言語げんご文化ぶんか #2・3

NHK高校こうこう講座こうざ ラジオ学習がくしゅうメモ

古文こぶん

古文こぶん入門にゅうもん 古文こぶん世界せかいへ [説話せつわ

宇治うぢ拾遺しふゐ物語ものがたり
ちごのそらぜんかい

学習がくしゅうのねらい
てらあずけられているちごども)は、そうたちがぼたもちつくろうというのをいて、それをべたいとおもっています。しかし、べたいという気持きもちをそうたちにづかれないようにおうとします。そのちご心理しんりあじわいましょう。また、五十音ごじゅうおん現代げんだい語訳ごやくするさい注意点ちゅういてんまなびますが、これは古文こぶん本格的ほんかくてきんでいくための準備じゅんびですので、頑張がんばってんでいきましょう。

文法・表現

〜に預けられている〜(受身的状態継続)
寺に預けられている児」=「被寄放在寺院的児」。
〜というのを聞いて、〜と思っています(連体引用+進行)
作ろうというのを聞いて、それを食べたいと思っています」=「聽到『要做』,想吃」。
〜に気づかれないように振る舞おうとします(受身打消+意圖)
気づかれないように振る舞おうとします」=「試圖以不被察覺的方式行動」。
〜を読み味わいましょう(連用+勧誘)
を読み味わいましょう」=「讓我們閱讀並品味」。
〜際の注意点(連体)
現代語訳する際の注意点」=「翻譯成現代語時的注意點」。

中文翻譯

【學習目標】被寄放在寺院的「児(小孩)」聽到僧人們說要做萩餅,想吃。然而想要採取「不被僧人們察覺『想吃』之心」的行動。讓我們閱讀並品味該児的心理。又,學習五十音圖以及翻成現代語時的注意事項。

講師こうし 吉田よしだ しげる

学習がくしゅうのポイント●

〈1〉朗読ろうどくいたあと物語ものがたり前半ぜんはん内容ないよう理解りかいする
〈二〉五十音ごじゅうおん現代げんだい語訳ごやくするさい注意点ちゅういてん
〈三〉ちご心理しんり追跡ついせきする

文法・表現

〜を聞いた後(時間順序)
朗読を聞いた後」=「聽完朗讀之後」。
〜際の〜(漢語+連体)
現代語訳する際の注意点」=「翻譯時的注意點」。
〜を追跡する(漢語動詞)
を追跡する」=「追蹤」。

中文翻譯

〈一〉聽完朗讀後,理解物語前半的內容 〈二〉了解五十音圖、現代語譯時的注意點 〈三〉追蹤児的心理

朗読ろうどくいたあと物語ものがたり前半ぜんはん内容ないよう理解りかいする

文法・表現

(小標題)
小標題,劃分段落結構。

中文翻譯

■聽完朗讀後,理解物語前半的內容

見事みごと朗読ろうどくには、古文こぶんえがかれる世界せかいまえしめしてくれるちからがあります。比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじ一人ひとりちご学問がくもん行儀ぎょうぎ見習みならいのためにあずけられています。あるよるそうたちはぼたもちつくろうとします。ちごべたい一心いっしんからきてっているのはみっともないとかんがえて、たふりをしてつことにします。すると、そうたちははやくもぼたもちつくりあげた様子ようすです。これが、物語ものがたり前半ぜんはん内容ないようです。

文法・表現

〜には、〜力があります(主語的所有)
朗読には、力があります」=「朗讀具有…力量」。
〜に描かれる〜(受身連体)
古文に描かれる世界」=「描繪在古文中的世界」。
〜を目の前に示してくれる(受益)
を目の前に示してくれる」=「呈現在眼前(給我們看)」。
〜のために預けられています(目的+受身進行)
のために預けられています」=「為了…而被寄放著」。
〜と言い出します(連用+発言開始)
と言い出します」=「開始說…」。
〜一心から(漢語+出處)
食べたい一心から」=「從『想吃』的一心」。
〜はみっともないと考えて(連用+態度)
はみっともないと考えて」=「認為是不體面的,於是…」。
〜が期待できます(可能)
反応が期待できます」=「可期待反應」。

