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言語文化 講義
第1回 古文に親しむ
第2-3回 宇治拾遺物語 児のそら寝
第4回 今鏡 用光と白波
第5-6回 宇治拾遺物語 絵仏師良秀
第7-8回 さくらさくらさくら(俵 万智)
第9回 ●言語活動 「“花”といえば“桜”?」
第10-11回 「美しい」ということ(赤木明登)
第12回 徒然草 亀山殿の御池に
第13-14回 徒然草 奥山に、猫またといふものありて
第15回 雪のおもしろう降りたりし朝
第16回 今日はそのことをなさんと思へど
第17回 ●古文の窓 「兼好法師、こんな一面も」
第18-19回 枕草子 うつくしきもの
第20回 ●訓読の基本 (1) 訓読
第21回 ●訓読の基本 (2) 格言
第22回 故事成語 「守株」 (韓非子)
第23回 故事成語 「五十歩百歩」 (孟子)
第24回 故事成語 「借虎威」 (戦国策)
第25-26回 柳あをめる(短歌)
第27-28 回 雪の深さを(俳句)
第29回 ●短歌・俳句の読み方
第30回 折々のうた 万葉集
第31回 折々のうた 古今和歌集
第32回 折々のうた 新古今和歌集
第33回 折々のうた 梁塵秘抄・閑吟集
第34回 ●言語活動 「短歌を作る」
第35回 漢詩 「春暁」 (孟浩然)
第36回 漢詩 「黄鶴楼送孟浩然之広陵」 (李白)/「涼州詞」 (王翰)
第37回 漢詩 「春望」 (杜甫)
第38回 ●漢詩と日本文学
第39-41回 とんかつ (1-3) (三浦哲郎)
第42-44回 雨漏りの音 (1-3) (長嶋 有)
第45回 ●小説の読み方
第46回 羅生門 (1) (芥川龍之介)
第47-48回 羅生門 (2-3) (芥川龍之介)
第49-50回 羅生門 (4-5) (芥川龍之介)
第51回 ●言語活動 「元になった古典作品と読み比べよう」
第52-53回 伊勢物語 芥川
第54-55回 伊勢物語 筒井筒
第56回 ●言語活動 「和歌を自分の言葉で書き換える」
第57回 平家物語 木曽の最期 (1)
第58回 平家物語 木曽の最期 (2)
第59回 平家物語 木曽の最期 (3)
第60回 ●古文の窓 「平家物語」のあらまし
第61回 論語 学ぶということ
第62回 論語 人間を見つめる
第63回 論語 政治を考える
第64回 「論語」の注釈を読む
第65回 冬が来た (高村光太郎)
第66回 少年の日 (佐藤春夫)
第67回 I was born (吉野 弘)
第68回 ●言語活動 「歌詞の意味や表現技法について考えよう」
第69回 奥の細道 旅立ち
第70回 奥の細道 平泉
第71回 ●言語活動 「文学碑を調べる」
第72回 ●言語活動 「古典芸能へのいざない」
第73回 三国志 「曹公戦於白馬」
第74回 三国志 「曹公以関羽為義」
第75回 世説新語 「魏武捉刀」
第76回 ●言語活動 「三国志のあらまし」
第77-78回 夢十夜 (1-2) (夏目漱石)
第79-80回 夢十夜 (3-4) (夏目漱石)
第81-83回 デューク (1-3) (江國香織)
第84回 ●現代文の窓 「小説へのいざない」
↔ 逐字稿
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【一いち 】うつくしきもの
学習がくしゅう のねらい
『枕草子まくらのそうし 』第百四十五段だいひゃくよんじゅうごだん の前半ぜんはん を読みますよみます 。作者さくしゃ は「うつくしきもの」としてどのようなものを挙げあげ 、それに対してどのような思いおもい を持っているもっている かを読み解きますよみときます 。文法ぶんぽう 事項じこう では、助詞じょし の働きはたらき について理解りかい を深めますふかめます 。
