言語げんご文化ぶんか

NHK高校こうこう講座こうざ
ラジオ学習がくしゅうメモ


言語げんご文化ぶんか #1

NHK高校こうこう講座こうざ ラジオ学習がくしゅうメモ

古文こぶん

古文こぶん入門にゅうもん 古文こぶん世界せかい

古文こぶんしたしむ

学習がくしゅうのねらい

言語げんご文化ぶんか」という科目かもくはじまります。ここではすぐれた古典こてん作品さくひん明治めいじ時代じだい以降いこう発表はっぴょうされた文学ぶんがくてき文章ぶんしょうあじわいます。それぞれの時代じだい人々ひとびとかんかたかんがかた理解りかいすることによって、きるためのヒントをれることができるのではないでしょうか。まずはじめに、「古文こぶんしたしむ」ためのだい一歩いっぽとして、古文こぶんかたれることをまなびます。古文こぶんかた現代げんだいぶんことなるところがありますし、現代げんだいにはられない古語こご登場とうじょうします。それらに注意ちゅういしながら、有名ゆうめい古典こてん作品さくひん冒頭ぼうとうむことで、古文こぶんみにれていきましょう。

文法・表現

〜という科目が始まります(連体+自動詞)
『言語文化』という科目が始まります」=「叫做『言語文化』的科目開始」。
〜を読み味わいます(複合動詞)
を読み味わいます」=「閱讀並品味」。
〜することによって、〜のではないでしょうか(手段+柔軟疑問)
することによって、〜のではないでしょうか」=「透過…,不就…嗎」。
〜として(資格)
第一歩として」=「作為第一歩」。
〜ながら、〜ましょう(並行+勧誘)
注意しながら、〜慣れていきましょう」=「一邊注意一邊熟悉吧」。

中文翻譯

「言語文化」這個科目即將開始。在此,我們將閱讀並品味優秀的古典作品、以及明治時代以後發表的文學性文章。透過理解各個時代的人們的感受方式與思考方式,是不是就能取得生存的提示呢?首先,作為「親近古文」的第一步,學習熟悉古文的讀法。古文的讀法有與現代文不同之處,也有現代語中見不到的古語登場。請一邊注意這些,一邊閱讀有名古典作品的開頭,逐漸熟悉古文的閱讀吧。

講師こうし 吉田よしだ しげる

学習がくしゅうのポイント◦

〈一〉「言語げんご文化ぶんか」ってなに?
〈二〉名文めいぶんせんみ、古文こぶんかたれる
〈三〉古語こご現代げんだいちがいを理解りかいする

文法・表現

〜ってなに?(口語の疑問)
ってなに?」=「是什麼?」。口語簡稱。
〜を読み、〜に慣れる(並列の連用)
を読み、〜に慣れる」=「讀…,熟悉…」。
〜の違いを理解する(漢語+目的)
違いを理解する」=「理解差異」。

中文翻譯

〈一〉「言語文化」是什麼? 〈二〉閱讀名文選,熟悉古文的讀法 〈三〉理解古語與現代語的差異

■「言語げんご文化ぶんか」ってなに?

むかし人々ひとびとも、わたしたち同様どうよう折々おりおりおもいやかんがえをうた文章ぶんしょうたくし、表現ひょうげんしてきました。そして、そのすぐれた作品さくひん文化ぶんかてき価値かちたかいものは古典こてんとして、時代じだいえて現代げんだいまでがれています。これを「言語げんご文化ぶんか」といます。

文法・表現

〜も、〜同様、〜(並列+類比)
も、私たち同様」=「也與我們同樣」。
〜を〜に託し、表現してきました(連用+継続)
を歌や文章に託し、表現してきました」=「託付於歌與文章,一直以來表現」。「~てきた」=過去到現在繼續。
〜は〜として、〜まで〜継がれています(資格+範圍+受身進行)
は古典として、現代まで受け継がれています」=「作為古典,被流傳到現代」。
これを〜と言います(命名)
これを『言語文化』と言います」=「把這個叫做『言語文化』」。

中文翻譯

從前的人們也與我們同樣,將不時的情思與想法託付於歌與文章中表現出來。然後,其中優秀的作品、文化價值高的東西,作為「古典」跨越時代被流傳到現代。把這個叫做「言語文化」。

●「言語げんご文化ぶんか」のおも教材きょうざい

●「言語げんご文化ぶんか」でまなぶこと


言語げんご文化ぶんか #1

名文めいぶんせんみ、古文こぶんかたれる

名文めいぶんわれる文章ぶんしょう冒頭ぼうとうみ、古文こぶんかたれましょう。ここで紹介しょうかいするななつの文章ぶんしょうを、文学ぶんがく時代じだい区分くぶん分類ぶんるいするとつぎのとおりです。