中文翻譯

出色的朗讀,具有將古文中描繪的世界呈現在眼前的力量。一個児為了學問與儀禮見習而被寄放在比叡山延曆寺。某夜,僧人們說起要做萩餅。児因「想吃」的一心而認為「起來等候是不體面的」,於是裝睡等候。從第三段落開始,描寫了萩餅做好的樣子,僧人們聚集起鬨。可以期待萩餅做好的児的反應。

五十音ごじゅうおん現代げんだい語訳ごやくするさい注意点ちゅういてん

文法・表現

(小標題)
小標題

中文翻譯

■了解五十音圖、現代語譯時的注意點

五十音ごじゅうおんたてれつを「ぎょう」、よこれつを「だん」とびます。たとえば、「ふ」はハぎょうだん仮名かなというように、すべての仮名かなは「~ぎょう」「~だん」で説明せつめいできます。
古文こぶんではワぎょうだん仮名かな「ゐ」とワぎょうだん仮名かな「ゑ」をもちいますので、注意ちゅういしましょう。
「ん」は五十音ごじゅうおんはいっていない仮名かなです。古文こぶんでは通常つうじょう四十七よんじゅうなな仮名かなもちいます。この四十七よんじゅうなな仮名かな重複ちょうふくしないようにもちいた「いろはうた」(つぎページ)があります。平安へいあん時代じだい中頃なかごろつくられたうたで、文字もじいたり、おぼえたりするのにもちいられたようです。

文法・表現

〜を「〜」と呼びます(命名)
縦の列を『行』と呼びます」=「把縱列叫做『行』」。
〜というように(例示の換言)
ハ行ウ段の仮名というように」=「『ハ行ウ段的假名』這樣地」。
〜で説明できます(手段+可能)
で説明できます」=「能用…說明」。
〜を用いますので、注意しましょう(理由+勧誘)
を用いますので、注意しましょう」=「因為使用…,所以請注意」。
〜に入っていない〜(打消連体)
五十音図に入っていない仮名」=「不在五十音圖中的假名」。

中文翻譯

把五十音圖的縱列稱為「行」,把橫列稱為「段」。例如,「ふ」是ハ行ウ段的假名——像這樣,所有假名都可以用「○行」「○段」來說明。古文中會使用ワ行イ段的假名「ゐ」與ワ行エ段的假名「ゑ」,因此要注意。「ん」是不在五十音圖中的假名。

五十音ごじゅうおん古文こぶん

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なにぬねの
はひふへほ
まみむめも
やいゆえよ
らりるれろ
わゐうゑを

文法・表現

五十音図(古典假名)
古典五十音圖包含ワ行的「ゐ・ゑ」,與現代不同。

中文翻譯

(五十音圖)あ・い・う・え・お/か・き・く・け・こ/さ・し・す・せ・そ/た・ち・つ・て・と/な・に・ぬ・ね・の/は・ひ・ふ・へ・ほ/ま・み・む・め・も/や・い・ゆ・え・よ/ら・り・る・れ・ろ/わ・ゐ・う・ゑ・を


言語げんご文化ぶんか #2・3

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

文法・表現

いろは歌(古典詩)
伊呂波歌=用全部五十音(除去重複,包含古假名)創作的詩,作為練字示範流傳。

中文翻譯

(伊呂波歌)「いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす」

いろにおへど りぬるを たれぞ つねならむ
有為うい奥山おくやま 今日きょうえて あさ夢見ゆめみじ ひもせず)
*( )ない意味いみをわかりやすくするために漢字かんじて、濁点だくてんくわえたもの。

文法・表現

〜どもに〜(譲歩)
匂へど散りぬる」=「儘管綻放卻已散落」。
我が世誰ぞ常ならむ(強調+推量)
我が世誰ぞ常ならむ」=「我之世,誰能恆久呢」。
〜じ(打消推量)
浅き夢見じ」=「不再見淺夢」。
〜にもせず(並列+打消)
酔ひもせず」=「也不沉醉」。
〜のために〜を当て、〜を加えたもの(目的+連用+名詞句)
意味を分かりやすくするために漢字を当て、濁点を加えたもの」=「為了使意義易懂,套用漢字、加上濁點的」。