さらに、平安時代へいあんじだい に「うつくし」という語ご がどのような意味いみ で用いられたもちいられた かを学びまなび 、その後あと の意味いみ の変遷へんせん を追跡するついせきする ことで、時代じだい とともに変化するへんかする 言葉ことば について考えてかんがえて みましょう。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜の前半を読みます(敬体) 「前半を読みます 」=「讀…前半 」。 〜として〜を挙げ、〜を持っているかを読み解きます(資格+疑問内包) 「として 〜を挙げ 、〜を持っているかを読み解きます 」=「作為…列舉 ,解讀其感受 」。 〜について理解を深めます(漢語+格助詞) 「はたらきについて理解を深めます 」=「加深對作用的理解 」。 〜の語の意味を考え、〜を確認します(並列) 「意味を考え、変遷を確認します 」=「思考意義、確認變遷 」。 中文翻譯 本回閱讀《枕草子》第一四五段的前半。讀取作者列舉了什麼東西作為「うつくしきもの」、又對其抱持怎樣的感情。在文法方面,加深對助詞作用的理解。同時,思考「うつくし」一詞的意義,並確認其隨時代而變遷的過程。
●学習がくしゅう のポイント●
〈一いち 〉第三段落だいさんだんらく までの内容ないよう を読み取るよみとる
〈二に 〉助詞じょし の働きはたらき を知るしる
〈三さん 〉「うつくし」の語ご の意味いみ を考えかんがえ 、時代じだい による語ご の意味いみ の変遷へんせん を確認するかくにんする
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜までの〜(範圍) 「第三段落までの 内容」=「到第三段為止的 內容」。 〜による語の意味の変遷(漢語連体修飾) 「時代による 語の意味の変遷 」=「因時代而異的 語義變遷」。 中文翻譯 〈一〉讀取至第三段為止的內容
〈二〉了解助詞的作用
〈三〉思考「うつくし」一詞的意義,確認語義隨時代的變遷
■第三段落だいさんだんらく までの内容ないよう を読み取るよみとる
「うつくしきもの」の前半ぜんはん を読みよみ 、作者さくしゃ がどのようなものに「うつくし」と感じているかんじている かを確認しますかくにんします 。また、作者さくしゃ の観察眼かんさつがん の鋭さするどさ を理解するりかいする とともに、それをどのように表現してひょうげんして いるか、注意ちゅうい しながら学んでまなんで いきましょう。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜を読み、〜を確認します(連用+目的) 「を読み 、を確認します 」=「讀並確認 」。 どのようなものに〜と感じているか(疑問内包) 「どのようなものに 『うつくし』と感じているか 」=「對什麼樣的東西感到 『うつくし』」。 〜とともに、〜(並列の進行) 「観察眼の鋭さを理解するとともに 、表現を学ぶ」=「同時 理解觀察與表達」。 〜ながら、学んでいきましょう(並行+勧誘) 「注意しながら、学んでいきましょう 」=「注意一邊一邊學下去吧 」。 中文翻譯 閱讀「うつくしきもの」的前半,確認作者把怎樣的東西感受為「うつくし」。同時,理解作者觀察力的敏銳,並注意她是如何表達的——一起來學習吧。
【重要語句じゅうようごく 】
うつくし (形容詞けいようし ) ……………… かわいらしい。
をかしげなり (形容動詞けいようどうし ) ……… 風情ふぜい がある。かわいらしい。美しいうつくしい 。
あからさまなり (形容動詞けいようどうし ) …… ちょっとだ。急だきゅうだ 。
らうたし (形容詞けいようし ) ……………… かわいらしい。大切にたいせつに してやりたい。
■助詞じょし の働きはたらき を知るしる
前まえ に学んだまなんだ ように、助詞じょし は付属語ふぞくご に属しますがぞくしますが 、助動詞じょどうし とは異なりことなり 活用がかつようが ありません。助詞はじょしは ほかの語やごや ほかの文節ぶんせつ との関係をかんけいを 示したりしめしたり 、それらに一定のいっていの 意味をいみを 添えたりそえたり する働きをはたらきを します。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜ように、〜(既知の引用) 「前に学んだように 、〜」=「如先前所學 ,…」。 〜に属しますが、〜とは異なり〜(対比) 「付属語に属しますが 、助動詞とは異なり 活用がありません」=「屬於 附屬語,但與 助動詞不同 ,無活用」。 〜たり、〜たり〜(並列の機能) 「関係を示したり 、意味を添えたりする 」=「表示關係 、或添加意義 」。 〜働きをします(機能の動詞句) 「働きをします 」=「起到…作用 」。 中文翻譯 如同先前所學,助詞屬於「附屬語」,但與助動詞不同,沒有活用。助詞的作用,是表示與其他詞語或文節之間的關係,或為它們添加某種意義。
