学習のねらい
これまで、兼好法師の随筆『徒然草』を読んできましたが、兼好は『徒然草』のみならず、多くの和歌を残しています。存命中は、随筆の作者としてよりも、大変優れた歌人として知られていました。兼好の経歴を押さえた上で、兼好が詠んだ和歌を読んでみましょう。
文法・表現
- 〜てきましたが、〜(完了+逆接)
- 「読んできましたが」=「已經讀過了,但…」。過去到現在的繼續+逆接。
- 〜のみならず、〜(限定の否定)
- 「『徒然草』のみならず、多くの和歌を残しています」=「不只《徒然草》,還留下許多和歌」。書面的添加。
- 〜よりも、〜として知られていました(比較+資格)
- 「随筆の作者よりも、歌人として知られていました」=「比起隨筆作者,更以歌人聞名」。
- 〜たうえで、〜(前提+次の動作)
- 「経歴を押さえたうえで」=「在掌握經歷的基礎上」。
中文翻譯
至今我們閱讀了兼好法師的隨筆《徒然草》,但兼好不僅是《徒然草》的作者,還留下了眾多和歌。在世時,他作為「極為傑出的歌人」比作為隨筆作者更為人所知。讓我們了解兼好的經歷,並閱讀他的和歌作品吧。
●学習のポイント●
〈一〉出家者としての兼好法師を知る
〈二〉歌人としての兼好法師を知る
〈三〉兼好法師の和歌を読む
文法・表現
- 〜としての〜を知る(資格+目的)
- 「出家者としての兼好を知る」=「了解作為出家者的兼好」。「として」+連体修飾「の」。
中文翻譯
〈一〉了解作為出家者的兼好法師
〈二〉了解作為歌人的兼好法師
〈三〉閱讀兼好法師的和歌
■出家者としての兼好法師を知る
兼好は三十歳前後で出家し法師になったと考えられています。『徒然草』には、仏教の考え方が記された段も多く見られます。
文法・表現
- 〜で〜になったと考えられています(受身的推量)
- 「出家し法師になったと考えられています」=「被認為是出家成為法師了」。客観的推量。
- 〜が記された〜(受身連体修飾)
- 「考え方が記された段」=「記下…思想的段落」。
- 〜にも〜段も多く見られます(範囲+多寡)
- 「『徒然草』にも〜段も多く見られます」=「《徒然草》中也有許多…段」。
中文翻譯
兼好被認為在三十歲前後出家成為法師。在《徒然草》中也有許多寫到佛教思想的段落。
- 『徒然草』のもっとも古い写本 …… 正徹が写したもの。室町中期。
- 『正徹物語』
● 出家前の名前は、兼好であった。
● 宮廷を警護する武士であった。
● 後宇多上皇の崩御をきっかけに出家した。
■歌人としての兼好法師を知る
● 二条為世に和歌を学ぶ。為世は、藤原定家の曾孫にあたる。
● 二条為世門下「和歌四天王」の一人であった。
文法・表現
- 〜に〜を学ぶ(学習の対象)
- 「に和歌を学ぶ」=「向…學習和歌」。「に」=動作的對象。
- 〜の曾孫にあたる(家系の関係)
- 「定家の曾孫にあたる」=「是…的曾孫」。「~にあたる」=「相當於」。
- 〜の一人であった(成員の限定)
- 「四天王の一人であった」=「是…之一」。
中文翻譯
●向二条為世學習和歌。為世是藤原定家的曾孫。
●二条為世門下「和歌四天王」之一。
■兼好法師の和歌を読む
● 兼好法師が頓阿へ送った和歌
(頓阿 …… 兼好とともに「和歌四天王」と呼ばれた一人。)
文法・表現
- 〜が〜へ送った〜(連体修飾の往来)
- 「兼好が頓阿へ送った和歌」=「兼好寄給頓阿的和歌」。
- 〜とともに〜呼ばれた(並列+受身)
- 「兼好とともに『〜』と呼ばれた」=「與兼好一起被稱為『…』」。
中文翻譯
●兼好法師寄給頓阿的和歌(頓阿……與兼好同被稱為「和歌四天王」之一)
夜も涼し 寝覚めの仮庵 手枕も 真袖も秋に 隔てなき風 (兼好)
文法・表現
- 夜も涼し(体言止め+形容詞)
- 「夜も涼し」=「夜也涼」。形容詞「涼し」終止形。
- 寝覚めの仮庵(連体修飾)
- 「寝覚めの仮庵」=「夜中醒來的草庵」。「仮庵」=旅居・草草建造的小屋。
- 〜も〜も〜なき〜(並列+打消連体)
- 「手枕も真袖も秋に隔てなき風」=「腕枕也好、衣袖也好,秋風都毫無分別地吹來」。「なき」=打消形容詞「なし」連體。