中文翻譯

(漢字標記版)「色は匂へど散りぬるを我が世誰ぞ常ならむ有為の奥山今日越えて浅き夢見じ酔ひもせず」 *括弧內是為了使意義易懂而套用漢字、加上濁點的版本。

古文こぶん現代げんだい語訳ごやくするさい、そのままではぶんがうまくつながらない場合ばあいは、つぎのような語句ごくおぎなってやくすとよい現代げんだい語訳ごやくになります。

文法・表現

〜際、〜場合は、〜(場合+條件)
現代語訳する際、場合は、〜」=「翻譯時,在…的情況下」。
そのままでは〜ない(原樣+打消)
そのままでは文がうまくつながらない」=「原樣的話句子接不順」。
〜のような語句を補って訳すとよい〜になります(手段+條件+帰結)
のような語句を補って訳すと、よい現代語訳になります」=「補上…後翻譯,就會成為好譯文」。

中文翻譯

把古文翻成現代語時,若原樣不能順利連接句子的情況,則補上下列詞語來翻譯就會成為好的現代語譯。

助詞じょし「が・は・を」をおぎないます。
比叡ひえやまちごありけり。 → 比叡山ひえいざんちご〔が〕いた。

文法・表現

〜を補います(指示文体)
を補います」=「補上」。
〜ありけり(過去・伝聞)
ありけり」=「有過」。

中文翻譯

①補上助詞「が・は・を」。例:「比叡の山に児ありけり。」→「比叡山に児〔が〕いた。」

②「の・もの・こと・ところ」などをおぎないます。
いでくるをちけるに → できあがる〔の〕をっていたところ

文法・表現

〜などを補います(並列+補い)
などを補います」=「補上…等」。
〜けるに(過去連体+逆接時間)
待ちけるに」=「正在等候時」。

中文翻譯

②補上「の・もの・こと・ところ」等。例:「いでくるを待ちけるに」→「できあがる〔の〕を待っていたところ」

主語しゅご動作どうさ対象たいしょうとなるなどをおぎないます。
ひしめきあひたり。 → 〔そうたちが〕あつまってさわいでいる。

文法・表現

〜となる〜(連体修飾)
対象となる語」=「成為對象的詞」。
ひしめきあひたり(複合動詞+存続)
ひしめきあひたり」=「正擁擠在一起騷動」。

中文翻譯

③補上作為主語或動作對象的詞語等。例:「ひしめきあひたり。」→「〔僧たちが〕集まって騒いでいる。」

ちご心理しんり追跡ついせきする

ちご心理しんりあらわ言葉ことばはどれでしょうか。追跡ついせきしていくと、「こころせ」をつけることができます。「こころせ」は期待きたいするですから、そうたちのぼたもちつくろう、という言葉ことばいて、そのできあがるのを期待きたいしたことがわかります。つぎはどこでしょうか。心理しんりですから、「おもひ」に注目ちゅうもくして追跡ついせきすると、「しいださむをちてざらむも、わろかりなむとおもひて」をいだすことができます。ぼたもちつくりあげるのをってないでいるのも、行儀ぎょうぎ見習みならいのとして格好かっこうわるいとおもって、ということです。どもながらに、をつかってたふりをするちご心理しんりるようにわかります。現代げんだい小説しょうせつ場合ばあいおなじですが、主人公しゅじんこう心理しんり追跡ついせきしながらむところにおもしろみがあります。

文法・表現

〜を表す〜(連体修飾)
心理を表す言葉」=「表達心理的詞」。
追跡していくと、〜(連用+條件)
追跡していくと、〜を見つけることができます」=「追蹤下去,能找到…」。
〜は期待する意ですから、〜がわかります(理由+知見)
『心寄せ』は期待する意ですから、〜がわかります」=「『心寄せ』是期待之意,所以可知…」。
〜とも〜ぞ思ふ(複合的引用+強調)
待ちけるかともぞ思ふ」=「恐怕會被認為一直在等」。「もぞ」=不安・心配の係結。
〜のですが〜の児の心情が読み取れます(譲歩+帰結)
のですが〜の心情が読み取れます」=「但…,可以讀取到児的心情」。

