若…,哪裡不像故鄉嗎」。
〜ではなく、〜とわざわざいう(否定+強調)
本心ではなくわざわざいう」=「並非本心,而是特意說」。
〜の裏に、やはり〜が読み取れる、というのが一般的な〜(裏意+一般化)
の裏にやはり読み取れる、というのが一般的な解釈です」=「在背後,仍可讀出…,這是一般的解讀」。

中文翻譯

詩之後半(五句到八句)敘述了左遷處境下白居易的人生觀。將通常會想回長安的心情,說成「身心都平穩的話,哪裡不就像故鄉嗎」。但是,這並非他的本心,而是特意說「不只長安才是故鄉」——在這句話背後,仍能讀出切切的對長安的思念之情——這是對此詩一般的解讀。

頷聯がんれん三句さんく四句よんくのこと)「遺愛寺いあいじかねまくらそばだててき」「香炉峰こうろほうゆきすだれかかげてる」は、とく日本人にほんじんには、なじみのふかいフレーズです。では、『枕草子まくらのそうし』の「ゆきのいとたかりたるを」をましょう。

文法・表現

〜には、なじみの深いフレーズです(評価)
日本人には、なじみの深いフレーズです」=「對日本人來說是熟悉的句子」。

中文翻譯

詩之頷聯(三句、四句)「遺愛寺の鐘は 枕を欹てて聴き」「香炉峰の雪は 簾を撥げて看る」,特別對日本人來說,是非常熟悉的詞句。那麼,讓我們看《枕草子》的「雪のいと高う降りたるを」吧。

ゆきのいとたかりたるを
清少納言せいしょうなごん

ゆきのいとたかりたるを、れいならず御格子みこうしまいりて、炭櫃すびつおこして、物語ものがたりなどしてあつまりさぶらふに、「少納言しょうなごんよ。香炉峰こうろほうゆきいかならむ。」とおおせらるれば、御格子みこうしげさせて、御簾みすたかげたれば、わらはせたまふ。

文法・表現

〜参りて(古語の謙譲)
御格子参りて」=「放下御格子」(謙譲)。
〜と仰せらるれば、〜(敬語+条件)
と仰せらるれば」=「說了之後」。
〜させて、〜たれば、〜給ふ(使役+条件+敬語)
上げさせて」=「命人舉起」。

中文翻譯

(古文原文)雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、「少納言よ。香炉峰の雪いかならむ。」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。

現代語げんだいご
ゆきがたいそうたかもっているのに、いつもとちがって御格子みこうしろしもうげて、炭櫃すびつをおこして、(女房にょうぼうたちが)世間話せけんばなしなどをしてあつまっておそばにおつかえしていると、(中宮ちゅうぐうさまが)「少納言しょうなごんよ、香炉峰こうろほうゆきは、どうであろう。」とおっしゃるので、(わたしひとめいじて)御格子みこうしげさせて、(自分じぶんで)御簾みすたかげたところ、(中宮ちゅうぐうさまは)おわらいになられる。」

文法・表現

〜のに、いつもと違って〜(逆接的場面提示)
降り積もっているのに、いつもと違って」=「明明…,卻與往常不同」。
〜とおっしゃるので、〜上げさせて、〜上げたところ、〜笑いになられる(敬語の連鎖)
とおっしゃるので、〜上げさせて、〜上げたところ、〜お笑いになられる」=「說了之後,命人升起,捲起之後便笑了起來」。

中文翻譯

【現代語】 雪降積得很高,與往常不同地將御格子放下,在火爐中升火,(女房們)說著閒話聚在側侍奉著時,(中宮樣)說:「少納言啊,香炉峰之雪如何呢。」我(命人)將御格子升起,(自己)將御簾高高捲起,(中宮樣)便笑了起來。

これは、あるゆきったあさ中宮ちゅうぐうさま清少納言せいしょうなごんに、「香炉峰こうろほうゆきは、どうであろう」とおっしゃたので、清少納言せいしょうなごんがすかさず、スルスルと御簾みすげてみせました、というおはなしです。

文法・表現

〜とおっしゃったので、〜すかさず、〜(理由+即時行動)
とおっしゃったのですかさず」=「說了之後,立刻」。

中文翻譯

這是——某下雪的早晨,中宮樣對清少納言說「香炉峰之雪如何呢」,清少納言立刻嗖嗖地升起御簾給她看——這樣的故事。

もちろん、中宮ちゅうぐうさまのところから、「香炉峰こうろほう」がえるわけはありません。清少納言せいしょうなごんは、白居易はくきょいの「香炉峰こうろほうゆきすだれかかげてる」というおぼえていて、見事みごと中宮ちゅうぐうさま期待きたいこたえました。そして、この清少納言せいしょうなごん機転きてんはやさに、ほか女官にょかんたちも拍手喝采はくしゅかっさいがった場面ばめんです。

文法・表現

〜わけはありません(否定の必然)
見えるわけはありません」=「不可能看見」。
〜を覚えていて、見事に〜に応えました(記憶+応答)
を覚えていて、見事に応えました」=「記得而漂亮地回應」。

