p.101 中世の歌人
中世主要歌人
- 西行(1118-1190) ── 出家した武家歌人。北面の武士佐藤義清。23歳で出家し、生涯を諸国行脚と歌作に費やす。新古今集に最多入集(94首)。家集『山家集』『聞書集』。素朴で深い感慨の歌風。「願わくは花のもとにて春死なん」
- 藤原俊成(1114-1204) ── 千載集撰者。「幽玄」を理念とする歌論を確立し、新古今調の基礎を築いた。家集『長秋詠藻』。歌論『古来風躰抄』。藤原定家の父。
- 後鳥羽院(1180-1239) ── 新古今和歌集の勅命者。自らも優れた歌人。承久の乱(1221)で隠岐に流される。流謫の地で歌に励む。「我こそは新島守よ隠岐の海の」
- 藤原定家(1162-1241) ── 新古今和歌集中心撰者。技巧の極致を追求した最大の歌人・歌論家。歌論『近代秀歌』『毎月抄』『詠歌大概』。自選歌集『拾遺愚草』。「百人一首」の撰者。
- 藤原家隆(1158-1237) ── 新古今撰者の一人。定家と並ぶ大歌人。優美な歌風。家集『壬二集』。
- 寂蓮(1139頃-1202) ── 新古今撰者の一人だが、編纂途中で死去。「さびしさはその色としもなかりけり」の三夕の歌が代表作。
- 式子内親王(1149-1201) ── 後白河院の皇女。賀茂斎院をつとめる。深い情感の歌風。「玉の緒よ絶えなば絶えね」
- 金槐和歌集(源実朝)(1192-1219) ── 鎌倉幕府三代将軍。万葉調の素朴で力強い歌風。家集『金槐和歌集』。「大海の磯もとどろに寄する波」「世の中は常にもがもな渚漕ぐ」
- 慈円(1155-1225) ── 天台座主。歴史書『愚管抄』作者。家集『拾玉集』。
近世の和歌歌人(参考)
- 細川幽斎 ── 戦国〜江戸初期の武将歌人
- 木下長嘯子 ── 歌人・連歌師
- 戸田茂睡 ── 古今伝授の伝統に挑戦
- 下河辺長流 ── 万葉調の復興
- 村田春海 ── 江戸国学者・歌人
- 本居宣長 ── 国学者・歌人。「もののあはれ」論
- 賀茂真淵 ── 国学者・歌人。万葉復興
- 良寛 ── 禅僧歌人。素朴で純粋な歌風
- 香川景樹 ── 桂園派の祖。古今集を理想とする