中文翻譯

表達児的心理的詞語是哪個呢?追蹤下去,可以找到「心寄せ」。「心寄せ」是「期待」的意思,所以可知児是聽到僧人們「做萩餅」這句話,期待著它做好。下一個是在哪呢?因為是心理,所以注目「思ひ」這個詞。「ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふ」這部分有「思ふ」。意思是「(兒)想:如果只一次就回應,恐怕會被認為一直在等」。從這裡可以讀到「想吃萩餅,但又怕被認為一直在等」這種糾結的児的心情。


言語げんご文化ぶんか #2・3

ちごのそら

学習がくしゅうのねらい
ぼたもちのできあがるのをっていたちごは、あれこれ思案しあんして、さらにたふりをつづけます。結局けっきょくきわめてわるいタイミングで返事へんじをすることになり、そうたちに大笑おおわらいされてしまうのです。ちごそうとのきのおもしろさをあじわいましょう。また、単語たんご分類ぶんるいとその品詞ひんしについてまなんでいきましょう。

文法・表現

〜のを待っていた〜(連体+進行)
できあがるのを待っていた児」=「等候做好的児」。
あれこれ思案して(副詞+連用)
あれこれ思案して」=「東想西想地思考著」。
〜することになり、〜大笑いされてしまうのです(受身的帰結+強調)
することになり、〜されてしまうのです」=「結果變成…,被…」。
〜のおもしろさを味わいましょう(漢語+勧誘)
のおもしろさを味わいましょう」=「讓我們品味…的趣味」。
〜の分類とその品詞について〜理解します(並列+目的)
の分類とその品詞について〜理解します」=「理解…的分類與品詞」。

中文翻譯

【學習目標】等候萩餅做好的児,反覆思量,繼續裝睡。結果在極差的時機回應,被僧人們大笑。讓我們品味児與僧人之間鬥智的趣味。並理解詞語的分類及其品詞。

学習がくしゅうのポイント●

〈1〉ちご心理しんり追跡ついせきつづけ、ちごそうとのきのおもしろさをあじわう
〈二〉単語たんご分類ぶんるい理解りかいする
〈三〉そうわらった理由りゆうかんがえる

文法・表現

〜を続け、〜を味わう(並列の連用)
追跡を続け、おもしろさを味わう」=「繼續追蹤、品味趣味」。
〜の理由を考える(漢語+目的)
笑った理由を考える」=「思考笑的理由」。

中文翻譯

〈一〉繼續追蹤児的心理,品味児與僧人之間鬥智的趣味 〈二〉理解詞語的分類 〈三〉思考僧人們笑的理由

ちご心理しんり追跡ついせきつづけ、
ちごそうとのきのおもしろさをあじわう

文法・表現

(小標題)
小標題

中文翻譯

■繼續追蹤児的心理,品味児與僧人之間鬥智的趣味

前回ぜんかいは、ぼたもちができあがった様子ようすで、そうたちがあつまってさわいでいる、というところまでみました。今回こんかいはそのつづきです。きっとこしてくれるだろうとおもってっていると、想定そうていどおり、「きてください」というそうこえかります。ちごは「うれし」とはおもったものの、もう一度いちどばれたら返事へんじをしようと我慢がまんしてたふりをつづけます。すると、さっきとはぎゃくに、「おこしもうげるな」とべつそううのです。ちごは「あなわびしとおもひて」とあるように、すっかりこまててしまいます。それでも、ちごはもう一度いちどこしてくれよとおもいながらたふりをつづけます。ちご心理しんり非常ひじょうにリアルに表現ひょうげんされている部分ぶぶんです。
そう言葉ことばによって、ちご気持きもちがれる様子ようすや、ちごそうとのきが見事みごとえがされています。これをあじわいましょう。