格助詞かくじょし (主としてしゅとして 体言にたいげんに 付きつき 、その体言がたいげんが どのような働きをはたらきを するかを示すしめす )
主格しゅかく : 主語のしゅごの 働きはたらき ……… 雀のすずめの 子のこの ・襷たすき 結ひゆい たるが
連体修飾格れんたいしゅうしょくかく : 体言をたいげんを 修飾するしゅうしょくする 働きはたらき …… 児のちごの 顔かお ・雛のひいなの 調度ちょうど
同格どうかく : 前後のぜんごの 語句がごくが 同じおなじ 働きはたらき ……… 蓮のはちすの 浮き葉のうきはの いと小さきちいさき を
接続助詞せつぞくじょし (用言ようげん または助動詞にじょどうしに 付きつき 、前後のぜんごの 文節をぶんせつを 接続するせつぞくする 働きはたらき )
順接じゅんせつ : 順当にじゅんとうに 後のあとの 事柄がことがらが 起こるおこる 関係かんけい …… 目ざとにめざとに 見つけてみつけて
打消のうちけしの 接続せつぞく : 打消うちけし (否定ひてい )の意味をいみを 持つもつ ……… かきはやらで
係助詞かかりじょし (語にごに 付いてついて 意味をいみを 添えるそえる 働きはたらき 。係り結びかかりむすび となるものもある)
ぞ・なむ(強意きょうい )、や・か(疑問ぎもん または反語はんご ) → 結びのむすびの 語がごが 連体形とれんたいけいと なる。
こそ(強意きょうい ) → 結びのむすびの 語がごが 已然形といぜんけいと なる。
は・も → 結びのむすびの 語形ごけい 変化はへんかは ない。頭はあたまは 尼そぎあまそぎ なる。歩くもありくも 、うつくし。
副助詞ふくじょし (語にごに 付いてついて 意味をいみを 添えるそえる 働きはたらき ) …… 三つみっつ ばかりなる・物などものなど 見たるもみたるも
■「うつくし」の語のごの 意味をいみを 考えかんがえ 、時代にじだいに よる語のごの 意味のいみの 変遷をへんせんを 確認するかくにんする
我々のわれわれの 用いるもちいる 言葉もことばも 重要なじゅうような 言語げんご 文化のぶんかの 一つですひとつです 。「うつくし」という語のごの 意味のいみの 変遷をへんせんを 考えますかんがえます 。『万葉集まんようしゅう 』の時代ではじだいでは 、「うつくし」は妻やつまや 子などこなど 肉親ににくしんに 対してたいして 「かわいい」という感情をかんじょうを 表すあらわす 言葉としてことばとして 用いられましたもちいられました 。それが、『枕草子まくらのそうし 』の時代にじだいに なると、対象がたいしょうが 広がりひろがり 、かわいらしいものに対して「うつくし」と表現しましたひょうげんしました 。それが、江戸時代えどじだい 直前のちょくぜんの 頃にはころには 、自然のしぜんの 美やびや 人工的なじんこうてきな 美をびを 含めてふくめて 「うつくし」が用いられたもちいられた ようです。そして、現代ではげんだいでは 、美一般にびいっぱんに 対してたいして 「うつくしい」が使われるようにつかわれるように なりました。
平安時代へいあんじだい 「うつくし」とほぼ同じおなじ 意味でいみで 用いられたもちいられた 「らうたし」は現代ではげんだいでは ほとんど使われませんつかわれません 。このように時代のじだいの 推移にすいいに ともなって、語のごの 意味がいみが 変わったりかわったり 、語のごの 使用しよう 頻度がひんどが 変化したりへんかしたり することを学びましょうまなびましょう 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜も〜の一つです(並列+分類) 「言葉も 重要な言語文化の一つです 」=「詞語也是 重要的語言文化之一 」。 〜の時代では、〜という意味で用いられた(時代+受身) 「『万葉集』の時代では 、〜として用いられました 」=「在…時代 ,被用作 …」。 〜になると、〜が広がります(時代変化+拡大) 「平安時代以後になると 、意味が広がります 」=「到了…時代 ,意義擴展 」。 