文法・表現

〜と言われる〜(受身連体)
と言われる文章」=「被稱為…的文章」。
〜の冒頭を読み、〜に慣れましょう(連用+勧誘)
冒頭を読み、〜に慣れましょう」=「讀開頭,熟悉…吧」。
〜の時代区分で分類すると次のとおりです(条件+断定)
時代区分で分類すると次のとおりです」=「依時代區分分類則如下」。

中文翻譯

閱讀被稱為名文的文章開頭,熟悉古文的讀法吧。在此介紹的七篇文章,依文學史的時代區分分類如下。

中古ちゅうこ……『竹取たけとり物語ものがたり』(物語ものがたり)、『枕草子まくらのさうし』(随筆ずいひつ)、『源氏げんじ物語ものがたり』(物語ものがたり
中世ちゅうせい……『方丈記はうぢやうき』(随筆ずいひつ)、『平家へいけ物語ものがたり』(軍記ぐんき物語ものがたり)、『徒然草つれづれぐさ』(随筆ずいひつ
近世きんせい……『おく細道ほそみち』(俳諧はいかい紀行きこうぶん
三大さんだい随筆ずいひつ 『枕草子まくらのさうし』(清少納言せいしょうなごん)・『方丈記はうぢやうき』(鴨長明かものちょうめい)・『徒然草つれづれぐさ』(兼好けんこう法師ほうし

文法・表現

〜……〜、〜、〜(並列の例示)
中古……〜、〜、〜」=「中古……、、」。並列列舉
時代区分(漢語熟語)
中古=平安時代;中世=鎌倉~室町時代;近世=江戶時代。

中文翻譯

中古……《竹取物語》(物語)、《枕草子》(隨筆)、《源氏物語》(物語) 中世……《方丈記》(隨筆)、《平家物語》(軍記物語)、《徒然草》(隨筆) 近世……《奧の細道》(俳諧紀行文) ※三大隨筆:《枕草子》(清少納言)、《方丈記》(鴨長明)、《徒然草》(兼好法師)

つぎのことに注意ちゅういしながら何度なんどむことによって、古文こぶんみにれましょう。

文法・表現

次のことに注意しながら〜(範圍+並行)
次のことに注意しながら」=「一邊注意以下事項」。
〜何度も読むことによって、〜慣れましょう(手段+勧誘)
何度も読むことによって、〜慣れましょう」=「透過反覆閱讀,熟悉…吧」。

中文翻譯

請一邊注意以下事項一邊反覆閱讀,藉以熟悉古文的閱讀吧。

古語こご現代げんだいちがいを理解りかいする

つき」「る」「おなじ」などの古語こご現代げんだいおな意味いみもちいられます。このような数多かずおおくあるのですが、「女御にょご」「更衣こうい」「やむごとなき」など現代げんだいではもちいられないもあり、これを古語こごいます。また、「あやし」(現代げんだいでは「あやしい」)は、現代げんだいでは「あやしい・不審ふしんだ」の意味いみもちいられますが、古文こぶんでは「不思議ふしぎだ」の意味いみ使つかわれます。このように古語こご意味いみ現代げんだい意味いみとがことなる古今ここん異義いぎいます。『竹取たけとり物語ものがたり』の「うつくし(かわいい)」、『枕草子まくらのさうし』の「をかし(おもむきがある)」も古今ここん異義いぎかんがえてよいでしょう。

文法・表現

〜などの語は〜で用いられます(受身的用法)
などの語は〜で用いられます」=「這類詞以…被使用」。
〜のですが、〜(譲歩)
あるのですが」=「有,但…」。
これを〜と言います(命名の定型)
これを古語と言います」=「把這個叫做古語」。
〜では〜の意味で、〜では〜の意味で〜使われます(場面別の用法)
現代では『怪しい』の意味で、古文では『不思議だ』の意味で使われます」=「現代以…意,古文以…意被使用」。
このように、〜と言います(總括+命名)
このように、〜と言います」=「像這樣,叫做…」。
〜と考えてよいでしょう(柔軟な判定)
と考えてよいでしょう」=「視為…也可以」。

中文翻譯

「月」「降る」「同じ」這類詞語,無論古語還是現代語,都以相同意義被使用。這類詞為數眾多,但也有像「女御」「更衣」「やむごとなき」這樣現代語中不使用的詞,把這些叫做「古語」。又,「あやし」(現代語為「あやしい」),在現代以「怪しい・不審だ」的意義被使用,但在古文中以「不思議だ」的意義被使用。像這樣,古語意義與現代語意義不同的詞叫做「古今異義語」。《竹取物語》的「うつくし(可愛い)」、《枕草子》的「をかし(趣がある)」也可以視為古今異義語。