文法・表現

〜という様子で、〜(連体+並列)
できあがった様子で、騒いでいる」=「做好的樣子、起鬨著」。
〜というところまで読みました(範圍+過去)
というところまで読みました」=「讀到…的地方」。
きっと〜だろう(推量)
きっと起こしてくれるだろう」=「一定會叫醒我吧」。
想定通り、〜(副詞+順接)
想定通り」=「如預期」。
〜ものの、〜(譲歩)
とは思ったものの」=「雖然如此認為,但…」。
〜と思って〜念じて〜(連用+態度)
と思って〜念じて寝たほどに」=「想著…,忍耐地裝睡」。「念じる」=古今異義語「忍耐」。
〜と言うので(理由)
と言うので」=「因為說…」。

中文翻譯

上次讀到「萩餅做好的樣子,僧人們聚集起鬨」的部分。本次接續。児想著「一定會把我叫醒吧」便等候,按預期,「請起來」這樣的僧人的聲音傳來。児雖然認為「うれし(高興)」,但又因為想著「若再被叫一次就應答」而忍耐著裝睡,這時聽到「喂,不要叫醒(少爺)。少爺已經睡著了」的話,便覺得「啊呀、糟了」,繼續忍耐裝睡。

単語たんご分類ぶんるい理解りかいする

言葉ことば最小さいしょう単位たんい単語たんごいます。単語たんごつぎじゅう種類しゅるい品詞ひんし分類ぶんるいされます。

文法・表現

〜を〜と言います(命名)
最小単位を単語と言います」=「把最小單位叫做單詞」。
〜次の〜に分類されます(受身+分類)
に分類されます」=「被分類為」。

中文翻譯

把語言的最小單位叫做「單詞」。單詞被分類為以下十種品詞。

傍線ぼうせん以外いがいは、「ちごのそら」にえるである。一部いちぶしめしている。

文法・表現

〜以外は、〜である(限定+斷定)
以外は、〜である」=「除…之外,是…」。
〜に見える〜(出現の連体)
に見える語」=「可見的詞」。
一部を示している(部分提示)
一部を示している」=「列出一部分」。

中文翻譯

*傍線部以外的詞,是「児のそら寝」中可見的詞。僅列出其中一部分。


言語げんご文化ぶんか #2・3

品詞ひんしなかで、主語しゅごになる名詞めいし体言たいげんともい、単独たんどく述語じゅつごとなる動詞どうし形容詞けいようし形容動詞けいようどうし用言ようげんともいます。
意味いみつうじ、んで不自然ふしぜんにならないように、できるだけちいさく区切くぎった言葉ことば単位たんい文節ぶんせついます。単独たんどくか、付属語ふぞくごをともなって文節ぶんせつになる自立語じりつごい、単独たんどくでは文節ぶんせつにならず、自立語じりつごいて文節ぶんせつ一部いちぶになるものを付属語ふぞくごいます。
用言ようげん動詞どうし形容詞けいようし形容動詞けいようどうし付属語ふぞくご助動詞じょどうし語尾ごび変化へんかします。これを活用かつようするといます。

文法・表現

〜の中で、〜を〜とも言い、〜とも言う(並列+命名)
の中で、〜を体言とも言い、〜を用言とも言う」=「之中,把…叫做體言、…叫做用言」。
〜になる〜(自動詞連体)
主語になる名詞」=「成為主語的名詞」。
単独で〜となる〜(連用+連体)
単独で述語となる動詞」=「單獨成為述語的動詞」。
意味が通じ、〜ないように、できるだけ〜単位(並列+目的+限定)
意味が通じ、不自然にならないように、できるだけ小さく区切った言葉の単位」=「使意義通順、不自然,盡可能小切分的單位」。
〜を〜と言い、〜を〜と言います(並列の命名)
把…叫做X、把…叫做Y
〜のは、〜(強調的主題)
単独では文節になれないのは」=「單獨不能成為文節的,是…」。

中文翻譯

品詞之中,把成為主語的名詞也稱為「體言」,把單獨即成為述語的動詞、形容詞、形容動詞也稱為「用言」。把「意義通順、讀來不顯得不自然,盡可能小地切分的詞語單位」叫做「文節」。把「單獨、或附屬語伴隨而成為文節的詞」叫做「自立語」,把「單獨無法成為文節、必須伴隨自立語的詞」叫做「附屬語」。在自立語、附屬語中,把「語形依需要而變化的詞」叫做「活用語(有活用的詞)」。