さらに〜になり、〜(程度の追加) 「さらに 意味の幅が広くなり 、〜含まれる 」=「進一步 變廣,包含… 」。 〜になると、ほとんど〜の意味で用いられる(範圍限定) 「現代になると 、ほとんど 『美』の意味で用いられる 」=「到了現代,幾乎只 用於『美』之意」。 〜ことが分かります(受身的理解) 「変化する ことが分かります 」=「可知 會變化」。 中文翻譯 我們所使用的詞語也是重要的「語言文化」之一。讓我們來思考「うつくし」一詞意義的變遷。在《萬葉集》的時代,「うつくし」是表達對妻子、孩子等親屬「可愛」之情的詞。到了平安時代以後,意義有所擴展,廣泛被用於對嬰兒或小東西等覺得「可愛」之意。其後再進一步擴展,到了《徒然草》的時代,加上了「美麗」、「好的、優秀」等意義。到了現代,「美しい」幾乎只在「美麗的」意義下使用。從這個例子也可以知道,詞語的意義並非永恆不變,而是會隨著時代而變化。
【二に 】うつくしきもの
学習がくしゅう のねらい
『枕草子まくらのそうし 』第百四十五段だいひゃくよんじゅうごだん の後半をこうはんを 読みよみ 、作者のさくしゃの 考えるかんがえる 「うつくしきもの」にどのようなものがあるか、それをどのように表現してひょうげんして いるかを学びましょうまなびましょう 。また、『枕草子まくらのそうし 』が内容的にないようてきに 三つにみっつに 大別されるたいべつされる ことを理解しりかいし 、同じおなじ 随筆であるずいひつである 『徒然草つれづれぐさ 』と比較してひかくして 、どのようなところに特色がとくしょくが あるのかを学びますまなびます 。さらに、作者さくしゃ 清少納言がせいしょうなごんが どのような人物であったかをじんぶつであったかを 考えてかんがえて みましょう。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜の考える〜(連体修飾節) 「作者の考える 『うつくしきもの』」=「作者所想的 『可愛之物』」。 〜にどのようなものがあるか、〜(疑問内包の連鎖) 「に どのようなものがあるか 、〜どのように表現しているか 」=「有什麼 、如何表達 」。 〜が〜に大別されることを理解する(受身+分類) 「三つに大別されることを理解する 」=「理解被大別為三類 」。 〜との違いを知る(並列+対比) 「『徒然草』との違いを知る 」=「了解與…的差異 」。 中文翻譯 閱讀《枕草子》第一四五段的後半,學習作者所說的「うつくしきもの」有哪些、又是如何表達的。同時,理解《枕草子》在內容上可大致分為三類,並了解它與同為隨筆的兼好法師《徒然草》之間的差異。
●学習がくしゅう のポイント●
〈一いち 〉第四だいよん ・第五段落のだいごだんらくの 内容をないようを 読み取るよみとる
〈二に 〉『枕草子まくらのそうし 』と随筆ずいひつ 文学にぶんがくに ついて知るしる
〈三さん 〉清少納言がせいしょうなごんが どのような人物であったかじんぶつであったか 理解するりかいする
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜について知る/〜を読み取る(並列) 「について知る 」「を読み取る 」=「了解、讀取 」。 〜がどのような〜であったか理解する(疑問内包+過去) 「清少納言がどのような人物であったか理解する 」=「理解…是怎樣的人物 」。 中文翻譯 〈一〉讀取第四、第五段的內容
〈二〉了解《枕草子》與隨筆文學
〈三〉理解清少納言是怎樣的人物
■第四だいよん ・第五段落のだいごだんらくの 内容をないようを 読み取るよみとる
文章のぶんしょうの 後半をこうはんを 読みよみ 、「うつくしきもの」としてどのようなものが列挙されてれっきょされて いるのか、また、それがどのように表現されてひょうげんされて いるのかを読み取りますよみとります 。それを通じてつうじて 、作者のさくしゃの 卓抜なたくばつな 表現力にひょうげんりょくに ついて学びますまなびます 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜として〜が列挙されているのか(受身+疑問内包) 「として どのようなものが列挙されているのか 」=「作為…,列舉了什麼 」。 〜を通じて、〜を学びます(手段+目的) 「それを通じて 、表現力を学びます 」=「透過此 ,學習 表達力」。 卓抜な〜(漢語形容動詞) 「卓抜な 表現力」=「卓越的 表達力」。 中文翻譯 閱讀文章的後半,讀取作為「うつくしきもの」列舉了什麼、是如何表達的。透過此,學習作者卓越的表達力。
