巻頭特集 ④ — 水の東西(続き):本論② / 結論
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本論
対比 ② 対比から導いた日本人観
人工的な滝を作った日本人が、噴水を作らなかった理由
日本の伝統(東)
噴水というものは少ない。せせらぎを作り、滝をかけ、池を掘って水を見る。
日本人にとって水は自然に流れる姿が美しい……圧縮したりねじ曲げたり、粘土のように造型する対象ではない。
見えない水
龍安寺の枯山水(石庭)の写真。白砂と苔・石の配置。
流れる水 時間的な水
- ▲ 日本庭園(紅葉と池・小滝)
- ◀ 日本庭園の中の滝
自然を改変して進歩してきた西洋に対し、自然のありままを取り込むことを重視した日本。技術の優劣でなく、考え方の違いが「水」の姿に表れている。
結論
筆者の意見 ── 背景にある日本人の考え
外界に対する……積極的に、形なきものを恐れない心
全体のまとめ ── 対比 ③ 見えない水と、目に見える水
流れを感じることだけが大切。断続する音の響きを聴いて、……間接に心で味わえばよい。そう考えれば、「鹿おどし」は、日本人が水を鑑賞する行為の極致を表す仕掛けだ。
心で味わう
水が見えなくても、「鹿おどし」の音で「水」を感じることができる。足りないものがあっても心で付け足す、という自然とともに醸成された日本文化の一面が、「鹿おどし」から感じ取れる。
- ▶ 龍安寺の枯山水の庭: 巧みに敷かれた小石が、水を表している。禅宗の寺に多く、見る人によって、さまざまなことを考えさせる。
- ▶ 曲水の宴: 上流から流した杯が自分の前を通過する前に詩歌を作る。「流れ」に親しむ日本人の姿がうかがえる遊び。
表現に着目 ② 多角的な分析
「噴水」の外観を表す表現
- 華やかな噴水 水の芸術
- みごとな噴水 壮大な水の造型
- バロック彫刻
「噴水」の性質を表す表現
- 〈水を〉圧縮したりねじ曲げる
- 〈水は〉粘土のように造型する対象
「噴水」の性質や外観に着目して分析を進めている。派手な外観という西洋人が好む特徴、「造型」という日本人が好まない性質など、細かい要素に分けることで「噴水」について認識を深めている。
※末尾「認識を深めている」は body の見切れ部分から推定。
平安装束の人々が小川のほとりに座って詩を作る場面の写真(曲水の宴の再現と推定)。本文中に明示的キャプションなし。