今日きょう天気てんきなり(今日きょう天気てんきだ)

単語たんごけると → 今日きょう も き 天気てんき なり
文節ぶんせつけると → 今日きょうも き 天気てんきなり

文法・表現

〜で分けると、〜(条件+帰結)
単語で分けると」=「用單詞分的話」。

中文翻譯

依單詞分→「今日/も/良き/天気/なり」 依文節分→「今日も/良き/天気なり」

自立語じりつご……今日きょうき・天気てんき  付属語ふぞくご……も・なり
活用かつようする活用語かつようご)……き(形容詞けいようし)・なり(助動詞じょどうし

文法・表現

〜・〜・〜(並列)
中黑並列
活用語(活用語)(術語)
有活用變化的詞

中文翻譯

自立語……今日、良き、天気 附屬語……も、なり 活用語……良き(形容詞)、なり(助動詞)

そうわらった理由りゆうかんがえる

そうたちがむしゃむしゃとぼたもちをおいしそうにべるおとまでこえてきます。ちごはもうどうしようもなくて、なが時間じかんがたったあとに、「えい(はい)」と返事へんじをしたので、そうたちは大笑おおわらいしたとうのです。ちごづかいが裏目うらめてしまったというはなしです。そうたちのおおきなわらごえこえてきそうです。
そう行動こうどうちごこころなかおもいとが見事みごとにからみあって、緊張感きんちょうかんつくしています。そして、最後さいごそうたちのわらいによって、その緊張感きんちょうかん一瞬いっしゅんにしてゆるむ、それを見事みごとえがした文章ぶんしょうです。この健康的けんこうてきわらいこそ、世俗せぞく説話せつわなか一般いっぱん人々ひとびと説話せつわ)をおおせる『宇治うぢ拾遺しふゐ物語ものがたり』の魅力みりょくひとつなのです。
ところで、そうたちは最後さいごまでちご空寝そらねづいていなかったのでしょうか。いろいろな解釈かいしゃくができるところです。みなさんもかんがえてみてください。
ここではちご失敗しっぱいえがいていますが、づかいが裏目うらめ失敗しっぱいすることは、現代げんだいでもあることだとおもいます。ここに「ちごのそら」の説話せつわが、古典こてんひとつとして現代げんだいでもがれる秘密ひみつがあるのかもしれません。

文法・表現

〜まで聞こえてきます(範圍+知覺到来)
音まで聞こえてきます」=「連聲音都傳來」。
もうどうしようもなくて(不可能の連用)
もうどうしようもなくて」=「已無計可施」。
〜したと言うのです(強調的伝聞)
大笑いしたと言うのです」=「說是大笑了」。
〜という話です(同格+斷定)
裏目に出てしまったという話です」=「是『顧慮反而招來反效果』的故事」。
〜聞いた児の気持ちはどうなのでしょう(連体+柔軟疑問)
聞いた児の気持ちはどうなのでしょう」=「聽到的児的心情如何呢」。
〜と考えられます(受身的推論)
と考えられます」=「可以這樣考慮」。
〜だとして〜だとして〜(並列の解釈)
〜だとして、〜だとして」=「當作…,或當作…」。
〜から〜を考えてみよう(視角+勧誘)
視点から児の『そら寝』のおかしさを考えてみよう」=「從…的視角思考児的『装睡』的滑稽吧」。

中文翻譯

連僧人們大口大口地、看起來很好吃地吃萩餅的聲音都傳了過來。児已經無計可施,過了很長時間後,回了「えい(嗯)」,因此僧人們大笑——故事如此說。是「児的顧慮反而招來反效果」這樣的故事。 聽到僧人們的大笑聲,児這時的心情會如何呢?「うれし」嗎?應該不會。被裝睡之事識破,更加加深難為情。為什麼僧人們笑了呢?讓我們思考看看。可以想成是「等到萩餅快被吃光的時機才終於回應這份笨拙感」覺得好笑,或是這笑中也含有「我們知道你是醒著的」這份識破感。讓我們從各種視角思考児的「装睡(そら寝)」的滑稽吧。