- 折り句(題詠の技法)
- 藏「よねたまへ(米たまへ=請給我米)」於各句首字的折り句。
中文翻譯
「夜も涼し寝覚めの仮庵手枕も真袖も秋に隔てなき風」(兼好)
[現代語訳]
夜も涼しい。仮庵で夜中にふと目が覚めると、自分の腕枕にも、左右の袖にも秋の風は隔てなく吹いているよ。
文法・表現
- 〜と、〜(同時の継起)
- 「目が覚めると、〜風が吹いている」=「一醒來,就…」。
- 〜にも〜にも〜(並列範圍)
- 「腕枕にも、衣袖にも」=「腕枕和衣袖都」。
- 〜隔てなく〜(副詞+打消)
- 「隔てなく吹いているよ」=「毫無分別地吹」。
中文翻譯
[現代語譯]「夜晚也涼。在草庵中半夜忽醒,自己的腕枕、左右的雙袖都被秋風毫無分別地吹拂著。」
● 沓冠
よ・ね・た・ま・へ (米たまへ)
せ・に・も・ほ・し (銭も欲し)
文法・表現
- 沓冠(くつかぶり)の技法
- 沓冠=和歌的各句首字+各句尾字連起來組成另一句話的技巧。「冠=句首」、「沓=句尾」(古日語把袖口和袖底分稱為冠和沓)。
- 〜たまへ(命令形・最高敬語)
- 「たまへ」=「請給」。「たまふ」=尊敬補助動詞,這裡是命令形。
- 〜も欲し(並列+希求)
- 「銭も欲し」=「也想要錢」。
- 含意:兼好が友人頓阿に物乞いの和歌を送った
- 這首和歌實際上是兼好用優雅形式向朋友頓阿要米和錢,是日本和歌史上著名的幽默作品。
中文翻譯
●「沓冠」:句首字「よ・ね・た・ま・へ」(讀作「米たまへ」=「請給我米」)、句尾字「せ・に・も・ほ・し」(讀作「銭も欲し」=「也想要錢」)。
以「請給米和錢」的隱語藏於和歌之中。
● 頓阿が兼好法師へ返した和歌
夜も憂し ねたくわが背子 果ては来ず なほざりにだに しばし訪ひこせ (頓阿)
文法・表現
- 夜も憂し(体言止め+形容詞)
- 「夜も憂し」=「夜也悲」。
- ねたく(形容詞ク活用連用)
- 「ねたく」=「遺憾地、令人懊惱地」。
- わが背子(古典親称)
- 「わが背子」=「我親愛的(人)」。古文中女性對男性愛人的稱呼。
- 〜果ては〜ず(最終+打消)
- 「果ては来ず」=「最後也沒來」。
- なほざりに(副詞)
- 「なほざり」=「隨便地、敷衍地」。
- 〜にだに(最低限の希求)
- 「にだに」=「哪怕只是…也好」。
- 訪ひこせ(命令形)
- 「訪ひこせ」=「來訪吧」。「こせ」=希求の終助詞,相當於「來」。
中文翻譯
「夜も憂しねたくわが背子果ては来ずなほざりにだにしばし訪ひこせ」(頓阿)
[現代語訳]
夜も辛い。恋しい私の夫は結局来なかった。いいかげんな気持ちでもいいから、少しでも訪ねてほしい。
文法・表現
- 〜辛い(形容詞・現代語化)
- 古「憂し」→現代「辛い」=「悲傷・煎熬」。
- 〜も結局〜なかった(強調+打消過去)
- 「結局来なかった」=「最終沒來」。
- 〜でもいいから(譲歩+希求)
- 「気持ちでもいいから」=「就算是…也行」。
- 少しでも〜(最低限の希求)
- 「少しでも訪ねてほしい」=「請至少來看看」。
中文翻譯
[現代語譯]「夜晚也讓人心痛。我親愛的他終究沒來。哪怕只是隨意的心情也好,請稍微來看望我吧。」
● 沓冠
よ・ね・は・な・し (米はなし)
せ・に・す・こ・し (銭少し)
文法・表現
- 〜はなし(古典文)
- 「米はなし」=「沒有米」。古文的「~はなし」=「沒有」。
- 〜少し(程度副詞+断定)
- 「銭少し」=「錢也只有一點」。
- 対の沓冠(応答歌の技巧)
- 頓阿用同樣的沓冠技巧,把「米也沒有、錢也少」暗藏其中,作為對兼好的戲謔回應。
中文翻譯
●「沓冠」:句首字「よ・ね・は・な・し」(讀作「米はなし」=「沒有米」)、句尾字「せ・に・す・こ・し」(讀作「銭少し」=「錢也少」)。
頓阿以同樣的「沓冠」回信,意為「米也沒有、錢也少」——可以窺見兩人的詩文才情與幽默感。
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文法・表現
- 〜の〜及び〜を〜禁じます(漢語並列)
- 「無断転載及び商用利用を固く禁じます」——「及び」=書面並列;「固く」=強調副詞。