言語げんご文化ぶんか #1

古文こぶんしたしむ

いまむかし竹取たけとりおきなといふものありけり。野山のやまにまじりてたけりつつ、よろづのことに使つかひけり。をば、さぬきのみやつことなむいひける。そのたけなかに、もとひかたけなむ一筋ひとすじありける。あやしがりてりてるに、つつなかひかりたり。それをれば、三寸さんずんばかりなるひと、いとうつくしうてゐたり。
竹取たけとり物語ものがたり

文法・表現

今は昔(物語冒頭定型)
今は昔」=「從現在算來是從前」。古物語的開頭定型。
〜ありけり(過去・伝聞)
ありけり」=「有過」。「けり」=過去伝聞助動詞。
〜つつ(並行・反復)
竹を取りつつ」=「一邊採竹一邊…」。
名をば、〜となむいひける(強調の係結)
名をば、さぬきのみやつことなむいひける」=「名字叫做讃岐造」。「なむ」=強調係助詞,要求連體形「ける」結句。
〜なむ〜ける(係結)
もと光る竹なむ一筋ありける」=「有一根根部發光的竹子」。
あやしがりて(連用)
あやしがりて」=「覺得奇怪而」。「がる」=表示心情的接尾語。
いとうつくしうてゐたり(強調+ウ音便+存続)
いとうつくしうてゐたり」=「非常可愛地坐著」。

中文翻譯

從現在算來是從前,有個叫做「竹取翁」的人。他混跡於山野中採竹子,用於各種事情。名字叫做「讃岐造」。在那竹子中,有一根根部發光的竹子。覺得奇怪,靠近一看,竹筒裡發著光。看那(光),有一個大約三寸的人,非常可愛地坐著。 《竹取物語》

はるは、あけぼの。やうやうしろくなりゆく山際やまぎはすこかりて、むらさきだちたるくもほそくたなびきたる。
なつは、よるつきのころはさらなり、やみもなほ、ほたるおおびちがひたる。また、ただひとふたつなど、ほのかにうちひかりてくもをかし。あめなどるもをかし。
枕草子まくらのさうし

文法・表現

〜は、〜(題目提示+体言止め)
春は、あけぼの」=「春天,是黎明」。体言止め,清少納言的招牌風格。
やうやう(副詞)
やうやう」=「漸漸地」。
〜なりゆく〜(複合動詞連体)
白くなりゆく山際」=「漸漸發白的山稜」。
〜たる(完了・存続の連体)
紫だちたる雲」=「泛紫的雲」。
〜さらなり(言うまでもない)
月のころはさらなり」=「有月亮的時節自不待言」。
〜なほ、〜(並且還)
闇もなほ」=「黑暗中也仍…」。
ほのかに〜行くも(連用+並列)
ほのかにうち光りて行くも」=「朦朧發光地飛行(這件事)也…」。
をかし(古今異義語)
をかし」=「有情趣的、令人欣賞的」。

中文翻譯

春天,是黎明。漸漸發白的山稜,稍微亮起來,泛紫的雲細細地飄拂著(最有情趣)。 夏天,是夜晚。有月亮的時節自不待言,連黑暗中也有眾多螢火蟲飛舞穿梭。又,僅一兩隻,朦朧地發光飛行也很有意趣。下雨等也很有意趣。 《枕草子》

いづれの御時おほんときにか、女御にようご更衣かういあまたさぶらたまひけるなかに、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれてときめきたまふありけり。
源氏げんじ物語ものがたり

文法・表現

いづれの〜にか(疑問の係結)
いづれの御時にか」=「是哪一位天皇的時代呢」。「」=疑問係助詞,下文省略動詞
あまた(古典副詞)
あまた」=「許多」。
候ひ給ひける(謙譲+尊敬+過去連体)
候ひ給ひける」=「侍奉著」。謙譲(候ふ)+尊敬(給ふ)的雙重敬語。
いとやむごとなき際にはあらぬが(強調+打消連体+逆接)
いとやむごとなき際にはあらぬが」=「身份並非特別高貴,卻…」。
すぐれて時めき給ふ(連用+尊敬)
すぐれて時めき給ふ」=「特別蒙受寵愛」。