中文翻譯

當然,從中宮樣那裡是看不見「香炉峰」的。清少納言記得白居易「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」這個句子,漂亮地回應了中宮樣的期待。而且對清少納言這個機智之快,其他女官們也鼓掌喝采,是場面熱烈的一幕。

最後さいご中宮ちゅうぐうさまの「わらい」について
  → 自分じぶんおもったとおりに行動こうどうした清少納言せいしょうなごんたいする、賞賛しょうさん満足まんぞく気持きもち。

文法・表現

〜に対する、〜気持ち(対象+感情)
に対する、〜気持ち」=「對於…的心情」。

中文翻譯

● 關於最後中宮樣的「笑」  → 對於完全按自己所想行動的清少納言,賞讚與滿足的心情。

また、清少納言せいしょうなごんも、得意とくい気持きもちで、この出来事できごとを『枕草子まくらのそうし』にきつけました。清少納言せいしょうなごんつかえた中宮ちゅうぐう定子ていしさまのサロンでは、このように機知きちんだあかるい会話かいわ日常的にちじょうてきになされたことがかります。

文法・表現

〜たことが分かります(証拠+知識)
なされたことが分かります」=「可知是被進行的」。

中文翻譯

又,清少納言也以得意的心情,將這件事寫入了《枕草子》。可見清少納言所侍奉的中宮定子樣的沙龍中,這樣富於機智的明朗對話,是日常進行的。

■「春暁しゅんぎょう」の訳詩やくしについて

漢詩かんしの「訳詩やくし」というのは、基本的きほんてきには漢詩かんし日本語にほんごやくすことです。しかし、そのやくかたはさまざまで、作者さくしゃ内面ないめんせまり、それをまえつつも、自由詩じゆうし創作詩そうさくしとして訳出やくしゅつされることがほとんどです。

文法・表現

〜というのは、〜することです(定義)
というのは、〜ことです」=「所謂…就是…」。
〜の内面に迫り、それを踏まえつつも、〜ことがほとんどです(並行+傾向)
に迫り、踏まえつつも、〜ことがほとんどです」=「接近,並以此為基礎,多是…」。

中文翻譯

所謂漢詩的「譯詩」,基本上就是把漢詩翻譯成日語。但其譯法各式各樣,大多是——一方面接近作者內面、以此為基礎,一方面又作為自由詩、創作詩來譯出。

今回こんかいは、第三十五回だいさんじゅうごかい学習がくしゅうした漢詩かんし春暁しゅんぎょう」について、さんにんの「訳詩やくし」をていきます。

文法・表現

〜について、〜を見ていきます(対象+勧誘の進行)
について、〜を見ていきます」=「就…來看…」。

中文翻譯

本回,將就第35回所學的漢詩「春暁」,看三位的「譯詩」。

春暁しゅんぎょう
孟浩然もうこうねん
春眠しゅんみんあかつきおぼえず 処々しょしょ啼鳥ていちょう
夜来やらい風雨ふううこえ はなつることんぬ多少たしょう

春暁しゅんぎょう」の訳詩やくし一つひとつずつていきます。それぞれの訳詩やくしにおける「着眼点ちゃくがんてん」や「表記ひょうき仕方しかた」、「春暁しゅんぎょうのイメージの捉えとらえかた」に注意ちゅういしましょう。

文法・表現

〜ずつ見ていきます(順次)
一つずつ見ていきます」=「一個一個地看」。
〜に注意しましょう(注意の勧誘)
に注意しましょう」=「請注意」。

中文翻譯

一個一個地來看「春暁」的譯詩。請注意各譯詩中的「著眼點」、「表記方式」、「對春暁意象的把握方式」。

いち井伏いぶせ 鱒二ますじ広島ひろしまけん出身しゅっしん昭和しょうわ小説家しょうせつか

春暁しゅんぎょう  井伏いぶせ鱒二ますじ やく

ハルノネザメノウツツデケバ
トリノナクネデガサメマシタ
ヨルノアラシニあめマジリ
ッタはなイカホドバカリ

● 「カタカナと漢字かんじまじり」の表記ひょうき
● 「カタカナ」は、漢文かんぶん訓読くんどく送り仮名おくりがな使用しよう
  → 「漢字かんじ」と「カタカナ」の表記ひょうきには、漢文かんぶんらしさがかんじられる。
三句目さんくめだけリズムがちがう。
三つみっつのリズムがしちしち調ちょう転句てんく三句目さんくめ)だけしち調ちょう
  → 転句てんく場面ばめんわるところなので、変化へんか表現ひょうげん
内容ないよう
承句しょうく二句目にくめ)「処々しょしょ」が訳出やくしゅつされていない。
おなじく承句しょうく、「とりおとがさめました」と、はっきり「目覚めめざめた」とっている。