【重要語句じゅうようごく 】
文ふみ (名詞めいし ) …… 漢文のかんぶんの 書物しょもつ 。手紙てがみ 。漢詩文かんしぶん 。
いみじ (形容詞けいようし ) …… (程度がていどが )はなはだしい。
■『枕草子まくらのそうし 』と随筆ずいひつ 文学にぶんがくに ついて知るしる
『枕草子まくらのそうし 』にはおよそ三百のさんびゃくの 章段がしょうだんが あり、それを内容にないように よって大別するとたいべつすると 次のつぎの 三つにみっつに 分類されますぶんるいされます 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜にはおよそ〜があり(概数+存在) 「には およそ三百の章段があり 」=「約有 三百個章段」。 〜によって大別すると、〜に分類されます(手段+受身) 「内容によって大別すると 、三つに分類されます 」=「依內容大別,分為三類 」。 中文翻譯 《枕草子》中約有三百個章段,依內容大別可分為以下三類。
類聚的るいじゅうてき 章段しょうだん (「ものづくし」) … 「うつくしきもの」のように「……のもの」型のかたの 章段としょうだんと 、「星はほしは 」「猫はねこは 」のように「……は」型のかたの 章段とがしょうだんとが あり、全章段のぜんしょうだんの およそ半数をはんすうを 占めますしめます 。
日記的にっきてき 章段しょうだん … 中宮ちゅうぐう 定子にていしに 仕えたつかえた 清少納言がせいしょうなごんが 見聞したりけんぶんしたり 、経験したりけいけんしたり したことを回想してかいそうして 書かれたかかれた 章段ですしょうだんです 。自慢話的なじまんばなしてきな 話もはなしも 含まれますふくまれます 。
随想的ずいそうてき 章段しょうだん … 自然をしぜんを 観察しかんさつし 、スケッチ風にふうに 書いたかいた ものや、ある出来事にできごとに 取材してしゅざいして 自由にじゆうに 書いたかいた 章段ですしょうだんです 。作者のさくしゃの 鋭いするどい 観察眼がかんさつがんが 想像されますそうぞうされます 。
随筆ずいひつ 文学とぶんがくと 呼ばれるよばれる ものの中で、平安時代にへいあんじだいに 書かれたかかれた 『枕草子まくらのそうし 』と、鎌倉時代のかまくらじだいの 末期にまっきに 書かれたかかれた 兼好けんこう 法師のほうしの 『徒然草つれづれぐさ 』とが双璧ですそうへきです 。「枕草子まくらのそうし 」には華やかなはなやかな 宮廷きゅうてい 生活のせいかつの 様子やようすや 作者のさくしゃの 美意識がびいしきが 表れていますしあらわれていますし 、「徒然草つれづれぐさ 」には作者のさくしゃの 考えやかんがえや 思想がしそうが 表現されてひょうげんされて いると考えられますかんがえられます 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜と呼ばれるもの(受身連体修飾) 「と呼ばれるもの 」=「被稱為 …的東西 」。 〜に書かれた〜(受身連体) 「平安時代に書かれた 『枕草子』」=「寫於 平安時代的 《枕草子》」。 〜とが双璧です(並列+評価) 「〜とが双璧です 」=「…兩者並列為雙璧 」。「双璧」=並列的兩大名作。 〜が表れていますし、〜(並列+並列) 「『枕草子』には 〜が表れていますし 、『徒然草』には 〜」=「《枕草子》中展現…,《徒然草》中… 」。 〜が見られます(受身的表現) 「が見られます 」=「可以見到 」。 中文翻譯 在被稱為「隨筆文學」者之中,平安時代寫成的《枕草子》,與鎌倉時代末期兼好法師寫成的《徒然草》並列為雙璧。《枕草子》中可窺見華麗宮廷生活的樣貌與作者的美意識;《徒然草》則展現出兼好對人生的深思熟慮。
『枕草子まくらのそうし 』豆知識まめちしき