言語げんご文化ぶんか #2・3

古文こぶん

宇治うぢ拾遺しふゐ物語ものがたり
ちごのそら

講師こうし 吉田よしだ しげる

これもいまむかし比叡ひえやまちごありけり。そうたち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひせむ。」とひけるを、このちごこころよせにきけり。さりとて、しいださむをちてざらむも、わろかりなむとおもひて、かたかたにりて、たるよしにて、いでくるをちけるに、すでにしいだしたるさまにて、ひしめきあひたり。

文法・表現

これも今は昔(物語冒頭定型)
これも今は昔」=「這個現在算起來也是從前」。宇治拾遺物語的開頭定型。
〜ありけり(過去伝聞)
児ありけり」=「有過児」。
よひのつれづれに(連体+場面)
よひのつれづれに」=「夜晚的閒暇中」。
いざ、〜せむ(勧誘)
いざ、かいもちひせむ」=「來吧,做萩餅吧」。「せむ」=サ變動詞「す」+意志「む」。
〜けるを、〜けり(過去連体+過去終止)
言ひけるを、聞きけり」=「說的(事),(児)聽到了」。
心よせに(連用)
心よせに聞きけり」=「帶著期待聽到」。
さりとて、〜(接續詞)
さりとて」=「話雖如此」。
〜さむを待ちて〜ざらむも、わろかりなむ(推量+打消推量+強意推量)
しいださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむ」=「等候做好而不睡,恐怕也是不好的吧」。三重助動詞構造。
〜寄りて、〜よしにて、〜(連用連鎖)
かたかたに寄りて、寝たるよしにて、いでくるを待ちける」=「靠近角落,裝睡,等候出來」。「よし」=「樣子、ふり」。
すでに〜たるさまにて、〜たり(完了+様態+存続)
すでにしいだしたるさまにて、ひしめきあひたり」=「已經做好的樣子,擁擠騷動著」。

中文翻譯

(古文原文)これも今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、よひのつれづれに、「いざ、かいもちひせむ。」と言ひけるを、この児、心よせに聞きけり。さりとて、しいださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、かたかたに寄りて、寝たるよしにて、いでくるを待ちけるに、すでにしいだしたるさまにて、ひしめきあひたり。

このちご、さだめておどろかさむずらむとちゐたるに、そうの、「ものもうしさぶらはむ。おどろかせたまへ。」とふを、うれしとはおもへども、ただ一度いちどにいらへむも、ちけるかともぞおもふとて、いまひとこゑばれていらへむと、ねんじてたるほどに、「や、なこしたてまつりそ。おさなひと寝入ねいりたまひにけり。」とふこゑのしければ、あなわびしとおもひて、いま一度いちどこせかしとおもけば、ひしひしとただひにおとしければ、ずちなくて、無期むごののちに、「えい。」といらへたりければ、そうたちわらふことかぎりなし。

文法・表現

さだめて〜らむ(推量副詞+現在推量)
さだめて〜らむ」=「必定…吧」。
おどろかさむずらむ(複合助動詞)
おどろかさむずらむ」=「應該會叫醒(我)吧」。「むず」=意志推量;「らむ」=現在推量。
〜ゐたるに(存続+逆接時間)
待ちゐたるに」=「正等候時」。「ゐる」=狀態的存續。
もの申しさぶらはむ(謙譲+意志)
もの申しさぶらはむ」=「有事相告」。
おどろかせたまへ(雙重敬語+命令)
おどろかせたまへ」=「請您醒醒」。
〜ども(已然形+逆接)
うれしとは思へども」=「雖然認為高興」。
〜ともぞ思ふ(係結+不安)
待ちけるかともぞ思ふ」=「怕被認為一直在等」。
〜とて(引用+目的)
とて」=「因為…而」。
〜と、念じて〜(連用+態度)
と、念じて寝たるほどに」=「於是忍耐裝睡,當這時…」。「念じる」=古今異義語「忍耐」。
や、な〜そ(呼びかけ+禁止)
や、な起こしたてまつりそ」=「喂,不要叫醒(少爺)」。「な〜そ」=禁止構文。
〜たてまつる(謙譲補助動詞)
起こしたてまつりそ」=「叫醒(少爺)」。「たてまつる」=表對動作對象的敬意。
〜にけり(完了+過去)
寝入りたまひにけり」=「已經睡著了」。
〜のしければ、〜(過去+確定條件)
言ふ声のしければ、あなわびしと思ひて」=「聲音傳來,便覺得糟糕」。
〜かし(強意の終助詞)
起こせかし」=「叫醒(我)啊!」。「かし」=強調願望。
ずちなくて(連用形)
ずちなくて」=「無計可施地」。
無期ののちに(漢語+時間)
無期ののちに」=「長時間之後」。
〜たりければ、〜笑ふこと限りなし(過去條件+程度)
いらへたりければ、笑ふこと限りなし」=「因為回應了,於是笑得無止無境」。