文法・表現

〜らしさが感じられる(特徴の印象)
漢文らしさが感じられる」=「能感受到漢文氣息」。
〜が訳出されていない(受身の否定)
訳出されていない」=「未被譯出」。
はっきり〜と言っている(明示)
はっきり「目覚めた」と言っている」=「明確說『醒了』」。

中文翻譯

● 「片假名與漢字混雜」的表記。 ● 「片假名」用於漢文訓讀的送り仮名。  → 「漢字」與「片假名」的表記,可感受到漢文的氣息。 ● 只有第三句節奏不同。 ● 三個句子的節奏是七七調。轉句(第三句)只有七五調。  → 轉句是場面變換之處,所以表現變化。 ● 內容 ● 承句(第二句)「處處」未被譯出。 ● 同樣承句中,「鳥之鳴聲使我醒了」明確地說「醒了」。

土岐とき 善麿ぜんまろ明治めいじから昭和しょうわ初期しょきにかけての歌人かじん国文学者こくぶんがくしゃ

はるあけぼの 土岐とき善麿ぜんまろ やく

はるあけぼのの うすねむり
まくらにかよう とりこえ
かぜまじりなる 夜べよべあめ
はなちりけんか にわもせに

七五調しちごちょうの、リズムが心地よいここちよいうつくしい訳詩やくし
起句きくから転句てんく一句いっくから三句さんく)は名詞めいし体言たいげん)でわっている。
  → 結句けっく四句よんく)だけが、体言止めたいげんどめになっていない(印象いんしょうのこる)。
結句けっく最後さいご、「にわもせに」
  → 「せに」は、「に」とく。
  「はな所狭ところせましと、たくさんちたにわ様子ようす」を想像そうぞうしている。

文法・表現

〜だけが〜になっていない(限定的否定)
結句だけが体言止めになっていない」=「只有結句不是體言止」。
「〜」を想像している(想像)
を想像している」=「在想像」。

中文翻譯

● 七五調的、節奏舒適、美麗的譯詩。 ● 起句到轉句(一句到三句)以名詞(體言)結束。  → 只有結句(四句)不是體言止(給人留下印象)。 ● 結句的最後「庭もせに」  → 「せに」寫作「狭に」。   「花漫天落下、庭中所狹(滿滿)的樣子」被想像出來。

さん前野まえの 直彬なおあき昭和しょうわから平成へいせい初めはじめにかけての中国ちゅうごく文学者ぶんがくしゃ

はるのあかつき   前野まえの直彬なおあき やく

はる眠りねむり明けあけそめたとも知らしらなかったが
あちらでもこちらでも   さえずるとりこえ
そうだ   ゆうべは風雨ふううおとがしていた
さてはなはどれほど散っちったかしら

口語体こうごたいで、分かわかりやすい工夫くふう
作者さくしゃ孟浩然もうこうねん言葉ことば漢語かんご)と気持きもちに忠実ちゅうじつに、丁寧ていねいやくしている。

文法・表現

〜に忠実に、丁寧に〜(程度+態度)
に忠実に、丁寧に訳している」=「忠實地、仔細地翻譯」。

中文翻譯

● 以口語體,下了易懂的功夫。 ● 忠實於作者孟浩然的詞語(漢語)與心情,仔細地翻譯。

まとめ

春暁しゅんぎょう」の訳詩やくし三つみっつ鑑賞かんしょうしましたが、それぞれ特徴とくちょうがありました。みなさんはどの「訳詩やくし」が一番いちばん好きすきですか?

漢詩かんし自分じぶんなりの言葉ことばやくす「訳詩やくし」は、やってみると楽しいたのしいものです。みなさんも自分じぶん好きすき漢詩かんしをみつけたら、「作者さくしゃ状況じょうきょう心情しんじょう」を理解りかいしたうえで、「自分じぶんかんじたのイメージ」を大切たいせつに、のつながりやリズムを整えととのえ言葉ことば選びえらびながら、素敵すてきな「訳詩やくし」を作っつくってみてくださいね。

文法・表現

〜が、それぞれ〜(逆接+並列)
鑑賞しましたが、それぞれ特徴がありました」=「鑑賞了,但各有各的特色」。
〜やってみると〜ものです(試み+一般化)
やってみると楽しいものです」=「動手做就是件愉快的事」。
〜たうえで、〜を大切に、〜整え、〜選び、〜作ってみてください(順序+勧誘)
理解したうえで、大切に、整え、選び、作ってみてください」=「理解後、重視、整理、選擇,做做看」。

中文翻譯

我們鑑賞了「春暁」的三首譯詩,各有各的特色。各位最喜歡哪一首「譯詩」呢? 以自己的語言翻譯漢詩「譯詩」這件事,動手做做看是件愉快的事。各位若也找到自己喜歡的漢詩,理解「作者的狀況・心情」之後,重視「自己所感受的詩的意象」,整理句子的連貫與節奏,一邊挑選詞語,做出美好的「譯詩」看看吧。

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文法・表現

〜及び〜を〜禁じます(漢語並列+強調)
正式・告知の文体

中文翻譯

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