① 『枕草子まくらのそうし 』の書かれたかかれた 十一世紀じゅういっせいき 初めのはじめの ころは、宮仕えのみやづかえの 経験がけいけんが ある女性たちがじょせいたちが 活躍したかつやくした 時代ですじだいです 。女性のじょせいの 書いたかいた 世界せかい 最古のさいこの 長編ちょうへん 物語ともものがたりとも 言われるいわれる 『源氏物語げんじものがたり 』を書いたかいた 紫式部やむらさきしきぶや 歌人としてかじんとして 知られるしられる 和泉式部がいずみしきぶが 有名ですゆうめいです 。
② この時代のこのじだいの 女性のじょせいの 活躍はかつやくは 、世界的にせかいてきに 見てもみても 珍しいめずらしい ことです。
③ 『枕草子まくらのそうし 』や『源氏物語げんじものがたり 』は各国のかっこくの 言語にげんごに 翻訳されほんやくされ 、現代でもげんだいでも 広くひろく 読まれていますよまれています 。
④ 清少納言にはせいしょうなごんには 橘則長たちばなののりなが という男子とだんしと 、のち藤原ふじわら 彰子にしょうしに 女房としてにょうぼうとして 仕えつかえ 、小馬命婦こまのみょうぶ と呼ばれたよばれた 女子がじょしが いました。二人ふたり の子もこも 勅撰ちょくせん 和歌集にわかしゅうに 歌がうたが 撰ばれたえらばれた 歌人としてかじんとして 知られていますしられています 。
⑤ 清少納言のせいしょうなごんの 晩年のばんねんの ことですが、鎌倉時代かまくらじだい 成立のせいりつの 『古事談こじだん 』という説話せつわ 集にはしゅうには 、若いわかい 貴族たちがきぞくたちが 清少納言のせいしょうなごんの 家のいえの 前をまえを 通るとおる 時にときに 、「落ちぶれたおちぶれた もんだなあ」と声をこえを 掛けるとかけると 、鬼のおにの ような形相のぎょうそうの 尼姿であまずがたで 顔をかおを 出しただした 清少納言がせいしょうなごんが 「すぐれた者ならものなら 、骨だってほねだって 大切にたいせつに するよ。ここでも漢文をかんぶんを 踏まえてふまえて 、そんな心がけこころがけ ではえらくなれないね」とやり返したかえした 話がはなしが 載っていますのっています 。清少納言のせいしょうなごんの 意地をいじを 感じさせるかんじさせる 説話ですせつわです 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜の書かれた〜(受身連体) 「『枕草子』の書かれた 十一世紀」=「《枕草子》寫成的 十一世紀」。 〜とも言われる〜(受身+並称) 「世界最古の長編物語とも言われる 『源氏物語』」=「也被稱為 世界最古長篇物語的 《源氏物語》」。 〜として知られる〜(資格+受身) 「歌人として知られる 和泉式部」=「身為歌人聞名的 和泉式部」。 〜にあたる〜(家族関係) 「中心人物にあたる 」=「相當於 中心人物」。 〜のなかで育ち、〜として頭角を現し(複合動詞) 「環境のなかで育ち 、として頭角を現し 」=「在…環境下成長 、嶄露頭角 」。 〜を任じられました(受身+敬語) 「を任じられました 」=「被任命為 」。 〜十年ほどお仕えして、〜記しています(時間+並列動作) 「お仕えして 、記しています 」=「侍奉 、記下 」。謙譲+並列 。 中文翻譯 ①《枕草子》寫成的十一世紀初期,是有宮中侍奉經驗的女性活躍的時代。被稱為世界最古長篇物語的《源氏物語》作者紫式部,以及身為知名歌人的和泉式部都很有名。
②清少納言之父——清原元輔,是和歌名集《後撰和歌集》的編者,是當時和歌界的中心人物。在這樣的家庭背景下成長,清少納言自身也作為精通和歌的文人嶄露頭角,被中宮定子任命為侍從。她侍奉定子大約十年,記下了當時的宮廷生活。
③《枕草子》是平安朝宮廷文學的代表作品,是了解當時宮廷生活與女性才華的珍貴記錄。
【第百四十五段だいひゃくよんじゅうごだん 】 本文ほんぶん
うつくしきもの、瓜うり にかきたる児ちご の顔かお 。雀のすずめの 子のこの 、ねず鳴きなき するに踊りをどり 来るくる 。二つふたつ 三つみつ ばかりなる児のちごの 、急ぎていそぎて 這ひはひ 来るくる 道にみちに 、いと小さきちいさき 塵ちり のありけるを、目ざとにめざとに 見つけてみつけて 、いとをかしげなる指および にとらへて、大人おとな ごとに見せたるみせたる 、いとうつくし。頭はかしらは 尼そぎあまそぎ なる児のちごの 、目にめに 髪のかみの おほへるを、かきはやらで、うちかたぶきて物などものなど 見たるもみたるも 、うつくし。
