巻頭特集 評論読解の手がかり ③ — 水の東西(山崎正和)
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文章構成を意識して読む
- 序論…全体の話題、問題の提示。
- 本論…考えの筋道や意見の根拠。
- 結論…まとめ、筆者の主張・意見。
対比の関係をおさえる
対比は二つのものを比べ、違いを整理し、特徴を明らかにすること。対比の結果、導かれた意見を読み取る。
ここに着目
- どのような観点で比べているか。
- どちらが中心的話題か。
序論
話題の提示 ── 「鹿おどし」の紹介
「鹿おどし」が動いているのを見ると……人生のけだるさのようなものを感じる。
話題の説明 ── 「鹿おどし」の特徴
単純な、緩やかなリズムが、無限にいつまでも繰り返される。「鹿おどし」は我々に流れるものを感じさせる。
← 水の流れ・時の流れ
筆者が「鹿おどし」のどの特徴に着目しているかをおさえよう。
鹿おどし
竹筒で流水を受け、水の重みで反転。水を落とすともう一方が下がり、石にあたって音を出す。元来は音で獣を驚かし、農作物を守るためのもの。風流な響きから庭園に持ち込まれた。
本論
対比 ① 流れる水と、噴き上げる水
対比を用いた説明
日本の庭
石組と苔に置かれた竹製の鹿おどしの写真。鹿おどしの仕組みを示すイラスト2枚(「筒」「石」の注記、第2図には「ピクッ」「コーン」の擬音と驚く鹿)。
噴き上げる水 空間の水
- ▲ ニューヨークの噴水
- ◀ ローマ以来の水道技術 三層の橋の上層が水道。わずかな傾斜で流れるしくみ。(イラスト内ラベル:水道、人馬道)
- エステ家の噴水(イタリア)
表現に着目 ① 逆説的な表現
- 「曇った音響が時を刻んで、庭の静寂と時間の長さをいやがうえにも引き立てる」
- 「せき止め、刻むことによって、この仕掛けはかえって流れてやまないものの存在を強調」
一つの音が響くことで、いかに静かな状況だったかを意識できる。逆の状態が起こることで、今まで注意していなかった状態を意識するのである。
※「曇った」は OCR の判読。原文では「篭った」(こもった)の可能性が高いが、画像上の字形では「曇」と読み取れる。要確認。
※人名読みについて: 山崎正和(1934–2020)は劇作家・評論家。『水の東西』は有名な評論教材。