中文翻譯

(古文原文續)この児、さだめておどろかさむずらむと待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」と言ふを、うれしとは思へども、ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、いまひとこゑ呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入りたまひにけり。」と言ふ声のしければ、あなわびしと思ひて、いま一度起こせかしと、思ひ寝に聞けば、ひしひしと、ただ食ひに食ふ音のしければ、ずちなくて、無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち笑ふこと限りなし。

宇治うぢ拾遺しふゐ物語ものがたり

現代げんだい語訳ごやく

これもいまむかし比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじちご〔が〕いた。そうたち〔が〕、よる退屈たいくつさに、「さあ、ぼたもち〔を〕つくろう。」とった〔の〕を、このちご〔は〕、期待きたいしていた。そうかといって、つくりあげる〔の〕をってないでいる〔の〕も、きっとよくないだろうとおもって、〔部屋へやの〕片隅かたすみって、ているふりで、できあがる〔の〕をっていたところ、はやくもつくりあげた様子ようすで、〔そうたちが〕あつまってさわいでいる。
このちご〔は〕、きっと〔そうたちが自分じぶんを〕こしてくれるだろうとっていると、そうが、「もしもし。おきなさい。」とう〔の〕を、〔ちごは〕うれしいとはおもうが、たった一度いちどこたえる〔の〕も、っていたかと〔そうたちが〕おもうといけないとかんがえて、もう一度いちどばれて〔から〕こたえようと、我慢がまんしてているうちに、「おい、おこしもうげるな。おさなひと寝入ねいりなさってしまったよ。」とこえがしたので、〔ちごは〕ああこまったとおもって、もう一度いちどこしてくれよとおもいながらいていると、むしゃむしゃとただひたすらべるおとがしたので、どうしようもなくて、なが時間じかんがたったあとに、「はい。」とこたえたので、そうたち〔が〕わらうこと〔は〕このうえない。
*〔 〕ない言葉ことばは、「現代げんだい語訳ごやくするさい注意点ちゅういてん」にしたがっておぎなったもの。

文法・表現

〔が〕、〔の〕、〔を〕(補い訳の括弧)
現代語訳中以〔〕補上古文省略的助詞
〜と言った〔の〕を、〜〔は〕、〜聞いた(補い訳)
現代語化以保留古文意義的同時加入助詞。
そうかといって、〜(接續詞)
そうかといって」=「話雖如此」。
〜のも、きっと〜だろう(推量)
のも、きっと〜だろう」=「…的,恐怕也…吧」。
〜と思って、〜(連用+帰結)
と思って、〜寄って」=「想著,靠近」。
〜様子で、〜(場面)
装って、〜出てくる〔の〕を待っていたところ」=「裝著…,等候出來」。

中文翻譯

(現代語譯)這個現在算起來也是從前,在比叡山延曆寺有〔一個〕児。僧人們在夜的閒暇中說了「來吧,做〔個〕萩餅吧」這話,這個児〔則〕期待地聽著。話雖如此,等做好而不睡也(一定是)不好的,於是想到便靠到〔房間〕角落,裝著睡覺的樣子,等候做好出來,正當這時,已經做好的樣子,(僧人們)集中起鬨著。