大きにはおほきには あらぬ殿上童のてんじやうわらはの 、装束さうぞく きたてられて歩くもありくも 、うつくし。をかしげなる児のちごの 、あからさまに抱きていだきて 、遊ばしあそばし うつくしむほどに、かいつきて寝たるねたる 、いとらうたし。
雛のひひなの 調度てうど 。蓮のはちすの 浮き葉のうきはの いと小さきをちひさきを 、池よりいけより 取り上げたるとりあげたる 。葵のあふひの いと小さきちひさき 。何も何もなにもなにも 、小さきものはちひさきものは 、みなうつくし。
いみじう白くしろく 肥えたるこえたる 児のちごの 、二つふたつ ばかりなるが、二藍のふたあゐの 薄物うすもの など、衣きぬ 短くてみじかくて 襷たすき 結ひゆひ たるが、這ひ出でたるもはひゐでたるも 、また、短きがみじかきが 袖がちなるそでがちなる 着てきて 歩くもありくも 、みなうつくし。八つやつ 、九つここのつ 、十ばかりとをばかり などの男の子のをのこのこの 、声はこゑは 幼げにをさなげに て文ふみ 読みたるよみたる 、いとうつくし。
鶏のかけの 雛のひなの 、足高にあしだかに 、白うしらう をかしげに、衣きぬ 短かなるみじかなる さまして、ひよひよと、かしかましう鳴きてなきて 、親のおやの 後しり 、また、先にさきに 立ちてたちて 歩くもありくも 、をかし。かりのこ。瑠璃のるりの 壺つぼ 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 うつくしきもの(連体止め+名詞) 「うつくしきもの 」=「可愛之物 」。體言止め ,清少納言類聚段的開頭定型。 〜にかきたる〜(受身連体) 「瓜にかきたる 児の顔」=「畫在 瓜上的 幼兒臉」。 〜の、〜するに〜来る(連体+順接) 「雀の子の 、ねず鳴きするに 踊り来る 」=「麻雀小子,學鼠叫便跳跳地過來 」。「の 」=主格/同格;「に 」=順接。 〜ばかりなる〜(程度) 「二つ三つばかりなる 児」=「大約二、三歲的 幼兒」。 〜ありけるを、目ざとに〜(過去連体+逆接) 「塵のありけるを 、目ざとに見つけて」=「有了灰塵,立刻機警地發現 」。 いとをかしげなる〜(強調+連体) 「いとをかしげなる 指」=「非常可愛的 手指」。 〜大人ごとに見せたる(受益+並列) 「大人ごとに見せたる 」=「給每個大人看 」。 頭は尼そぎなる児(連体) 「尼そぎ 」=「尼姑式 髮型,齊耳短髮」。古代幼兒的常見髮型。 〜のおほへるを、〜で、〜たる(連用+逆接+存続) 「髪のおほへるを 、かきはやらで 、〜見たる 」=「頭髮蓋住眼, 不撥開, 看著」。「で 」=打消連用。 〜にはあらぬ〜(連体+打消) 「大きにはあらぬ 殿上童」=「不太大的 殿上童(在宮中侍奉的少年)」。 装束きたてられて(受身+連用) 「装束きたてられて 」=「被打扮起來 」。 〜抱きて遊ばしうつくしむ(多重連用) 「抱きて遊ばしうつくしむ 」=「抱起來逗弄、疼愛 」。 かいつきて寝たる(連用+存続) 「かいつきて寝たる 」=「緊緊抱住睡著 」。 らうたし(古典形容詞) 「らうたし 」=「令人憐愛、可愛得讓人想呵護 」。 雛の調度(体言止め) 「雛の調度 」=「玩具人偶的用具 」。名詞での列舉 。 〜のいと小さきを、〜取り上げたる(連体+過去) 「浮き葉のいと小さきを 、取り上げたる 」=「把很小的浮葉拿起來 」。 何も何も、〜は皆〜(総括) 「何も何も 、小さきものは皆 うつくし」=「無論什麼 ,小東西都 很可愛」。 中文翻譯 (古文原文)うつくしきもの、瓜にかきたる児の顔。雀の子の、ねず鳴きするに踊り来る。二つ三つばかりなる児の、急ぎて這ひ来る道に、いと小さき塵のありけるを、目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人ごとに見せたる。いとうつくし。頭は尼そぎなる児の、目に髪のおほへるをかきはやらで、うちかたぶきてものなど見たるも、うつくし。大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられて歩くもうつくし。をかしげなる児のあからさまに抱きて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。雛の調度。蓮の浮き葉のいと小さきを、池より取り上げたる。葵のいと小さき。何も何も、小さきものは皆うつくし。