中文翻譯

在哪位天皇的時代呢?(不知是哪個朝代,)有許多女御、更衣侍奉著,其中有位身份並非特別高貴、卻特別蒙寵的(女子)。 《源氏物語》

ゆくかわながれはえずして、しかも、もとのみずにあらず。よどみにかぶうたかたは、かつえかつむすびて、ひさしくとどまりたるためしなし。なかにある、ひとすみかと、またかくのごとし。
方丈記はうぢやうき

文法・表現

〜ずして(打消の連用)
絶えずして」=「不曾斷絕地」。
しかも、〜にあらず(逆接+打消斷定)
しかも、もとの水にあらず」=「然而並非原來的水」。
かつ〜かつ〜(並列の同時動作)
かつ消えかつ結びて」=「一邊消失一邊聚合」。
〜たるためしなし(完了連体+打消)
久しくとどまりたるためしなし」=「沒有長久停留的先例」。
かくのごとし(比況)
かくのごとし」=「與此相同」。

中文翻譯

流逝的河水的流動不曾斷絕,然而,並非原來的水。在淀處浮起的水沫,一邊消失一邊聚合,沒有長久停留的先例。世間之中的人與居所,也與此相同。 《方丈記》

祇園ぎをん精舎しやうじやかねこえ諸行しよぎよう無常むじやうひびきあり。娑羅しやら双樹さうじゆはないろ盛者じやうしや必衰ひつすいことわりをあらはす。おごれるひとひさしからず、ただはるよるゆめのごとし。たけものもつひにほろびぬ、ひとへにかぜまえちりおなじ。
平家へいけ物語ものがたり

文法・表現

〜の〜、〜の〜あり/あらはす(並列の対句)
鐘の声、〜響きあり/花の色、〜理をあらはす」——對句。平家物語的著名駢儷文體。
おごれる人(已然形+る=存続の連体)
おごれる人」=「驕傲著的人」。四段已然形+り(存続)的連體。
ただ〜のごとし(比況)
ただ春の夜の夢のごとし」=「僅如同春夜之夢」。
〜つひに〜ぬ(最終+完了)
つひに滅びぬ」=「最終滅亡了」。「」=完了。
ひとへに〜に同じ(強調+斷定)
ひとへに風の前の塵に同じ」=「全然如同風前之塵」。

中文翻譯

祇園精舍的鐘聲,含有「諸行無常」之音。沙羅雙樹的花色,顯示「盛者必衰」之理。驕傲之人不能長久,僅如同春夜之夢。剛強者最終也滅亡了,全然如同風前之塵。 《平家物語》

つれづれなるままに、日暮ひぐらし、すずりにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくきつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
徒然草つれづれぐさ

文法・表現

つれづれなるままに(形容動詞ナリ活用+ままに)
つれづれなるままに」=「在無聊閒散的狀態下」。
日暮らし(副詞)
日暮らし」=「整日」。
〜にうつりゆく〜(連体修飾の連鎖)
心にうつりゆくよしなしごと」=「心中浮起又消失的無謂之事」。
そこはかとなく(古典副詞)
そこはかとなく」=「漫無頭緒地」。
〜書きつくれば(已然形+ば確定條件)
書きつくれば」=「寫下時/因為寫」。
あやしうこそ〜けれ(強調的係結)
あやしうこそものぐるほしけれ」=「竟莫名地像著了魔似的呢」。「こそ」=強調係助詞,要求已然形結句。

中文翻譯

在無聊閒散之中,整日,對著硯臺,將心中浮起又消失的無謂之事,漫無頭緒地一一寫下,竟莫名地像著了魔似的呢。 《徒然草》

月日つきひ百代はくたい過客くわかくにして、きかふとしもまた旅人たびびとなり。ふねうえ生涯しょうがいかべ、うまくちとらへていをむかふるものは、日々ひびたびにして、たびすみかとす。
おく細道ほそみち

文法・表現

〜にして(漢文訓讀の連用斷定)
百代の過客にして」=「是百代過客,並且」。
行きかふ年(複合動詞連体)
行きかふ年」=「來來去去的歲月」。
〜に生涯を浮かべ、〜とらへて〜迎ふる者(多重連用+連体)
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者」=「在船上漂浮一生、握馬口迎老的人」。
日々〜にして、〜を栖とす(連用+慣用)
日々旅にして、旅を栖とす」=「每日是旅,把旅作為居所」。
百代の過客(李白「春夜宴桃李園序」引用)
百代の過客」——李白《春夜宴桃李園序》「光陰者,百代之過客」的引用。芭蕉的開頭典故。

中文翻譯

日月是百代的過客,往來的歲月也是旅人。在船上漂浮著一生、握著馬口迎接老年的人,每日是旅,把旅作為居所。 《奧の細道》