【現代語訳げんだいごやく 】
かわいらしいもの。瓜にうりに 描いてえがいて ある幼児のようじの 顔かお 。雀のすずめの 子がこが 、(人がひとが チュッチュッと)ねずみの鳴き声をなきごえを まねると、ぴょんぴょんと踊るようにおどるように やって来るやってくる の。二に 、三歳くらいのさんさいくらいの 幼児がようじが 、急いでいそいで 這ってはって くる途中にとちゅうに 、ごく小さなちいさな ごみがあったのを、目ざとくめざとく 見つけてみつけて 、たいそう愛らしいあいらしい 指でゆびで つまんで、どの大人にもおとなにも 見せているみせている のは、実にかわいいじつにかわいい 。頭はあたまは 尼そぎにあまそぎに してある幼児がようじが 、目にめに 髪がかみが 覆いかぶさっておおいかぶさって いるのを、払いのけないではらいのけないで 、首をくびを かしげて物などをものなどを 見ているのもみているのも 、かわいい。
大柄ではおおがらでは ない殿上童がてんじょうわらわが 、りっぱな着物をきものを きちんと着せられてきせられて 歩き回るのもあるきまわるのも 、かわいい。愛らしいあいらしい 幼児がようじが 、ちょっと抱いていだいて 、遊ばせあそばせ かわいがるうちに、(こちらに)かじりついて寝入ってねいって しまったのは、たいそう愛らしいあいらしい 。
人形遊びのにんぎょうあそびの 道具どうぐ 。蓮のはちすの 浮き葉でうきはで たいそう小さいのをちいさいのを 、池からいけから 取り上げたのとりあげたの 。葵のあおい (葉ではで )ごく小さいのちいさいの 。何もかもなにもかも 、小さなものはちいさなものは 、みなかわいい。
たいそう色白くいろしろく 肥えているこえている 幼児でようじで 、二歳くらいなのがにさいくらいなのが 、二藍のふたあいの 薄物などうすものなど 、着物のきものの 丈がたけが 短くてみじかくて (袖をそでを )襷でたすきで くくり上げているのがあげているのが 、這い這いしてはいはいして 出てきたのもでてきたのも 、また、丈のたけの 短いみじかい 着物できもので 、袖ばかりがそでばかりが 目立つめだつ 着物をきものを 着てきて 歩き回るのもあるきまわるのも 、みなかわいい。八歳はっさい 、九歳きゅうさい 、十歳くらいなどのじゅっさいくらいなどの 男の子がおとこのこが 、声はこえは 子どもっぽいこどもっぽい 感じでかんじで 漢文のかんぶんの 書物をしょもつを 読んでいるのはよんでいるのは 、たいそうかわいい。
鶏のにわとりの 雛がひなが 、足があしが 長くながく 見えてみえて 、白くしろく 愛らしくあいらしく 、着物のきものの 丈がたけが 短いみじかい といった様子でようすで 、ぴよぴよとやかましく鳴いてないて 、親鳥がおやどりが 、また、(雛をひなを )いっしょに連れてつれて 走るのもはしるのも 、みなかわいい。カルガモのかるがもの 卵たまご 。ガラス製のがらすせいの 壺つぼ 。
文法解析 中文翻譯
文法・表現 (人がチュッチュッと)(補足説明) 現代語譯中加入補注説明 讓讀者理解古文省略的部分。 〜呀〜地(疊字副詞) 「跳呀跳 」=表連續的動作 。 〜時〜(時間順序) 「急ぎて這ひ来る道に 」→「急忙爬過來時 」。 〜真是太〜(強調感嘆) 「いとうつくし 」→「真是太可愛 」。 総而言之(総括) 「何も何も 」→「總而言之 」。 中文翻譯 (現代語譯)可愛的東西:畫在瓜上的幼兒臉龐。麻雀小寶寶——當人發出「啾啾」的鼠叫聲時,牠就跳呀跳地過來。二、三歲左右的幼兒,急忙地爬過來時,發現路上有極小的灰塵,用很可愛的小手指捏起來,給每位大人看。真是太可愛。
齊耳短髮(尼姑式)的幼兒——頭髮垂下蓋住眼也不去撥開,歪著頭看著什麼的樣子,也很可愛。
不太大的「殿上童」——被打扮起來走著的樣子,也很可愛。
抱起一個可愛的幼兒短暫地逗弄、疼惜,他卻緊緊抱著入睡,真是令人憐愛。
玩具的小用具。從池中撈起來的、極小的蓮花浮葉。極小的葵葉。總而言之,無論什麼,小東西都是可愛的。
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文法解析 中文翻譯
文法・表現 〜の〜及び〜を〜禁じます(漢語並列) 「無断転載及び商用利用 を固く禁じます 」——「及び 」=書面並列;「固く 」=強調副詞。